ある家の間取り図に見つかった「謎の空間」。その正体から浮かび上がる「恐ろしい出来事」とは―?
同名のベストセラー小説をコミカライズした、ミステリー・サスペンス漫画。原作・雨穴さん+漫画・綾野暁さんの『変な家』感想・レビューです。
連載は一迅社のWeb漫画メディア「comic HOWL」。2024年6月現在、コミックス1~3巻が刊行中。以下、漫画版『変な家』の主なあらすじや見どころなどをご紹介します。
『変な家』あらすじ
オカルト専門フリーライターの「私」は、知人から購入検討中の家について相談される。
その家の「間取り図」には、四方を壁に囲われた「謎の空間」が。建築設計士に間取りの件を見てもらうと、そこから不可思議な事実が判明。
家族三人が住んでいたという二階建てのその家には、「謎の空間」以外にも「二階中央の子供部屋に窓が無い」など不自然な構造が。
両親が子供を閉じ込め虐待していた可能性も浮かぶ中、「私」は一階と二階の間取り図を重ねて見える「新たな事実」に気づく。
果たして件の家に隠されている秘密とは?そしてそこで何が行われていたのか…?
『変な家』感想・レビュー
人気小説のコミカライズ
原作は「謎の覆面作家」雨穴(うけつ)さんによる、60万部突破の同名ベストセラー小説『変な家』。
主人公である「私」は「オカルト専門フリーライター」ですが、オカルト・ホラー系の話ではなく、ミステリー・サスペンス系統の物語(※)です。
※コミック1巻読了時の情報。管理人は記事作成時、原作未読。
「奇妙な間取り」が示すものは…?
一見不必要に見える「謎の空間」。その存在理由を建築設計士と「私」が類推していくのですが、その過程で浮かび上がってくるものが、何とも不可思議で恐ろしい!
台所の端にある、おそらく一畳にも満たない「謎の空間」。その成り立ちは「ひとまず」オカルト的なものでは無いだろう、との結論に。
だがその家には他にも「奇妙な間取り」が存在。特に二階中央の「窓の無い子供部屋」は、明らかに不自然な構造。
当初は子供を閉じ込めるためかと思われたが、「家全体の奇妙さ」から別の可能性が浮上。
この家では「ある特殊な犯罪」が行われていたのではないか…?
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漂う「犯罪」の匂い
…というのは、あくまでも「ミステリー好き」だという建築設計士の想像。いろいろツッコミどころも多く、もうひとつ現実味が薄いもの(作中の「私」もそう感じている)。
が、「事件の痕跡」が件の家の近辺で発見されたことから、事態は一変。さらに「新たな関係者」が登場、現実に起こったであろう「犯罪」の匂いが色濃くなり始め…?
といった感じの『変な家』。1巻の時点で提示される内容は、あくまでも「推測」や「想像」に過ぎません。
ですがたった数枚の「とある家の間取り図」から展開される、サスペンス感たっぷりのストーリーに、なんだか気持ちがゾワゾワする…!
よくよく読むと実際の家に行ったわけでもなく、「間取り図」のみから話が膨らんでいくのですが、その構造自体が何とも奇妙で斬新な新感覚のサスペンス。
ジワジワと『変な家』に引きずり込まれていく感覚が、何ともクセになる面白さです。
感想・レビューまとめ
以上、雨穴さん+綾野暁さんの漫画『変な家』感想・レビューでした。
シャープで読みやすく、かつ明度を抑えた作画も雰囲気があり、「良いコミカライズ」という印象。
いろいろと伏線も散りばめられているようで、それらがどのように回収されていくのか?続きが気になるところです。
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