諸星大二郎さんの短編漫画集『妖怪ハンター 1 地の巻』より、短編『闇の客人(まろうど)』の主なあらすじとレビューです。
とある過疎地域の町おこしで、半世紀以上前に途絶えた「祭り」が復活。アドバイザーとして協力した考古学者・稗田礼二郎が町を訪れるが、かつてとは異なる祭りの内容や、復元された大鳥居の方向に違和感を抱く。
そんな稗田の所感を余所に、大勢の観光客を招いて始まった祭り。しかし神事の開始とともに異変が。奇妙な虫の大量発生、謎の足跡の出現、そして遂には死傷者が…!
実は「鬼門」の方角に建てられてしまった大鳥居。そのため町にやってきたのは「幸神」ではなく「鬼」だった!既に「正しい祭り」を知る者が絶えた中で、果たして事態を収拾できるのか…?
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諸星大二郎さんの代表作のひとつ『妖怪ハンター』、その初期シリーズの1編。「地域に豊穣をもたらしていた祭りの再現」から起こる恐怖が描かれます。
鳥居を間違った方角に建ててしまったことから起こる怪異現象。新たに見つかった文献には「人身御供」に関する記載が…?など、緊迫感あふれる展開にゾクゾク。地方の民俗的要素の絡む仄暗いストーリーも、得体の知れない恐ろしさを感じます。
しかし主人公・稗田礼二郎の物語での役割は、あくまでも傍観者。解説はしても、事態を解決する能力は持ちません。そこで事態を収拾するのは意外な人物で…。
果たして「異界から呼び寄せてしまったモノ」を、誰が、どのようにして還すのか?ラストに至るまでの過程に漂う物悲しさ、そして寂寥感は、シリーズでも1・2を争うインパクト。余韻が尾を引く味わい深いホラー短編です。
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