九井諒子さんの短編漫画集『竜のかわいい七つの子』より、短編『子がかわいいと竜は鳴く』の主なあらすじとレビューです。
父王の病を治すために「竜の鱗」を求める王子。竜が住む山の麓で、道案内を請う。
その申し出を受けたのは、流れ者の女・ヨウ。夫と子供を数年前に亡くし、息子の面影を王子に見たという彼女は、王子一行に献身的に尽くす。
しかし実は王の横暴により家族を殺されていた彼女は、復讐のために王子の命を狙う暗殺者だった!
ひとり、またひとりと従者を消し、王子を追い詰めていくヨウ。いかに残酷な死をもたらすかを考えながら、竜の巣へと近づいていくが…?
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古代中国風の世界を舞台に、「竜」というファンタジー要素を交えながら描かれる復讐劇。
序盤で優しい顔を見せるヨウが、山の奥深くへと進むにつれて見せていく、暗殺者としての冷酷な表情が怖い!
一見カワイイ感じの絵を描く作者・九井諒子さんですが、実は多彩な絵柄を繰り出すスゴイ漫画家さん。その凄さの一端がこの『子がかわいいと竜は鳴く』でも存分に味わえます。
さて話を戻して「竜の鱗」を求める旅。そこで徐々にあらわになっていくのが、それぞれの「親子の形」。
愛する家族を失い復讐を誓うヨウ。尊敬する父親のために命をかける王子。そして巣で卵を守らんとする親竜。
終盤でそれら「親子」の姿が重なった時、意外な結末が…?
本作はこの物語で完結しているのですが、また新たな「親子」のストーリーを予感させるラストが、何とも余韻の残るもの。
九井諒子さんの多彩な絵柄と、巧みなストーリーテリングを楽しんでみてください。
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