「1兆$あれば…この世の品(もの)は、いつでも全て手に入る!!!」
若くして栄光を掴み取った二人の青年。彼らは如何にして成功への階段を駆け上がっていったのか?
漫画『トリリオンゲーム』。『Dr.STONE』の原作者・稲垣理一郎さんと、数々の劇画を世に送り出してきた池上遼一さん。二人の漫画家がタッグを組んで描く、異色のサクセス・ストーリーです。
連載は小学館の漫画雑誌「ビッグコミックスペリオール」。2024年6月現在、コミックス1~9巻が刊行中。以下『トリリオンゲーム』が気になる方向けに、主なあらすじや見どころなどを基本ネタバレなしでご紹介します。
『トリリオンゲーム』あらすじ
PCオタクでマジメな中学生・ガクは、不良に絡まれていたところを破天荒な同級生・ハルに助けられ、友人となる。
その後、大学生となったハルとガク。共に巨大IT企業「ドラゴンバンク」の就職試験を受けることに。
イカしたルックス、そして巧みな話術と度胸を持つハルは、社長令嬢・キリカ直々による最終面接にも難なく合格!
しかし口下手なガクは撃沈し、卒業後は清掃バイトの道へ。内定式の日、奇しくもドラゴンバンク本社ビルの窓を磨きながら、涙にくれる…。
と、そこに「会社を今辞めてきた」というハルが屋上から降りてきて、ガクの目の前でキリカに宣戦布告!
その目的は全てを手に入れるために、「1兆$(トリリオン・ダラー)」を稼ぐこと。かくしてハル・ガク二人の「トリリオンゲーム」が始まった…!
『トリリオンゲーム』レビュー
起業内容は…ノープラン!
『トリリオンゲーム』の物語冒頭では、すでに世界長者番付TOP10入りを達成しているハルとガク(マジか…)。
そんな二人がいかにしてトリリオン・ダラーへの道を歩んできたか?が、思いがけず超・金持ちになって戸惑うガクの回想、という形で描かれていきます。
ストーリーを引っ張るのは、イケメンで異様にコミュ力が高く、「計算高いくせに、ワルいことにもブレーキが無い。どう考えてもヤバい奴」というハル。
彼はドラゴンバンクはじめ多くの優良企業から内定を勝ち取るも、それらを全て蹴ってガクと共に起業の道へ。
そこでハルが思い描くビジネスは…なんとノープラン(笑)。
しかし!コミュ力と行動力が最大の武器であるハル。まずは起業の基本!「資金集め」からスタート。
ドラゴンバンクのキリカも巻き込んだ出資金集め。その行方は…?
ハルの奇抜な行動が面白すぎ!
二人の数少ない武器は、ハルの「ハッタリ」、そしてガクのITスキル。
しかし所詮は中身の無い二人のビジネス。少しでも有利な出資を得るためには、まず目立て!
ということで、ガクはハッカーの世界大会「セキュリティ・チャンピオンシップ」に(ハルに勝手にエントリーされて)出場することに。
優秀なエンジニアばかりが集うハッカー大会。果たして勝機はあるのか?
不安でしょうがないガクだったが、そこに現れたのはなぜか神主の姿をしたハル!
神主とセキュリティ大会!全く関係が無い!まさかの「神頼み」と思いきや、そこには「意外過ぎる作戦」が…?
『トリリオンゲーム』ではこんな感じで、ゼロから成功への道を歩んでいく二人の様子が、ユーモアと破天荒なアイデアを絡めながら展開されていきます。
その中で輝く、ハルのキャラクターが実に面白い!
「こいつ、今から何するんだ?」とワクワクさせてくれる魅力的な人物。その行動から目が離せません。
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物語に込められたメッセージは?
そんな『トリリオンゲーム』、読者を引き込む強力な引力を持つ漫画です。
ただ個人的には、「ハルはなぜトリリオンを目指すのか?」のバックグラウンドが不明なのが、若干気になるところ。
1兆ドルを目指すためには、ネガティブにしろポジティブにしろ、途方も無いパワーが要求されるもの。
そこを狙う人間の根っこの部分を、もうちょっと知りたいと思ったり。まあそれは、おいおい明かされるのかもしれません。
物語からは「日本の若者よ!もっと元気出せ!(もうちょっと適当に生きていいから)」のようなメッセージを感じるのですが、実は「ハルという存在」の裏に「世の中なんて虚像なんだから」なんて意味が隠されているのかも?
レビューまとめ
以上、稲垣理一郎さん・池上遼一さんの漫画『トリリオンゲーム』のネタバレなしレビューでした。
流れるような展開で、まるで(ハルに)ペテンにかけられているかのような物語。笑いに包まれながらも、ハルとガクの冒険に引き込まれていきます。
2巻後半では二人のビジネスに新たな展開もあり、さてトリリオンの道はどこへ向かうのか?
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