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漫画レビュー『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』人類滅亡の危機を防げ!新世代クロボン

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『F91』以降のガンダム世界、宇宙海賊と木星帝国(ジュピター・エンパイア)の戦いを描くガンダム漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム 』。

時代は流れ『機動戦士Vガンダム』の時代に突入、新たな戦いが『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』で繰り広げられます。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(12) (角川コミックス・エース)

作者は長谷川祐一さんで、全12巻完結済み。以下『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』が気になる方向けに、主なあらすじや見どころなどを基本ネタバレなしでご紹介します。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』あらすじ

映画『F91』のU.C.0123を起点に、宇宙海賊クロスボーン・バンガードと木星帝国の戦いを描いた、U.C.0133の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』。

その3年後となるU.C.0136の『鋼鉄の7人』で、『クロスボーン・サーガ』シリーズは1つの区切りを迎えます。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(5) (角川コミックス・エース)

そこから17年の時が流れたU.C.0153の『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、主人公がサイド3のオタク少年フォント・ボーに代替わり。

最終兵器「エンジェル・ハイロゥ」の存在を偶然知り、ザンスカールに命を狙われるフォントは、木星の特殊部隊「蛇の足(セルピエンテ・タコーン)」を名乗るカーティス・ロスコ不思議な少女・ベルと行動を共に。

さらに謎の兵器「エンジェル・コール」を巡る戦いの渦に巻き込まれていく…といった、TVアニメ『機動戦士Vガンダム』とリンクしたストーリーが展開されていきます。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』レビュー

破滅をもたらす「エンジェル・コール」

「エンジェル・ハイロゥ」とは、人類の闘争意欲を鎮めるためにサイキッカーたちの力を増幅して、地球規模で生命の眠りを引き起こす兵器(『Vガンダム』参照)。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(6) (角川コミックス・エース)

その能力の先にさらなる恐怖をもたらすのが、「エンジェル・コール」。難破船から発見された「それ」は、「エンジェル・ハイロゥ」の能力を補完、人類を破滅させる力を持つ危険な存在(ネタバレになるので詳細は割愛)。

そのエンジェル・コールが、カーティスと敵対する人物によって持ち出され、地球圏へ。

  • ザンスカール帝国のキゾ中将+木星の特殊部隊「サーカス」
  • 木星穏健派のカーティス一派(新生クロスボーン・バンガード)+リガ・ミリティアのリア・シュラク隊

の二勢力が、その所有を巡って苛烈な戦闘を繰り広げていきます。

主人公・フォントの成長が面白い!

そんな『クロスボーン・ガンダム ゴースト』の物語。特に印象的なのが、『機動戦士ガンダム』の主人公としては異色な存在であるフォントの成長

美少女型AI・ハロロをインストールした端末をパートナーとする、どちらかと言えばオタク寄りのメガネ学生。ニュータイプの片鱗を見せつつも、激烈な戦いの中で傷つき、疲弊し、時に涙を流す…。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(9) (角川コミックス・エース)

しかしザンスカールのギロチンを目の当たりにし、その心情は徐々に変化。「AI・ハロロと対話しながら最適解を探り出し、状況を打破していく」という独特な戦い方で仲間たち、そして地球を守るために、自らの身を削っていきます。

持ち前の真っ直ぐさ・熱さを持つ、歴代のガンダム主人公とは一味違う魅力のあるユニークなガンダム・パイロット。その生き様が『ゴースト』の大きな魅力となっています。

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新たなガンダム「ファントム」

もちろん『ガンダム』で欠かせない「ガンダム・タイプMS」の活躍。

劇中の初期では17年前のロートル機である「クロスボーン・ガンダム」、そして物語中盤からは主人公・フォントの愛機として「ファントム」が参戦します。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(4) (角川コミックス・エース)

もとはサーカスが開発した、ミノフスキー・ドライブ搭載の実験機であるファントム。V2ガンダムに比べると、その完成度は50%という「失敗作」。

ですがミノフスキー・ドライブの不安定さを抑えるIフィールド発生装置が、さらなる不安定さを引き起こし、全身にIフィールドの「嵐」をまとう、という意外な力を発揮。従来に無い戦い方を可能にしていきます。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(8) (角川コミックス・エース)

正確にはファントムは「ガンダム」では無いのですが(少なくとも初期では)、Iフィールド発生時に額に角状の炎が浮かぶ様は、まさにガンダム。

木星の特殊部隊サーカスが駆る、「1機で1000機に対する」がコンセプトのMS「一騎当千機」を相手に、鬼神のようなその姿にたがわぬ迫力ある戦いを見せていきます。

宇宙での最終決戦。激烈な戦いの結末は…?

そんなフォント+ファントムが活躍を見せながらも戦局は推移。エンジェル・コールを巡るクロスボーン・バンガードVSザンスカールの戦いは、宇宙から地球へ、そして再び宇宙での最終決戦へ

『機動戦士Vガンダム』の世界とリンクしながら、緊迫の戦いが繰り広げられるのですが、特に中盤のストーリーは激アツ

フォントがAI・ハロロとファントム、そして自身の能力を全開放し、「とある脅威」から仲間を守るために、孤独な戦いに挑みます。これはアニメのガンダム・シリーズでは難しいであろう、漫画媒体ならではのおもしろさ

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(11) (角川コミックス・エース)

そして迎えるザンスカール・キゾ中将との最終決戦では、手に汗握る最終決戦が!果たしてフォントは、カーティスは、強大な力を持つ倒すことができるのか…!

…で物語は終わらず、実に!予想外な展開を見せるラストへとつながっていきます。その最終話では、震えるような結末が。全12巻の締めくくりにふさわしい感動が待っています。

レビューまとめ

以上、『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』全12巻のネタバレなしレビューでした。

木星帝国との戦いから時を進めた新・クロスボーン。ザンスカール帝国やサーカスとの迫力・躍動感あふれる戦いには、一度読み始めたら止まらないおもしろさがあります。

そして読後に心に残るのは、戦いを駆け抜けた少年・フォントの生き様。ガンダム漫画だけど、ある意味ガンダム漫画らしからぬ、不思議な読後感のある作品です。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(1) (角川コミックス・エース)

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