「また、天才に会ってしまった…」
そんな帯が印象的な漫画読本がこちら、「マンガ好きのためのマンガ家インタビュー集」というド直球なタイトルの本。
一迅社より2017年7月1日に刊行されました。
表紙は「それでも町は廻っている」の石黒正数さん。
赤い背景と漫画風イラスト、そしてフキダシをあしらったタイトル。
このカバー、好きだなぁ。
そして「マンガ好きのための…」と言われては買わないわけにはいかない!と思ってしまうのが漫画好きの性。
見事(?)お買上げと相成りました。
概要
一迅社「マンガ好きのためのマンガ家インタビュー集」は、同社より隔月刊行の雑誌「Febri(フェブリ)」に掲載のマンガ家ロングインタビュー企画を、一冊の書籍にまとめたものです。
インタビューが掲載されている漫画家さんは下記の通り。
- 石黒正数
- 沙村広明
- 施川ユウキ
- 結城心一
- 石川雅之
- 岩原裕二
- 弐瓶勉
- ゆうきまさみ
- 星野リリィ
- 鈴木央
- 木尾士目
- 藤田和日郎
- 久米田康治
- 椎名高志
- 赤松健
- 高河ゆん
以上16名、掲載順で敬称略。最後の高河ゆんさんへのインタビューのみ、書籍化にあたっての録り下ろしです。
各項は作家さんへのインタビュー、代表作のレビュー(数点)、BIBLIOGRAPHY(年度別の発表作リスト)という構成になっています。
感想・レビュー
作品を知っているとより深まる理解
まずは石黒正数さんのインタビューから読みます。インタビューは「それ町」が完結していない時のもの(Febri2013年4月10号掲載)。
「それ町」「ネムルバカ」「外天楼」などの人気作品の成り立ちや、「それ町」のスタイルで影響を受けた人、どうやってトリックを思いつくのか、などなど。
ファンならば気になる内容ばかり。興味深く読めました。
続いて沙村広明さんのインタビュー。「無限の住人」完結後のインタビュー。
うんうん、なるほどなるほど…。と読み進めてはたと気づく。
「これは漫画家さんの作品を知っていた方が、楽しく読めるのでは…?」
というのは、どのインタビューもベテラン作家さんへのそれなので、どうしてもキャリアと手がけられた漫画を知っていた方が、より理解が深まって面白い。
これは本書に対する批判ではなく、むしろそれだけ資料価値が高い、ということだと個人的には思います。
なのでその作品を読んだことのある漫画家さんのインタビューだけ読み、それ以外のインタビューは後のお楽しみに取っておくことにしました。
うん、なんかその方が楽しい(笑)。
読ませるレビューの数々
そんなの気にしないぜ!知らない作家さんのインタビューもガンガン読むぜ!
もちろんそれでもOK。本の読み方は自由だ!
ちなみにプロのライターによる各漫画家さんの作品レビュー、これが実に読ませる内容で、価値のある文章。
うーん、こんなレビューを書いてみたい。
というわけで一部未読ではありますが「マンガ好きのためのマンガ家インタビュー集」の感想。
タイトル通り「マンガ好き」なら手元に置いておきたい一冊です。
読んだ中では石黒正数さんのインタビューが面白かったですね。
歩鳥と紺先輩、そして他の作品との関連性など。ファンとして満足のインタビュー内容でした。
Febri本誌ではロングインタビューは引き続き連載されているよう(本記事作成時の最新号ではいくえみ綾さんへのインタビュー)なので、そのうち第二弾が刊行されるのでしょうか。
楽しみですが、その時までには本書を全部読んでおきたいと思います。がんばって漫画読もう。
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