SF漫画漫画感想・レビュー短編漫画集

漫画『スターダストメモリーズ』―宇宙の謎と神秘が詰まった星野之宣のSF短編集

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宇宙に進出する人類。彼らがその深淵で見たものとは―?

星野之宣さんのSF漫画と言えば「2001夜物語」が超有名ですが、その他にも数多くのSF作品を描かれています。この「スターダストメモリーズ」もその一作。

バラエティ豊かな短編SF漫画が詰まった単行本、全1巻です。

「スターダストメモリーズ」レビュー

概要

SF短編集「スターダストメモリーズ」は、表題作である連作「スターダストメモリーズ」全6編他、7編を収録。

  • スターダストメモリーズ
    Vol.1 詩人の旅
    Vol.2 木霊(こだま)の惑星
    Vol.3 メリー・ステラ号の謎
    Vol.4 射手座のケンタウロス
    Vol.5 鯨座の海
    Vol.6 セス・アイボリーの21日
  • ウラシマ効果
  • ウォー・オブ・ザ・ワールド
  • ターゲット
  • 大いなる回帰
  • 灼(や)ける男
  • 宇宙からのメッセージ
  • メビウス生命体

以上、全13編の収録タイトルです。

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デッド・エンドもありなSF短編集

星野之宣作品を読まれた方なら説明不要ですが、どの作品もクオリティの高いSF。全て宇宙や惑星が舞台です。

「2001夜物語」のような未来への希望を描いた作品に較べると、ちょっとデッド・エンド多め?そういう結末が好きならば、是非オススメしたい作品群(私も好きです)。

どれも面白いのですが、特に気に入った作品を抜粋して感想を。

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「Vol.2 木霊の惑星」

30年前に消息を絶った探査隊の捜索のため、惑星「ジェミニⅡ」を訪れた調査隊一行。彼らが出会ったのは果たして?

未開惑星の調査のためにクローン人間を使う「消耗探査隊」、そして彼らにシンクロニシティを感じた遺伝子提供者たち、という設定が面白い。

「Vol.4 射手座のケンタウロス」

ギリシア神話に出てくる、半人半馬の名を冠された生物・ケイロン。その生命力の秘密を探る富豪たちが見た、ケイロンの秘密とは―。

星野氏の別作品「コドク・エクスペリメント」をどことなく彷彿とさせる一作。グロテスクなモンスターと、その謎が秀逸。

「Vol.6 セス・アイボリーの21日」

今巻の個人的ナンバー1。

とある惑星に不時着した女性。救助が来るのは21日後。しかしその惑星では生物時計の進行が早く、救助が来る前に老衰で死んでしまう。絶望した女性がとった行動は―?

現実ではありえないストーリーの中に、生命の神秘、人間としての葛藤・哀しみが詰まった、これぞSF!な作品。必見。

「メビウス生命体」

オリオン座のブラックホール観測船。採集班が拾ってきた「球体」から出てきたそれは、観測船を壊滅の危機に―。

星野氏のSFパニックものは、絶望感にあふれていて本当にハラハラします。そして単純な恐怖の描写に終わらず、宇宙の秘密・謎に触れるまでがSF。さすが。

まとめ

というわけで一部抜粋の感想となりましたが、どの作品も読み応えのある良質のSF漫画。面白かったです。

星野之宣ファンのみならず、SF漫画に飢えているSFファンにもオススメしたい短編漫画集です。

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