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漫画レビュー『女の園の星』女子校のシュール過ぎる日常を描くコメディ

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女子校という名の「女の園」で、教鞭を執る男性教師。その日常は至って普通なような、そうでもないような…?

和山やまさんのコメディ漫画『女の園の星』。何とも形容し難い、シュールな雰囲気を持つコメディです。

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連載は祥伝社の漫画雑誌「FEEL YOUNG(フィール・ヤング)」で、コミックス1~4巻が刊行中(2024年10月現在)。以下『女の園の星』の主なあらすじや見どころなどを、基本ネタバレなしでご紹介します。

『女の園の星』レビュー

星先生と愉快な仲間たち!

『女の園の星』は、全1巻漫画『夢中さ、きみに。』で鮮烈な単行本デビューを果たした、漫画家・和山やまさんの初連載作品

教師である星先生(三十代)が、女子生徒たちや同僚の先生と、日常の些細なことでコミュニケーションを取り、そこからシュールな笑いが生み出されていきます。

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和山やまさんのキャラクターたちは、いずれも非常にアンニュイな感じが印象的ですが、本作でもそのキャラ造形は健在。

どこか気怠げ~な雰囲気を漂わせる彼・彼女らが、不思議な空間を形成。読むうちにそこにズルズルと引き込まれていくような。

この感覚が奇妙に面白い…!

「どうでもいい」が転化する瞬間

とは言っても、舞台は学校。そんなにいい加減じゃないよね~!

…と思いきや、話題に登るのは、

  • クラス日誌の備考欄に生徒が描く「絵しりとり」
  • 女生徒からの同人誌即売会用マンガのストーリー相談
  • 生徒から付けられる謎のあだ名

など他愛のない、「どうでもいいこと」ばかり。ホンマにどうでもええわ!とツッコまずにはいられない。

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ですが、星先生を中心とした気の抜けた会話が一話分おわる頃、その「どうでもいいこと」が「どうでもいいんだけど不思議と胸に残るもの」に変わっている。

自然な流れの中で「何かが笑いに転化する瞬間」が、妙にクセになります。

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同僚・小林先生に注目!

ちなみにこの漫画、個性豊かな女子生徒たちが登場するのですが、彼女たちの中でレギュラー的な人物がいない、というのも大きな特徴。

その「レギュラーがいない」という状況の中で、大きな存在感を占めるのが、職員室で星先生の隣に座る同僚・小林先生(三十代・数学教師・お寿司大好き)。

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比較的常識人で非常に社交的な性格、彼の喋りで物語が回転するという『女の園の星』の潤滑油的な人物。

ですが物語が進むにつれ、その内面のユニークな部分が徐々に露呈。その過程に思わず笑いが。

彼が顧問をするバレー部で、記念品づくりに奮闘(迷走)する様子を描く「9時間目(2巻収録)」は最高に面白い一話。

1・2巻を通して読むと、「自分は星先生派だったけど、思い切って小林先生派になろうかな?」なんていう逡巡も生まれるのではないでしょうか(ホンマかいな)。

レビューまとめ

以上、和山やまさんの漫画『女の園の星』のネタバレなしレビューでした。

作者初の連載作品ということで、読み手としても探り探りの読書でしたが、1~2巻と巻を重ねて世界観を確立、静かに盛り上がってきた!という感じです。

なお紹介の都合上、女子生徒たちに触れませんでしたが、「思春期特有のフリーダムさ満開な独特な雰囲気」も、本作の魅力のひとつです。ぜひその世界観に片足を突っ込んでみてください。

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