ネオ・ジオン抗争で行方不明となったアムロ・レイ。その「真の姿」を、成長したキッカが追う―!
漫画『機動戦士ガンダム ピューリッツァー ーアムロ・レイは極光の彼方へー』。漫画:才谷ウメタロウさん・脚本:大脇千尋による、ドラマ重視のガンダム漫画です。
連載はKADOKAWAのガンダム専門誌「月刊ガンダムエース」。コミックスは2022年8月現在、1巻が刊行中。
以下『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』の主なあらすじ・面白さ・見どころを、これから楽しむ方のために極力ネタバレ無しでご紹介します。
『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』感想・レビュー
あらすじ
「シャアの反乱」から約2年が経った宇宙世紀0094年。第二次ネオ・ジオン抗争の戦没者追悼式が行われることになり、その中には「アムロ・レイ」の名も。
しかし彼の「英雄」としての扱われ方に、疑問を感じたキッカ・コバヤシ。自分の知る「本当のアムロの姿」を世に伝えるために、彼を知る人々への「取材」を開始する。
そのキッカに、義母フラウ・コバヤシは一枚の紙を渡す。それはかつてホワイトベースに乗船していたカイ・シデンの名刺だった…!
主人公は成長したキッカ!
『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』そして『逆襲のシャア』と、連邦軍のエース・パイロットとして活躍、そして行方不明となったアムロ。
「英雄」「撃墜王」として見られがちな彼の、「本当の姿」を知って欲しい…!
そんな思いを抱き動き始めたのは、なんとあの「キッカ」。カツ・レツとともにホワイトベースに乗り、一年戦争を生き抜いた少女です。
いやー、ガンダムのサイド・ストーリーもついにここまで…という感じ。色んな切り口があるもんですね(笑)。
一年戦争時は「キッカ・キタモト」、のちにハヤト・フラウ夫妻の養子に入り、「キッカ・コバヤシ」になった彼女も大学生に。
英雄ではなく、「自分たちを守るために戦ったアムロ・レイ」を、文章として残そうとします。
ちなみに『Zガンダム』でも成長した姿を見せたキッカですが、その延長線上となるビジュアルがいい感じ。ことさら美化するでもなく、良い雰囲気があります。
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ドラマ重視のガンダム・ストーリー
『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』の基本は、「アムロに縁のある人物たちへのインタビュー」という形式。
MSによる戦闘描写は、今のところ回想シーンを除いて無し。キャラクター同士の会話・回想に重点を置いた「人間ドラマ中心のガンダム・サイド・ストーリー」といった体で進行します。
ガンダム漫画としては、WBクルーが過去を振り返る、”ことぶきつかさ”さんの『デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-』に近いものがあるでしょうか。
こちらはジャーナリストとなったカイ・シデンが、サイド3で行われる『ホワイトベース展』の監修をしながら、一年戦争当時の「裏話」を語る、という趣向の物語。
もちろんカツ・レツ・キッカも登場するのですが、その一人が成長し、逆にカイに協力を請うようになる本作。歴史を感じるねぇ…(笑)。
意外な人物も登場?
そして『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』では、フラウを介してカイとコンタクトを取ったキッカが、彼のコネクションを頼りに、「アムロを知る人々」と接触していきます。
そこでは「シャアの反乱」以後も生き残っている旧WBクルーはじめ、「意外な人物」も登場。
ネタバレになるので詳細は割愛しますが、お、そんなキャラクターをここに出してくるのか…!と驚きが。彼・彼女らの「現在の立ち位置」も興味深いものがあります。
物語としては開幕したてなので、そこまで踏み込んだ内容は描かれていませんが、キッカがこれからどんな人物に出会い、そしてアムロ・レイという人物を「認識」していくのか、先が気になるところです。
『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』まとめ
以上、漫画『機動戦士ガンダム ピューリッツァー ーアムロ・レイは極光の彼方へー』の感想・レビューでした。
『機動戦士ガンダム』のサイド・ストーリーで、ドラマ部分をメインとした作品は、そう多くは無いでしょう。その主人公をファースト・ガンダムのマスコットだったキッカが務める、というのは、ファンとしてはなかなか感慨深いものがあります。
願わくば「ガンダム同窓会」にならずに、インパクトのあるストーリーを展開して欲しいところ。
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