戸田誠二さんの短編漫画集『スキエンティア』より、短編『クローン』の主なあらすじとレビューです。
小学一年生の娘・ヒロと暮らす母。仕事に育児に追われながらも、充足した毎日を送っていた。
そのヒロは、実は「亡き娘・マナミのクローン」。交通事故で夫と娘を失った彼女のために、病院が極秘に提案。「第二子」として誕生する。
マナミと同じDNAを持ち、その人生をなぞらえるかのように成長していくヒロ。しかしマナミの年齢を追い越した彼女は環境の違いもあり、やがて異なる性質を見せるように。
そんな娘の成長を噛み締めながら、母の胸中には同時に複雑な心が湧き上がってくるー。
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科学の女神「スキエンティア」に見守られた街。そこでほんのり科学風味をプラスした日常を描く、連作SFヒューマン・ドラマ『スキエンティア』。
その一編『クローン』で、母は娘を「再び」育てることを選択するわけですが、大抵の人は彼女と同じ道を歩むのではないでしょうか。
もちろんクローンを産む時に「DNAは同じだが人格は別になる」ことを、医師から十分に説明され、彼女もそれを理解しています。
ですが「ヒロ」が成長し、元の「マナミ」とは別の人格であることが顕著になっていく時…。彼女が実感する己のエゴ、そして「生と死」が、読者の胸の中にも重く響いてきます。
もし本当にクローンが作れたら、その時にはこんな問題もあらわになっていくであろう。そんな倫理的な観点も織り込んだ、SFドラマの秀作。読めば読むほどジワジワと胸に来ます。
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