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日常と地続きの非日常がそこにある!panpanya漫画のススメ

ゆるいエッセイ風コミックを読んでいると思ったら、いつの間にかねじれた不思議空間に連れ込まれていた…!

一度読んだら忘れられない、読者を奇妙な世界に誘う独特の作風を持つ漫画家・panpanya(パンパンヤ)さん。本記事ではそんなpanpanya漫画の特徴と、既刊の単行本をご紹介します。

panpanya漫画について

panpanyaさんの漫画は、基本的に数ページから数十ページの、ショート・ショート的な短編作品。

  • 女の子の姿をした「私」
  • 二足歩行で言葉をしゃべる「犬」(レオナルドと呼ばれることも)
  • 穴が4つ開いた変な被り物(?)をしている男
  • もう一人の少女(髪長め)
  • 動物や魚っぽい何か

などのキャラクターが、スター・システム的に各短編でそれぞれの役割をふられ、物語が展開。主人公「私」が、ごく何気ない出来事に疑問を持ったところから、日常から少しねじれた世界でその疑問を理解していく、というゆるい冒険(のようなもの)が描かれます。

まあ、文章ではおそろしく伝わりにくいんですが(笑)。パターンとしては「現実」から「空想」へ、そしてまた「現実」へ帰ってくる、といったイメージ。そしてその世界観から生まれる不思議な「腑に落ちる」感が面白い

漫画を数ページめくると、そこはもう非日常の世界。わけがわからないのだけれど、妙な説得力があるわからなさが、読めば読むほど癖になります。

papanya漫画の特徴

そんなpanpanya漫画の大きな特徴が、「ゆるいキャラクター」とそれに反比例するかのごとく「緻密に書き込まれた背景」

上記はpanpanyaさんの漫画が連載されている白泉社「楽園」のツイートより。「人物のゆるさ」と「背景の緻密さ」の一端がご覧いただけると思います。ゆる~い絵柄の漫画は数多くありますが、この異様に描き込まれた背景が、panpanyaさんの漫画ならでは。

日常と地続きになった非日常、豊かな表情を見せてくれるゆるいキャラクターたち、そして卓越したセンスで描かれる背景が、繰り返し味わいたくなるような「漫画を読む楽しさ」と「絵を眺める楽しさ」を生み出しています。

単行本リスト

以下、panpanyaさんの既刊単行本の紹介です。「足摺り水族館」以外は白泉社より刊行、電子書籍化もされています。発売日の古いものから掲載。

足摺り水族館

“1月と7月社”より刊行されているpanpanyaさん1冊目の単行本「足摺り水族館」。長らく絶版でしたが、2018年に再版。Amazonはじめ、各書店でも普通に購入できるようになりました。

以降の単行本と比較すると荒削りな感じがしますが、逆にそれが「味」。スケールの大きな非日常が展開され、panpanyaさんの原点とも言うべき風味を堪能できます。紙質やカバーなどにこだわった、紙書籍ならではの装幀にも注目。

なお漫画としての読みやすさは、以降の白泉社単行本の方が洗練されています。そちらを先に読んでから、原点である「足摺り水族館」へ戻る、という読み方もアリだと思います。

蟹に誘われて

白泉社「楽園コミックス」からの初単行本「蟹に誘われて」。コミック誌「楽園」掲載分と同人誌発表分が一冊にまとまっています。

オススメの一作は、降りる駅を間違えた「私」が、謎の駅前商店街を彷徨う「方彷の呆(hohonoho)」。「ここでは無いどこか」にナチュラルに連れて行かれる、panpanya漫画ならではの感覚が存分に味わえます。

淡々と進む物語とねじれた風景描写に包まれていくうちに、足もとが覚束なくなる不安感があって、不思議な気分に。謎のプラモデルを組み立てたらたくあん製造機になった、という4Pの短編「TAKUAN DREAM」も適当すぎて好きw。

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枕魚

「まくらうお」と読みます「枕魚」。「私」がピザまんを買うために、謎のイルカに連れられて地下街を彷徨う「地下行脚」が面白い。先の見えないダンジョンをねり歩く不気味さ、が何とも奇妙で怖い。

