「サマータイムレンダ」―離島を侵食する「影」の恐怖を描くSFサスペンス

「ひと夏の離島サスペンス」、という触れ込みの漫画「サマータイムレンダ」。

読んでみると、「SF+サスペンス+ホラー+ミステリー」に「青春+恋愛」をぶっこんだ、ワクワク・ドキドキの止まらない漫画だった…!

「サマータイムレンダ」の作者は田中靖規さん。連載は集英社のWebメディア「少年ジャンプ+」。序盤の数話と最新話が試し読みできます。

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「サマータイムレンダ」レビュー

舞台は和歌山の離島

舞台は和歌山市に属する、面積5.3平方km・人口700人の離島「日都ヶ島(ひとがしま)」

7月22日、2年ぶりに主人公・慎平が帰島するところから、「サマータイムレンダ」の物語がスタート。


[田中靖規 著 集英社「サマータイムレンダ」1巻より引用]

慎平が帰郷した理由は、義理の家族・小舟潮(こぶね・うしお)の葬儀に出席するため。

潮は同級生との海水浴中に、溺れた少女・しおりを助けるために命を落とす。

実は慎平の両親は既に亡く、潮とその実妹・澪(みお)の父であるアランに引き取られ、以後家族として育ってきた、というちょっと複雑な家庭。

サマータイムレンダ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)著者:田中靖規出版社:集英社発行日:2018-02-02

潮には他殺の可能性が

同級生の菱形窓(ひしがた・そう)に再会した慎平。葬儀の後、潮の首に締められた痕があったことを聞く。

状況から事故死扱いとなっているが、他殺の可能性があることに。さらに翌日、潮が助けたしおり一家が、突如失踪する。

しおりが自分にそっくりな女の子を見ていた、と言う澪。土地の人間の話では、それは島に伝わる「影の病」によるもの。

影の病にかかり「影」を見ると、影に殺される。そして澪は、潮は影を見た3日後に死んだ、と慎平に話す。

潮の死が事故ではなく、また影を見た少女が忽然と消える。オカルト・ホラーっぽい様相を帯びてきます。

そして日付は戻る

厄払いのために、島の神社「ヒルコ様」に向かう慎平と澪。

そこで慎平たちを襲ったのは、澪そっくりな「影」。二人は為す術もなく影に殺されて…


[田中靖規 著 集英社「サマータイムレンダ」1巻より引用]

慎平が気付くと、そこは島に向かう途中の船上で、日付は7月22日に戻っている

訳がわからないまま、同じ時間を繰り返す慎平。果たして澪の命を救うことができるのか?

…以上が「サマータイムレンダ」1巻の導入部。

以降、同じ時間を繰り返しながら、澪を守るために「影」の存在を探り、そして潮の死の真相に近づこうとする慎平が描かれます。

多くの要素を詰め込んだサスペンス

「サマータイムレンダ」は「ひと夏の離島サスペンス」。「潮の謎の死」というサスペンス要素に始まり、その後いろんな要素がぶっこまれてきます

  • 島に伝わる「影の病」というオカルト・ホラー要素
  • 慎平が命を失うたびにタイム・ループするSF要素
  • 誰が味方で誰が敵かわからない、というスリル要素
  • 離島という限定空間要素

などなど。読みながら、「良くこれだけ詰め込んだな!」と感心します(笑)。

1巻全体では、当然まだまだ全貌は見えず、また謎も沢山あります。

しかしこれらの謎要素が、かっちりと噛み合っている印象。おもしろいです。

特に印象的だったのは、「影」の恐怖。気づかない内に身近な人間と入れ替わり、そして躊躇なく攻撃してくる謎の存在。

味方と敵が判別できない怖さにドキドキします。

謎の多い物語

そんな影の存在を知った慎平。一人、その正体を探り、澪を守ろうと奮闘します。

タイム・ループを利用して集めた情報を元に、少しずつ前回とは違った行動を取る慎平。全貌の見えない手探り感、思わず手に汗が。


[田中靖規 著 集英社「サマータイムレンダ」1巻より引用]

しかし影の存在やその目的はもちろん、なぜタイム・ループが起こるのか、もわからない状況。

また慎平自身にも「右目の色が変わる」という異変が起こり、時折、その視覚に変化が起こります。

ネタバレ防止のために全ては書きませんが、他にも多くの謎要素が。

そして1巻最後で描かれるのは…続きは本編でお楽しみを。

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続きが気になるおもしろさ

というわけで漫画「サマータイムレンダ」1巻。予想以上にドキドキ・ワクワクと手に汗握るスリル、そして怖さが詰まっていました。おもしろかったです。

田中靖規さんの作画も読みやすい絵柄で、安定感があっていいですね。そして何より女の子がカワイイ(笑)。

それでいて怖いところはしっかり怖く描かれていて、クオリティの高いサスペンス感が味わえます。

ちなみに「サマータイムレンダ」の英題は、「Summer time rendering」。

「レンダ」は「レンダリング」、ざっくり書くとコンピューター的な「描画」を意味しています。

「レンダ」は、ひと夏の若者たちを描くことを指しているのか、それとも?

慎平の「目」とも関連がありそうですが、如何に。

レビューの通り、多くの要素を絡めた贅沢なストーリー。

それだけに、これらをまとめていくのは大変そうなのですが、1巻のテンションを維持したまま、きっちりと描ききって欲しいところ。2巻が楽しみな漫画です。

サマータイムレンダ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)著者:田中靖規出版社:集英社発行日:2018-02-02

コメント

  1. さとみ より:

    これ、ウェブで読んだ時から気になっていました!
    1巻が出てたのですね!
    ぜひ読んでみたいと思います。

    • ネットタイガー より:

      おもしろかったですよ!
      予想以上にワクワク・ドキドキしました。
      オススメです。