漫画「うみそらかぜに花」―少年少女が織りなす海辺の町の爽やか青春譚

海辺の田舎町を舞台に、思春期にある多感な少年少女の日常が、超絶な表現力で情感たっぷりに描き上げられる青春ストーリー。大石まさるさんの漫画「うみそらかぜに花」です。

連載は少年画報社ヤングキングアワーズで、2021年10月現在2巻まで刊行中。漫画の魅力が詰まりまくっている素晴らしい!作品です。

「うみそらかぜに花」感想・レビュー

あらすじ・概要

海辺の町に住む中学2年生、天文部所属で星が好きなカナメと、小柄でとにかく元気なアミ。ふたりが友人たちと共に、文化祭などの学校イベントや街の暮らしを楽しむ様が、「うみそらかぜに花」では綴られていきます。

↓こちらは作者・大石まさるさんによるPV。連載開始時のものですが、全編こんな感じの雰囲気です。

物語の中で大きなキーとなるのは、カナメとアミの関係性。学校では「ただの同級生」として振る舞っていますが、実は一つ屋根の下に住んでいる二人。その理由は果たして…?

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躍動感あふれる田舎の生活

「一つ屋根の下に住む思春期男女」と書くとどうしても恋愛方面を想像してしまいますが、そちらの話は少なめ。漫画の方向性としては「元気な中学生たちの健康的な田舎暮らし」といった感じでしょうか。

この田舎暮らし、彼らの日々の生活が、読んでいてとても楽しい!1巻の前半で描かれる文化祭の様子や、南の海ではしゃぐ姿。その「目いっぱい生きている様子」を見ると、思わず笑みがこぼれてきます。

高すぎる画力がスゴイ

そんな「うみそらかぜに花」の世界観を形づくるのが、大石まさるさんの卓越し過ぎている画力。プロ作家に対して「絵がウマイ」と褒めるのは恐縮なのですが、とにかく巧すぎる!風景・背景の描き込みは、圧巻の一言。

そのスゴみを感じるのがカナメ・アミ、ふたりの部屋を描写したコマ。それぞれの性格を反映したその様子、「ホントにありそうな少年少女の部屋」感があふれています。正直、何気ない一コマにここまで手をかけるか!とビックリ

また2巻、伊藤若冲にインスパイアを受けたアミが描きあげる絵も、スゴイの一言。よく物語の中で「すごくウマイ絵」が表現されることがありますが、「本当にスゴイ絵」を描いちゃうのが、大石まさるさんならでは。クオリティの高い漫画表現は、何度見ても飽きることがありません。

繊細な思春期の描写に心が揺れる

風景だけではなく、元気いっぱいのキャラクターが織りなす物語も、とにかく「楽しい」の一言。特に目立つのは、毛量が多く「毛玉」と呼ばれることもあるアミ。元気が取り柄の彼女が、所狭しとコマ・ページ内を駆け巡る様にほっこり。

そんな彼女が、しかし涙を流すシーンが。文化祭の最中、運動部の先輩から告白を受けるアミ。まったく予想をしていなかった出来事に心の整理がつかない彼女は、学校を離れ一人ベンチに横たわる…。

この思春期ならではの微細で繊細な心の描き方に、グッとハートを揺り動かされました。彼女を優しく見守るカナメの気遣いもステキ。いつまでもこの空間に浸っていたい、と思わせる雰囲気のある漫画です。

まとめ

以上、大石まさるさんの「うみそらかぜに花」感想・レビューでした。とにかく「漫画力」の高い作品。丁寧にしてハイレベルな作画と、楽しいキャラクターたち、両者が噛み合って漫画全体からその世界観が「ブワッ」と伝わってきます。

また2巻になってカナメ・アミたちの人物像もより掘り下げられ、世界観により愛着が。元気過ぎる中学生たちのパワーあふれる日常を楽しんでいると、不思議と読み手にも元気が湧いてくるような。海辺の町の爽やか青春物語を楽しんでみてください。

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