ゴトウユキコさんの短編漫画集『天国 ゴトウユキコ短編集』より、短編『天国までひとっとび』の主なあらすじとレビューです。
「幼なじみの園田晶(あきら)が死んだ 交通事故だった」片思いしていた少女・晶の死を悲しむ中学生・太朗。その枕元に、晶の幽霊が現れた!
ふわふわと太朗の周りを漂う彼女、その「未練」はただ一つ。担任の男性教師・角田に想いを伝えること。しかし太朗は当の角田とはどうにもソリが合わず、いつも叱られてばかり。
「ほんの少しだけちゃんとしたら、本当の角田先生が見えてくる」という晶のアドバイスを受け、生活態度を改善する太朗。時が経つうちに、角田との関係に変化が。果たして太朗は、晶の未練を成就させられるのか…?
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「死んだ幼なじみが幽霊になって現れる」という設定は、特に目新しいものではありませんが、そこに「先生」を絡めたのが本作『天国までひとっとび』の面白み。
少女に片思いしていた少年。先生のことが好きだった少女。そして二人の気持ちなど露ほども知らない先生。そんな三人の「奇妙な三角関係」が描かれます。
その中で「少女の本懐を遂げさせてやりたい」と少年は思うわけですが、「幽霊の気持ち」をどうやって伝えればいいのか?しかも相手は苦手な先生…。
しかしそこで少年は、持ち前の素直さを発揮。やがて今まで見えなかった「先生の本当の姿」が浮かんでくる。その過程で見える、三人の表情が何ともステキ…!
本作、キャラクターの表情が本当に良いんですよ。何度見ても感情を揺さぶられます。1対1の構図が多い短編において、三者それぞれの個性が活きているのも秀逸。
作者のゴトウユキコさんは、性的な要素も含むねちっこい漫画も描かれますが、本作『天国までひとっとび』は完全に爽やか系の青春物語。スッとする読後感が魅力の短編です。
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