オカルト・ホラー漫画漫画感想・レビュー

漫画レビュー『ニクバミホネギシミ』過去と現在が交錯、謎に迫るオカルト・ホラー

[ページ内に広告が表示されます]

若くして異様な死を遂げた叔母。その死の真相を探る青年は、彼女の「友人」が語る恐怖体験に、引きずり込まれていく…。

独特の画風から生み出される恐怖が、読み手の心を捉えて離さない!パレゴリックさんのオカルト・ホラー漫画『ニクバミホネギシミ』の感想・レビューです。

ニクバミホネギシミ 1巻 (バンチコミックス)

連載は新潮社のWebメディア「くらげバンチ」で、単行本1~3巻が刊行中(2025年3月現在)。

以下『ニクバミホネギシミ』の、主なあらすじや見どころなどをご紹介します。

『ニクバミホネギシミ』あらすじ

「異形の表情」を浮かべて死んだ、オカルト雑誌のライター・犬吠崎しおい。その葬儀で、参列者はささやく。

「ありゃあニクバミホネギシミだ」

数十年後、しおいの甥・若潮は、彼女の怪死の真相を探るべく、元同僚のカメラマン・浅間を訪ねる。

強い霊感を持つ浅間。その口から語られるのは、1999年当時に二人が出会った、驚くべき怪異の数々だった。

ノストラダムスが人類滅亡を予言したその年、果たして何が起こったのか…?

無料登録で必ずもらえる!

『ニクバミホネギシミ』のココが面白い!

オカルト満載の冒険譚

しおいと浅間、二人がオカルト雑誌の取材で遭遇する、奇妙にしておどろおどろしい怪異が描かれる『ニクバミホネギシミ』。

その第一話『逅わせ鏡の紫』のネタは、都市伝説「ムラサキカガミ(紫の鏡)」

ニクバミホネギシミ 2巻 (バンチコミックス)

取材で関わった、とある鏡台。それには「成人するまでに【ムラサキカガミ】という言葉を覚えていたら、呪われて死ぬ」との曰くが…。

鏡の中に「ナニカ」の気配を、強く感じる浅間。そして鏡台を調べるしおいに、「ナニカ」が取り憑こうとする時…!

合わせ鏡の中に潜む「呪い」と「真実」が、顕になっていく過程に、薄ら寒い恐怖を感じます。

絶妙なホラー感あり

そんな「ムラサキカガミ」事件を皮切りに、その後も取材を重ねていく、しおいと浅間。

尼僧となった、しおいの同級生。彼女を訪ねた二人は、奇妙な仏像を祀る寺で、恐怖の体験を…『潭多観音』

発掘現場で、人知を超えた不審死が発生。禍々しい土偶たち、その中心に据えられていたものとは…『凶蛻の祖環』

など、奇怪にして恐ろしいオカルト案件の数々が、オムニバス・ホラー的に綴られていくのですが、その世界観を作る作者・パレゴリックさんの作画が、何とも特徴的。

ニクバミホネギシミ 3巻 (バンチコミックス)

どちらかと言えばクセの強い画風ながら、決して読みにくいわけではない。

集合体恐怖症や、虫表現を絡めた怪異・霊現象・人外の描写は、ある種の気持ち悪さを感じさせつつも、決して不快過ぎない。

しおいと浅間のユニークなキャラクター性、スムーズなストーリー運びと相まって、とてもバランスの良い絶妙のホラー感アリ!レベルの高い「ゾワゾワ」を感じさせてくれます。

金・土・日がお得!
ebookjapanイーブックジャパン

「ニクバミホネギシミ」の謎

そして気になるのが、物語の中核を成す謎の言葉「ニクバミホネギシミ」

カタカナを単純に置き換えると「肉・喰み・骨・軋み」になると思われますが、その不気味な響きは、若潮の叔母・しおいの死にどのように関わっているのか?

1999年のしおいと浅間の恐怖体験、2023年の浅間と若潮の会談を通して、徐々に顕になってくるその片鱗。

劇中に蔓延する不穏な空気に、気持ちが何とも落ち着かない…!

霊能力を持つ浅間の謎多き「過去」も絡んできて、不気味さも倍増。恐怖を味わいながら真相へと近づいていく、二重のドキドキを感じるホラー漫画です。

感想・レビューまとめ

以上、パレゴリックさんの漫画『ニクバミホネギシミ』の感想・レビューでした。

ホラー・オムニバス的な恐怖と、物語全体を覆う「謎」。過去と現在が交錯、折り重なって作り上げる恐怖感が、何とも秀逸。

クオリティの高いホラー描写にも満足感があって、続きが気になり過ぎる!一作です。

ニクバミホネギシミ 1巻 (バンチコミックス)

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。