ゴルフ漫画「あした天気になあれ」―チャー・シュー・メーン!で世界を狙え!

荒川の河川敷で一人クラブを振っていた少年は、やがてプロゴルファーとなり、世界へと羽ばたいていく!巨匠・ちばてつやさん描く名作ゴルフ漫画あした天気になあれ」のあらすじ紹介&感想です。

本作は「あしたのジョー」と並ぶちばてつやさんの代表的作品で、週刊少年マガジンに約10年に渡って連載された人気スポーツ漫画。少年誌の枠を超えた本格的なゴルフ描写が魅力です。

「あした天気になあれ」感想

あらすじ・概要

「あした天気になあれ」の主人公は、東京の下町に住む中学3年生・向太陽(むかい・たいよう)。背は低いが大食漢、恰幅のいい体格から生まれるパワー、そして「チャー・シュー・メーン!」でタイミングを取る打ち方が特徴的なゴルフ少年。

元ゴルフプロ・竜谷(りゅうこく)に師事する彼がプロテストを経て、プロゴルファーとして活躍していく様子が全58巻で描かれていきます。物語で太陽が通る軌跡は、概ね下記の通り。(ちょっとネタバレになりますが、紹介の都合上必要なのでご容赦を。)

  • 河川敷の賭けゴルフ編(1巻)
  • 南関東中学生ゴルフ選手権大会編(1~6巻)
  • アシスタント研修会試験編(6~8巻)
  • アシスタントプロトーナメント編(8~11巻)
  • プロテスト編(12~19巻)
  • 東太平洋オープン編(19~26巻)
  • 東洋マッチプレー選手権編(27~38巻)
  • 全英オープン編(38~58巻)

序盤ではアマチュアゴルファーだった向太陽が中学を卒業、プロテストに合格してプロゴルファーとなり、国内大会を経て世界的なメジャー大会の一つ、全英オープンへと挑んでいきます

当初は性格に難あり?な主人公

女手ひとつで定食屋を切り盛りする母を手伝い、幼いきょうだい達(弟×2+妹×1)の面倒を見ながら、師匠・竜谷のもとでゴルフレッスンに励む主人公・向太陽。中学卒業後はゴルフで飯を食うことを決めている、苦労人の少年

…が、少々お金にガメついのが玉に瑕。物語で一番最初のゴルフ勝負が「賭けゴルフ」なのですが、今の少年誌だったらアウトですね(笑)。

また同じ中学のゴルフ部に請われて出場した「南関東中学生ゴルフ選手権大会」では、他校のゴルフ・エリートたちと同じ組でプレイすることになる太陽。そこでは独特な感性・強気な性格からくるマナーの悪さを発揮

特にターゲットにされたのが、有名プレイヤーの太田黒くん。ちょっと嫌味なところもありますが、総じて常識的な彼。しかし太陽の執拗な”口撃”とプレイで、屈辱を味わうことに。少しかわいそう…。

ちばてつやさんの漫画の主人公って、協調性低めで煙たがられるタイプの人物が多いんですよね。矢吹丈とか坂口松太郎とか。「あした天気になあれ」の向太陽も、その系譜に連なる人物。そのクセの強さに、はじめは戸惑うやもしれません

ちなみにこの時の因縁がもとで、太陽はのちに太田黒くんから手痛いしっぺ返しを喰らうのですが、それはもう少し先のお話。

プロを目指す向太陽の前に高い壁が…?

中学卒業と前後して、本格的にプロゴルファーへの道を歩み始める太陽。そこで彼の前に立ち塞がるのが、同じくプロを目指すライバルたち。これまでは周囲のプレーヤーと較べて頭ひとつ抜け出た太陽でしたが、全国から集まる猛者の中では苦戦を…?

