懐かしのメカ・アクション映画『ガンヘッド』。そのコミカライズが長い時を経て電子書籍で復活!
追加エピローグなどの新要素を収録し、2024年3月に復刊された、麻宮騎亜さんの漫画『GUNHED リニューアル版』感想・レビューです。
以下『GUNHED リニューアル版』の主なあらすじや見どころなどをご紹介します。
『GUNHED リニューアル版』あらすじ
2025年、火山島8JOのロボット工場を管理する、世界最大のコンピュータ「カイロン5」が独立を宣言。
連邦政府はカイロン5破壊のため、自動戦闘ロボット「ガンヘッド」の大隊を送り込むも、巨大メカ「エアロ・ボット」の前に全滅。以降、島は封鎖状態に。
それから13年後。カイロン5のチップを狙うトレジャー・ハンターが8JOに降り立つが、島に逃げ込んだバイオドロイドにより壊滅。
一人生き残ったメカニック・ブルックリン(ブル)は、バイオドロイドを追ってきた女性レンジャー・ニムと共闘。ガンヘッドを復活させて脱出を試みるが…?
『GUNHED リニューアル版』のココが面白い!
約35年を経ての電子書籍化
『ガンヘッド(GUNHED)』は1989年に公開された、高嶋政宏さん主演の映画です。
そのコミカライズを『サイレントメビウス』の麻宮騎亜さんが担当。アニメ雑誌「月刊ニュータイプ」の連載後、KADOKAWAより単行本化されました。
そのオリジナルから約35年を経てホビージャパンより電子書籍化されたのが、本作『GUNHED リニューアル版』。新規カバーイラストや、描き下ろし『終光の記憶』・麻宮騎亜さんのあとがきを収録。懐かしくも新しい『GUNHED』となっています。
なお麻宮騎亜さんは小説版『GUNHED』のイラストも担当。こちらも電子書籍が購読可能です。
シンプルに面白い全1巻
というわけでリニューアル刊行された『GUNHED(ガンヘッド)』。実に久しぶりに読みましたが、全1巻のストーリー漫画として良くまとまっているな、という印象。
連載が漫画雑誌ではなくアニメ誌だったせいか、シーンとシーンの繋ぎ目に若干粗さを感じる部分もありますが、それを差っ引いてもシンプルに面白い!
閉鎖された島内で、殺人マシーン(バイオドロイド)に消されていく人々。その中で出会い、反目しあいながらも協力関係となっていくブルとニム。生き延びるためにガンヘッドを復活させ、やがてラスボスに挑んでいく…。
サスペンス・サバイバル要素もあるSFストーリーに引き込まれること必至。『サイレントメビウス』当時の、アニメ感のある麻宮騎亜さんのキャラクター造詣も、非常に魅力的です。
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アクション&主人公の成長が熱い!
そして何より驚くのは30年以上前の漫画とは思えない、メカ描写の緻密さとアクションの迫力。麻宮騎亜さんのシャープな線とも相まって、今読んでも全く古くない!
変形機構を有する戦闘メカ・ガンヘッド。「スタンディングモード」と「タンクモード」を使い分けながら繰り広げる迫真のバトル。スピード感あふれるアクションに、小気味よさを感じます。
また主人公ブルと自律型頭脳を持つガンヘッド、「二人」がバディとなっていく様子も、物語の大きな見どころ。特に幼少時のトラウマを抱えるブルが、ガンヘッドとの対話を通して良い表情を見せていく姿には、予想外の熱さアリ。
さらに新規エピローグの追加により、「作品として完結させることができた」(『あとがき』より)という『GUNHED』、「リニューアル版」ならではの充実度がある一冊となっています。
感想・レビューまとめ
以上、麻宮騎亜さんの漫画『GUNHED リニューアル版』の感想・レビューでした。
「菊池通隆」名義も含むカラーイラストも収録されていて、当時の読者には嬉しい内容。もちろんレトロ漫画の部類ながら新鮮味も感じる物語は、初見の読者にもインパクトを与えてくれるでしょう。ぜひ『GUNHED』の世界を楽しんでみてください。
なお『ガンヘッド』35周年を記念して、『GUNHED リニューアル版』以外にもホビージャパンから関連書籍が電子書籍化されています。
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