ほか、奇妙な味わいの「ニューフィッシュ」がオススメの一編。神奈川の漁港に水揚げされた「ぶえぶえのゼリーか何か」のような魚状の物体。その発生源を追うと意外な事実が…?読み手に新たな価値観を植え付ける結末が衝撃的(ホンマか?)。

動物たち

動物が多数登場するpanpanya漫画そのものをあらわすかのような、ど直球なタイトル「動物たち」。

野生動物を拾ったら勝手に増殖して保健所が開発した動物捨て機でも駆除できずに洗脳セットを持ち出して動物を追い払うがその結末は、という「猯(まみ)」が面白い。ちょっと何言ってるかわかんないですよね。私もわかんないです。

本巻収録の各話を読むと、panpanyaさんらしい風味を損なわずに、絵柄的にがより洗練されてきている感じ。ちなみに私はこの単行本でpanpanyaデビュー、一気にハマりました

二匹目の金魚

白泉社・楽園発の4冊目の単行本「二匹目の金魚」。高度なかくれんぼのテクニックを身に着けた「私」が安住の隠れ場所を見つけ、しかしそこで葛藤する様を描く「かくれんぼの心得」など、より日常感を増した全19編を収録。

不慮の事故からクラスの共有財産である金魚を逃してしまった「私」が、季節外れの金魚を求めて「屋台の巣」へ赴く表題作「二匹目の金魚」のように、いろいろな理屈を積み重ねて非日常の世界に連れていくpanpanyaさんの手口に注意しなければならない何と戦ってるんだ俺は。

グヤバノ・ホリデー

初のカタカナタイトル「グヤバノ・ホリデー」。panpanyaさんが実在の果実「グヤバノ」を求めてフィリピンへ飛ぶ、ドキュメンタリー・テイストの連作「グヤバノ・ホリデー」ほか、多数のショート・ショートを収録。

実体験の漫画化という、panpanya漫画の中でも新しい試み。それでいてpanpanyaテイストはそのままというのが新鮮な読後感。果たしてpanpanyaはグヤバノにたどりつけるのか!というゆるいドキドキも。

日常の何気ない出来事から不思議空間へ読者を誘う、その他の短編も安定のクオリティ。芋蔓をつたってひたすら地下を掘り進めていく「芋蔓ワンダーランド」は味わい深い一編。

おむすびの転がる町

坂道を転がるおむすびを追った人が、お土産の「つづら」をゲットしたのを見た「私」。これは現代の”おむすびころりん”だ!とねずみの穴を探す表題作などを収録した「おむすびの転がる町」。

福引で当たった筑波山への奇妙な旅行を描く連作「筑波山観光不案内」、要らないものを何でも買取してくれる謎の店を冒険する「坩堝」、郵便配達のバイトが”消えた配達先”を探す「新しい土地」など、身近な異世界への冒険がてんこ盛りの一冊

実在のパンケーキ「ヤマザキ カステラ風蒸しケーキ」を追い求める「私=筆者」を描く「カステラ風蒸しケーキ物語」は単発のエッセイかと思いきや、次巻で意外な展開を…

魚社会

「FISH SOCIETY」という英題が何とも間の抜けた単行本「魚社会」(うおしゃかい?)。

漁港に水揚げされた謎の魚が進化、独自の社会を構築し人間の居場所を軽く侵食していく表題作「魚社会」ほか、レアなお土産をサービスエリアで求めるうちに新しいビジネスへと繋がっていく「おみやげの心得」など、panpanya”らしさ”満載の一冊

その中でも特徴的なのが、前巻「おむすびの転がる町」からの連投となった「続・カステラ風蒸しケーキ物語」~「続続続続・カステラ風蒸しケーキ物語」。カステラ風蒸しケーキ物語を求めるpanpanya氏の飽くなき闘い、その結末や如何に…!

まとめ

以上、独特過ぎる感性を持つ漫画家・panpanyaさんの漫画および単行本紹介でした。ショート・ショート形式で気軽に読めて、しかし気づくとどっぷりハマってしまう、独自の世界をぜひ楽しんでみてください。

なお文中でも少し触れましたが、「足摺り水族館」から読み始めなくてもOK。「蟹に誘われて」~「二匹目の金魚」あたりならば、どの巻から手に取っても楽しめると思いますよ。

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