長谷川裕一さんのガンダム漫画『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』。
ガンダムの外伝的中編作品を二本収録した、全1巻の単行本です。
表題作はガンダム漫画としては珍しい、Vガンダムのサイド・ストーリー。
そして収録のもう一作『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンテス』は、ガンダムとイデオンが…?
『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』感想・レビュー
機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス
リガ・ミリティアとザンスカール帝国が戦いを繰り広げる宇宙世紀0153年。
敵に襲われ宇宙を漂流していたウッソ・エヴィンは、謎の老人グレイ・ストークに助けられ、連結型コロニー「ダンディ・ライオン」へたどり着く。
しかしコロニーを兵器と誤認したザンスカールは、ニュータイプ・スケイルの駆る金色のMS「ジョング」で攻撃。
ウッソとグレイ・ストークは共同戦線を張るが、実はコロニーにはある秘密が…?
ザンスカールのニュータイプ部隊や、ジオングを参考に製造されたジョングなどが登場する、ユニークな『機動戦士Vガンダム』のサイド・ストーリー。
注目は「木星じいさん」ことグレイ・ストークと、彼の操る大型MS「ガンプ」。
60年以上前(UC.0090年代)から稼働する20M級のMSと、木星帰りのニュータイプ、その正体は…?ガンダム・ファンならばニヤリとする配役です。
他にもコロニー「ダンディ・ライオン」に隠された秘密など、SF心あふれるストーリーも本作の大きな魅力。
約100ページの漫画ながら、見どころの多い一作。長谷川裕一さんの描くウッソやVダッシュガンダムも新鮮です。
機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンテス
宇宙世紀0091年、木星圏で超・大型MSのパーツが発見される。
ジオン軍残党に利用されることを懸念した連邦軍は、秘密裏にアムロ・レイとMSZ-009M「プロトZZ」を、木星コロニー・オリュンポスに派遣。
木星船団のニュータイプ、ジュドー・アーシタに協力を仰ぐ。
調査の結果、ジオン司令官がミネバ・ザビをパイロットとして、異星文明である「伝説の巨神」の復活を画策していることを突き止めるアムロたち。
しかし巨神が暴走、宇宙は壊滅の危機に…。
…えー、あらすじの通り、ネタ色が強いです(笑)。が、ネタも真剣にやれば面白い作品に仕上がる、という好例。
約150Pのボリュームとも相まって、なかなか読み応えのあるガンダム漫画。ジュドー・アーシタが主役というのも珍しい。
アムロが木星圏に行っていたり、ミネバ・ザビほかのキャラクターが登場したりと、ガンダム正史としてはアレなのですが、全編、緊迫感あふれるアクションが満載で、グイグイ引き込まれます。
まあ『伝説巨神イデオン』は、『機動戦士ガンダム』と同じく富野由悠季さんが監督という繋がりのある作品。
ですが『機動戦士ガンダム』が他のアニメ作品とコラボしている、ということ事態が非常に稀有であり、ある意味貴重です。
現在はこういう漫画はもう描けないでしょうね、多分。
『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』まとめ
以上、漫画『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』の感想・レビューでした。
絵柄としてはやや古めなのですが、機動戦士ガンダムの外伝的コミックとしてユニークな単行本です。
なお「木星じいさん」グレイ・ストークは、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の短編集『スカルハート』収録の一編『最終兵士』にも登場。
本作を読んでおくと、クロスボーン・ガンダム・シリーズをより深く楽しめるでしょう。
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