芸能界でタブー視される「アイドルの恋愛」。
イケメンアイドル男子とお笑い芸人女子の恋愛は成立するか?
御徒町鳩(おかちまち・はと)さんの全1巻完結漫画「きみ諦めることなかれ」を読みました。
私、御徒町鳩さんの描くキャラクターが好きなんですよね。「ファンタジー」とか大好きです。
カバーではイケメン男子が、ややぽっちゃり目・太眉が特徴的な女の子に迫っていますが、この「きみ諦めることなかれ」、さてどんな恋模様が描かれるのか―。
「きみ諦めることなかれ」レビュー
あらすじ
4人組アイドルグループ「WARP(ワープ)」のメンバー・隼人。
幼い頃に大好きだったのは、お笑い系の子役・のぶちゃん。隼人は彼女に会うために芸能界に入ることを志す。
そして高校生になった隼人は、お笑い芸人となったのぶちゃん=小川のぶ子とクラスメイトに。
「笑い」を通じて親交を深める二人。
しかし友達という関係に我慢ができない隼人は、勢いでのぶ子に告白をしてしまう。
恋愛に免疫のないのぶ子の反応は…?
魅力的な「芸人ヒロイン」
イケメンアイドル男子とお笑い芸人女子の恋愛を、コミカルに描いた漫画「きみ諦めることなかれ」。
「芸人」という設定なので、かわいらしさはあっても決して美人ではない、というヒロイン・のぶ子の描き方が絶妙です。
漫画の不美人(設定上の)というのは「実は美人だった」とか、「マンガの表現上、どうしても美人に見える」といったことが多いもの。
のぶ子のビジュアルは、実際のタレントさんで言えばイモトアヤコさんや柳原可奈子さん、といったイメージでしょうか。
芸人でありながらかわいさを感じさせる、リアルな人物造詣です。
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イケメンアイドルとのコントラスト
そんなのぶ子だけに、イケメンアイドルとの対比が鮮明に。
彼女が可愛くて、好きで好きで仕方がない、という隼人の姿と対照的。
よいコントラストが産み出されています。面白い。
禁断のテーマ「アイドルの恋愛」
物語は、3話までは隼人とのぶ子、そして二人の友達で同じく芸能人である女の子、それぞれをメインに微妙な恋模様が描かれます。
しかし中盤以降はアイドルグループ「WARP」の4人が中心となった、「アイドルの恋愛事情」がメインに。
隼人とのぶ子のコミカルだけどマジメな恋愛、を期待していたのですが、のぶ子の登場が減ってしまったので、その点はちょっと残念なところ。
「アイドルの恋愛」、その答えは…
ただ、この「アイドルの恋愛」というのも興味深いテーマなんですよね。
最近も大物アイドルグループで衝撃的な事件がありましたが、アイドルは恋愛をしてはいけないのか?というのはなかなか難しい問題。
個人的には「アイドルは恋愛をしてもいいし、ファンももう少し寛容な方がいいのでは」と思います。海外のアイドルは若くして結婚したりしますしね。
でもそれは外野の勝手な意見だし、実際にアイドルを一生懸命応援しているファンの「夢を壊さないで」という気持ちもわかります。難しい問題だ…。
そんなアイドルの恋愛にも作中で一定の答えが出されていて、個人的にはすっきりとした読後感。ラストも前フリが効いていて良い、です。
まとめ
以上、漫画「きみ諦めることなかれ」の感想・レビューでした。
本作は2010年に連載が始まって、単行本化されたのが2017年。全1巻の漫画としてはスパンが長めです。
途中掲載誌の休刊などもあったようで、それらが全体の構成に若干影響をしたのかもしれません。
しかし芸能界を舞台にした恋愛、なかなか読ませるものがありました。
芸人とアイドルの恋愛、アイドルが恋愛することの是非、面白いテーマなので、それぞれをもっと掘り下げた漫画を読んでみたいですね。御徒町鳩さんの次回作に期待です。
ところでのぶ子が猿の気ぐるみで恥ずかしがる姿は萌える…!
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