町田メロメさんの漫画『三拍子の娘』。父に捨てられた娘たち、その悲惨な末路…
…とはまったく縁遠い、愉快な三姉妹のひょうひょうとしたエブリデイが、オール2色カラーでユーモラスに綴られる日常コメディです。
『三拍子の娘』は電子書籍ストア「ebookjapan(イーブックジャパン)」にて連載。2022年6月現在、単行本が2巻まで刊行中。
『三拍子の娘』感想・レビュー
あらすじ・概要
母の四十九日が終わった頃、「ピアノ弾きながら世界中を旅するんだ」と語る父は、娘たちを捨て失踪。残された三姉妹は伯母に引き取られる。
それから10年。折原家の長女すみ・次女とら・三女ふじは、伯母の家を出て再び三姉妹だけで暮らすように。
女三人の生活はさぞかし苦労の連続…と思いきや、その日常は意外に楽しそうで…?
そんな三姉妹の愉快な生活が、町田メロメさんのポップなイラスト風タッチと、赤を基調とした華やかな二色カラーにのって、彩り豊かに綴られていきます。
三姉妹の前向きなコミカル・ライフ
「母を亡くし、父親に捨てられる」という、ヘビーな雰囲気で始まる『三拍子の娘』。
第一話の序盤では、ややどんよりした空気が…。
しかしそれから10年経った折原家。そこには楽しい雰囲気で食卓を囲み、バッティングセンターで揃ってストレスを解消する、仲睦まじい三姉妹の姿が。
「私たちってさあ… 親に捨てられたにしてはさあ… 楽しく… 暮らしてない!?」
食事に仕事に学校に、日々の生活の中でナチュラルに楽しいことを見つけて、前向きな人生を送っていく三姉妹。
ショート・ストーリー形式で紡がれる、彼女たちのコミカルでカラッと明るい生活模様が、なんともユニークで面白い!
町田メロメさんの描写力が魅力的!
一家を支える大黒柱ながら、不思議と楽天家な長女・すみ(28)。
一見ギャル風だが、天性の愛嬌でやり手営業マンな次女・とら(22)。
成績優秀な美少女(自覚あり)だが、やや無気力な三女・ふじ(18)。
そんな三姉妹が時に現実と向き合い、時に妄想の世界に入って繰り広げる、日々の暮らしぶりが何とも面白い『三拍子の娘』。
その世界観を形作るのが、作者・町田メロメさんの類まれなる描写力。
玉子10個割った 1/2 pic.twitter.com/G1l1sEylBY
— 町田メロメ (@qumolilon) September 30, 2020
サラリと親しみやすいタッチ、テンポの良いストーリー展開、そして多彩な構図と巧みな表現力。
イラストレーターでもある町田メロメさんの生み出す物語には、「絵」としても「漫画」としても多くの魅力が詰まっています。
父親と三姉妹の気になる関係性…?
そんな折原家三姉妹を描く物語『三拍子の娘』。
基本は笑ってほっこり、なのですが、時折ちらつくのは彼女たちを捨てた父親の影。
音楽教師を生業とし、母を愛してはいたけれど、その死後に「父親をやる意味がわからない」と言い放ち家を去った彼。独特の感性を持つ不思議な人物。
しかし、ささやかながらも自立した生活を送っているすみ・とら・ふじ三姉妹にとっては、10年間音沙汰も無い父はすでに「不要な存在」。
…なのですが、物語の随所で彼の存在がちらついて…?
基本的には三姉妹のコミカル・ライフが楽しい『三拍子の娘』ですが、「過去の楽しい思い出」も描かれたりもして、父親との関係性も気になるところ。
さて「折原家」の未来や如何に…?
『三拍子の娘』まとめ
以上、町田メロメさんの漫画『三拍子の娘』感想・レビューでした。
『三拍子の娘』各巻は240P前後の大ボリュームで、読み応え満点。オール2色カラーもインパクトあり。
何より町田メロメさんの作画がとても魅力的な作品です。ぜひ三姉妹のユーモアあふれ過ぎる生活に触れてみてください。
なお『三拍子の娘』の単行本は連載媒体であるebookjapanで、他ストアより1ヶ月ほど早く先行配信されます。初回利用でお得なクーポンも利用できるので、ぜひチェックしてみてください。
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