53年間一度も勃起したことの無い男は、「怪しいED錠」に出会い、その人生を大きく変えてゆく…。
強力なED錠「ジャンボマックス」が巻き起こす騒動を描く、高橋ツトムさんの漫画『JUMBO MAX(ジャンボマックス)~ハイパーED薬密造人~』。アンダーグラウンドな雰囲気のそこかしこに、心のアソコを刺激する劇薬が仕込まれている、濃密なクライム・サスペンスです。
連載は小学館ビッグコミックで、2024年12月現在、単行本1~12巻が刊行中。以下、『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』の主なあらすじや見どころなどをご紹介します。
『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』あらすじ
家賃収入と薬局の経営で生計を立てる曽根建男(そねたてお)。
高校生の娘を持つバツイチ美人女性・あかねと結婚。さらに3ヶ月後、あかねから妊娠を告げられ、53歳にして幸せの絶頂に…
が、初夜の時は泥酔で記憶が無い!しかも自身は「53年間一度も勃起したことの無い」身。果たしてお腹にいるのは自分の子供なのか?
妻に対してわずかな不審を抱く中、管理物件で店子の女性が失踪。女性の父・須磨岡と共に部屋を整理していると、謎のED錠を発見。
妻とその元夫に対する対抗心から、建男は分けてもらった薬を服用。するとこれまでどんな薬を飲んでも反応しなかった下半身に、生まれて初めての感覚が―?
『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』のココが面白い!
危険なED錠をつくれ!
ED(勃起不全)を改善させる薬としては「バイアグラ」が有名ですが、主人公・建男が手に入れたのは中国人が精製したと思われる、出所不明の怪しい薬。
しかしその効果は絶大!建男は「人生初めての勃起」を体験。早速性欲の限りを尽く…さない!のが、『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』のユニークさ。
根っからの薬剤師である建男。まず考えたのは、「これ(謎のED錠)の成分はなんなんだ?」
そこから須磨岡、大学の女性研究員・鹿子(かのこ)を巻き込みED錠の成分を分析、独自に製造~販売をすることに。
もちろん勝手に薬物を作るのは違法。しかし「薬そのもの」に感動した建男は、「一生分を作りたい」と決意。かくして建男・須磨岡・鹿子の、危険な「違法ED錠づくり」がスタート!
社会を侵食していく「ジャンボマックス」
そして建男は苦心の末、オリジナルに近いED錠の精製に成功!試作品を二人に渡すのですが、鹿子が言い寄る大学教授にそのED錠を飲ませたことから、物語がキナ臭い方向へ。
なんとED錠を飲んだ教授が…(ネタバレのため割愛)!
予想以上に危険だった薬。製造中止を訴える建男ですが、既に受注が始まっていたため、話し合いの末「600錠を作って打ち止め」とすることに。
だがすでに流通し始めたED錠は、「最強のSEXドラッグ・ジャンボマックス」として社会に浸透。不審に思った警察も動き出し、さてどうなる建男一味!
「ジャンボマックス」が事態をややこしくしているのは、社会の秩序を乱す半面、「アソコを立てることで人の役にも立っている」(やかましい)こと。
その効能により愛を取り戻したカップル多数!違法だけど広い意味で社会を救う、という二面性を持つ薬。それがジワジワと、人も社会も侵食していくサスペンス感が非常に面白い!
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追い詰められた主人公に変化が…?
だが根がマジメで気の弱い建男、ジャンボマックスの評判の高まりと、「警察が動いている」という事実により、プレッシャーからか徐々に疲弊…。
そして精神的に追い詰められていく中で、状況を悪化させる決定的な出来事が!さて建男はこのままひたすら追い詰められて、ジリ貧の道を進むのか…?
…と思いきや、『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』3巻で事態は大きく動きます。
追い詰められ四面楚歌となった建男、その気持ちに「ある変化」が。文字通り「枯れていく」一方だった男。その心の芯にフッと火が灯る。その様子にページをめくる手に力が入る…!
一方、建男たちの思惑を大きく超えて、独り歩きし始めた「ジャンボマックス」。
性欲だけに留まらず、金、そして「愛」をも生み出すその力。強力過ぎるED錠は果たして人々をどこへ連れて行くのか?
仄暗く燃え上がる欲望から目が離せない!
感想・レビューまとめ
以上、高橋ツトムさんの漫画『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』感想・レビューでした。
ケレン味たっぷりのタイトルと下ネタ系の題材から、もっとそっち方面の話かと思いきや、これが本格的なクライム・サスペンスで、意外な読後感。めちゃくちゃ面白いです。
また一癖も二癖もある登場人物たち、それぞれに個性があって魅力的。さて彼らに待ち受けるのは破滅の道か、それとも?
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