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「熱帯デラシネ宝飾店」―孤高の姫と無法の街で輝く3つの宝石

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嬉野君さん原作・夏目イサクさん作画の「熱帯デラシネ宝飾店」。無実の罪で追われる身となった女子高生が、アジアンなイリーガル・エリアで、イケメン達に囲まれて危険な冒険をする、というお話。

連載は新書館の隔月漫画雑誌「ウィングス」。単行本は2巻まで発売されています。

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「熱帯デラシネ宝飾店」レビュー

主人公は、大地主の跡継ぎにして一人娘の女子高生・真咲(まさき)。なぜか真咲を疎ましく思う母と、彼女と手を組んだ親類の男・遥に無実の罪を着せられ、追われる身に。亡き叔父・周作の遺言に従い、日本を脱出する。

大陸の燭銀街(しろがねがい)へ渡った真咲は、銀行の貸し金庫から叔父の遺産である「3つの宝石」を受け取ろうとする。が、そこにあったのは一つの発信機だけ。

銀行を出て裏路地に入ると、暴漢たちに襲われる女性を発見。持ち前の正義感を発揮するが、返り討ちにあう真咲。そこで彼女を助けたのは、琥珀・翡翠・珊瑚の三人だった。

熱帯デラシネ宝飾店(1) (ウィングス・コミックス)夏目イサク,嬉野君:新書館

…以上が「熱帯デラシネ宝飾店」の導入部。真咲を「マリア」と呼ぶ彼らが「3つの宝石」であり、真咲が叔父から相続したもの。危険な燭銀街で「宝飾店」の通り名でボディーガードを営む三人に、首を突っ込む真咲。

三人は周作との縁から、真咲は生活費を稼ぎ、いずれ日本に戻って冤罪を晴らすために、共に燭銀街で危険な依頼をこなす、というアクション・ミステリー。

女性誌であるウィングス連載ということで、女子一人をイケメン3人が囲む、という構図。どちらかというと男性向けでは無いのですが、主人公・真咲の存在が不思議と魅力的。

セーラー服で黒髪のポニーテールという外見。凛とした強さと優しさを持ち合わせ、古風な喋り方をするお嬢様。物怖じしない性格で武道のたしなみもある彼女。その造詣、なぜか心ひかれるものが。

単純に「王子たちに守られる姫」という構図でないところが、「熱帯デラシネ宝飾店」の最大の特徴。ある意味、少年誌の主人公的な真咲の存在が光ります

三人の「宝石」たちもユニーク。リーダーで落ち着いた性格の琥珀。やや軽いが狙撃の名手・翡翠。人懐こい性格で骨董集めが趣味の珊瑚。イケメンなんだけど、同性から見ても嫌味の無い感じでGood。

無法の街で展開される、マフィア絡みのデンジャラス・ストーリーもひねりがあって面白い。何でもありの舞台で、己の才覚のみを頼りに生きる三人の活躍が楽しい。

そして遥はなぜ真咲に罪を着せたのか、宝飾店は真咲の叔父とどのような関わりがあるのか、真咲の母の解せない態度の理由、などのミステリー要素も気になるところ。「熱帯デラシネ宝飾店」、女性だけでなく、男性が読んでも楽しめる一作です。

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