その中でも強いインパクトを残すのが、アシスタントプロトーナメント大会に参加する青年・日吉。太陽と同じく母子家庭の大家族で育った苦労人で、パワーとテクニックを併せ持つ実力派ゴルファー。

着実なゴルフで常に一歩前を歩いていく日吉に対し、勝手の違いを感じながらも闘争心を燃やしていく太陽。一方の日吉もその熱気に当てられて…?緊迫感のあるゴルフ勝負が展開され、またその中で太陽が成長していくのが大きな見どころ

しかし良いライバルばかりではなく、中には若い太陽を快く思わないゴルファーも登場。露骨に嫌がらせをしてくることも。…というか、各大会で大体イヤ~なヤツが出てくるんですが(笑)。

時にはその嫌がらせに悔しい涙を流したりもする太陽。彼がそれを乗り越え、大会で上位に食い込んでいく様子もまた、「あした天気になあれ」の面白み

ところで大会中は嫌なヤツも、プレーが終われば仲良くなったりして、そういう「人情味」が描かれるのも”ちばてつや”漫画ならでは、です。

個性的なキャディたちとの共闘が面白い

プロテストに合格した太陽はその後、数々のトーナメントに参加。最終的には海外メジャートーナメントの一つ、全英オープン(ジ・オープン)に出場し、強豪選手と文字通りの「死闘」を繰り広げます

この様子が手に汗握る面白さ!その具体的な内容はぜひ!本編でお楽しみいただきたいのですが、全英オープンやそこに至るまでの大会を盛り上げる大きな要素となっているのが、各大会で太陽のパートナーとなるキャディたち

プロとなって初めて参加する大会「東太平洋オープン編」で太陽は、スタートでミスショットをしてしまいます。テンパっちゃった彼をそこで救ったのが、色黒で恰幅の良い女性キャディ(太陽いわく「相撲取りみたいなおばちゃん」w)。

見た目に違わぬ剛毅な性格、「おっかさん」的な安心感のあるキャディさん。彼女の要所要所のアドバイスのおかげで持ち直した太陽は、上位陣に食い込み…?

またその後の「東洋マッチプレー選手権編」でキャディとなる「岡村のじいさん」が、非常に良いキャラクター。普段はタクシー運転手をしている彼は、コースを隅から隅まで熟知していると豪語、半ば無理やり太陽の専属キャディに。

そんな岡村じいさん、ちょっと口が悪くて最初は太陽とギスギス。大丈夫か、この二人…?と心配になりますが、日を重ねるうちに息がピッタリ合うように。太陽にとってなくてはならぬ存在となるのですが、ドラマ感あふれるその過程もまた、ちばてつや漫画ならでは。

迫真の「全英オープン編」

そして「あした天気になあれ」で描かれる最後のゴルフトーナメントが、海を渡って挑戦する「全英オープン」(ジ・オープン)。そこで太陽は現地の若きキャディ、トム・ファーガソンとコンビを組むことに

国内トーナメントで伸び悩み、竜谷師匠に無理やり全英オープンにエントリーさせられた太陽。一方、優秀なキャディ一族の末裔ながら、若さゆえ周囲に認められないトム。

参加者の中で底辺に近い二人。当初はかなり強く反発しながらも、徐々に絆を深めて世界の強豪ゴルファーにチャレンジ、ミラクルを起こしていく。その過程がドラマティックで非常に面白い!

ゴルフって一つのトーナメントで4日間を戦うスポーツで、本作ではその4日間という長丁場をつぶさに描くのですが、基本的には「己との戦い」であるゴルフというスポーツの性質上、ともすれば展開がマンネリになりがち。

そこに個性的なキャディたちとの連携を絡めているのが、「あした天気になあれ」の何よりの面白み。単なるゴルフ対決漫画とはひと味もふた味も異なる「うま味」があり、作者・ちばてつやさんの匠の技を感じます。

まとめ

以上、ちばてつやさんの漫画「あした天気になあれ」の感想でした。少年誌連載ながら、リアル過ぎる!ゴルフ漫画。全58巻のほとんどでゴルフシーンが描かれているという濃密さも、大きな特徴です。

なお「あした天気になあれ」は電子書籍化されていますが、主要な電子書籍ストアの中ではebookjapan・コミックシーモアでの配信となっています。記事作成現在、Kindleでは配信されていませんので、電子版で読みたい方は両ストアをチェックしてみてください。

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