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ゴルフ漫画『あした天気になあれ』チャー・シュー・メンで世界を狙え!

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荒川の河川敷で一人クラブを振っていた少年は、やがてプロゴルファーとなり、世界へと羽ばたいていく!

あした天気になあれ (58) (コルク)

『あしたのジョー』と並ぶ巨匠・ちばてつやさんの代表的作品あした天気になあれ』全58巻。

週刊少年マガジンに約10年に渡って連載、少年誌の枠を超えた本格的なゴルフ描写が魅力の名作スポーツ漫画です。

『あした天気になあれ』感想・レビュー

どんな漫画?主なあらすじ

『あした天気になあれ』の主人公、東京の下町に住む中学3年生・向太陽(むかい・たいよう)

背は低いが大食漢、恰幅のいい体格から生まれるパワー、そして「チャー・シュー・メーン!」でタイミングを取る打ち方が特徴的な、ゴルフ少年。

元ゴルフプロ・竜谷(りゅうこく)に師事し、プロテストを経てプロゴルファーとして活躍していく様子が、全58巻で描かれていきます。

あした天気になあれ (1) (コルク)

物語で太陽が通る軌跡は、概ね下記の通り。(ちょっとネタバレになりますが、紹介の都合上必要なのでご容赦を。)

  • 河川敷の賭けゴルフ編(1巻)
  • 南関東中学生ゴルフ選手権大会編(1~6巻)
  • アシスタント研修会試験編(6~8巻)
  • アシスタントプロトーナメント編(8~11巻)
  • プロテスト編(12~19巻)
  • 東太平洋オープン編(19~26巻)
  • 東洋マッチプレー選手権編(27~38巻)
  • 全英オープン編(38~58巻)

アマチュア~プロテストを通過して、プロゴルファーとなった太陽。国内大会を経て、最終的に世界的メジャー大会の一つ「全英オープン」へと挑んでいきます。

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ちょっと「クセつよ」な主人公・太陽

女手ひとつで定食屋を切り盛りする母を手伝い、幼いきょうだい達の面倒を見ながら、プロゴルファーを目指し師匠・竜谷のもとでゴルフレッスンに励む…。

そんな主人公・向太陽、非常に苦労人なのですが、『あした天気になあれ』序盤では、「ちばてつや漫画」によく見られる「クセの強い主人公」らしさを発揮

あした天気になあれ (2) (コルク)

少々お金にガメつい太陽。一番最初のゴルフ勝負が「賭けゴルフ」だったり。

続く「南関東中学生ゴルフ選手権大会」では、執拗な”口撃”とプレイングで、エリート中学生プレイヤー・太田黒くんに屈辱を味あわせたり。

最近の漫画では見られない、ちょっと「クセつよ」な主人公っぷり。今読むといろんな意味で心配に(笑)。

ちなみにこの時の因縁で、太陽はのちに太田黒くんから手痛いしっぺ返しを喰らうのですが、それはもう少し先のお話。

プロを目指す向太陽の前に高い壁が…?

そんな太陽も中学を卒業し、本格的にプロゴルファーへの道へ。ここから「プロゴルフの世界」、そして強敵たちとのリアルなゴルフ対決が描かれていきます。

その前哨戦となる「プロテスト」。これまでは周囲と較べて頭ひとつ抜け出ていた太陽ですが、同じくプロを目指すライバルたちの中では苦戦を…?

あした天気になあれ (14) (コルク)

ライバルの中には、若い太陽を快く思わないゴルファーも登場。露骨に嫌がらせを…というか、各大会で大体イヤ~なヤツが出てくる(笑)。さすがの太陽も卑怯な仕打ちに、悔し涙を…。

しかし!彼が持ち前の負けん気でそれを乗り越え、大会で上位に食い込んでいく。その様子が、実にスカッとする!『あした天気になあれ』の醍醐味です。

あした天気になあれ (17) (コルク)

ちなみに単にライバルを倒して終わり、とならないのも、「ちばてつや漫画」ならでは。嫌なヤツとも大会が終われば仲良くなったり。

緊迫感のあるゴルフ勝負と人間味・人情味あふれる人間ドラマ、そしてその中で見せる太陽の成長が、物語の大きな見どころです。

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個性的なキャディたちとの共闘が面白い

やがてプロゴルファーとなった太陽。数々のトーナメントに参加することに。ですが「4日間という長丁場」のゴルフ競技、ともすれば展開がマンネリになりがち。

そこで物語を盛り上げるのが、各大会でパートナーとなるキャディたち

あした天気になあれ (24) (コルク)

プロとして初めての大会「東太平洋オープン編」。スタートで痛恨のミスショット、テンパっちゃった太陽を救ったのは、色黒で恰幅の良い女性キャディ

見た目に違わぬ剛毅な性格、「おっかさん」的な安心感のあるキャディさん。その要所要所のアドバイスのおかげで持ち直した太陽は、上位陣に食い込み…?

あした天気になあれ (34) (コルク)

その後の「東洋マッチプレー選手権編」でキャディとなる「岡村のじいさん」。普段はタクシー運転手をしている彼は、コースを隅から隅まで熟知していると豪語、半ば無理やり太陽の専属キャディに。

ちょっと口が悪いじいさんと太陽。最初はギスギスしますが、日を重ねるうちに息がピッタリ合うように。そして老キャディと新人ゴルファーがやがて快挙を…?

フェアウェイでは孤独なゴルファー。そこに個性的なキャディたちとの連携を絡め、ドラマ感を高めているのが、『あした天気になあれ』ならでは。

単なるゴルフ対決漫画とはひと味もふた味も異なる「面白み」があります。

迫真の「全英オープン編」

そして『あした天気になあれ』で描かれる最後のゴルフトーナメントが、海外メジャートーナメントの一つ、「全英オープン(ジ・オープン)」

そこで太陽は現地の若きキャディ、トム・ファーガソンとコンビを組むことに。

あした天気になあれ (48) (コルク)

国内トーナメントで伸び悩み、竜谷師匠に無理やり全英オープンにエントリーさせられた太陽。

一方、優秀なキャディ一族の末裔ながら、若さゆえ周囲に認められないトム。

参加者の中で底辺に近い二人が、当初は強く反発しながらも、徐々に絆を深めて世界の強豪ゴルファーにチャレンジ、ミラクルを起こしていく。その過程がドラマティックで非常に面白い!

ただでさえ慣れぬ異国の地で、コースの過酷さでも有名な全英オープンに挑む太陽は、相棒のトムとともに栄冠をつかむことができるのか。手に汗握るゴルフ対決の果てには、感動のラストが…?

『あした天気になあれ』まとめ

以上、ちばてつやさんの漫画『あした天気になあれ』の感想・レビューでした。

少年誌連載ながら、「全58巻のほとんどがゴルフシーン」という濃密なゴルフ描写と、その中に織り込まれた、ちばてつやさんならではの人情味あふれる人間描写が魅力のゴルフ漫画です。

向太陽の成長、そして世界への挑戦を楽しんでみてください。

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