音楽未経験の女子が、高校で憧れの軽音楽部へ入部。予想外の「軽音ノリ」と複雑な人間関係にとまどいながらも、普通じゃない光を放っていく!
原作・クワハリさん+漫画・出内テツオさんの『ふつうの軽音部』。「普通」感を強調したタイトル&ライトな作風とは裏腹な、濃厚な音楽青春物語を紡ぐ音楽漫画です。
連載は集英社のWeb漫画メディア「少年ジャンプ+(ジャンプラ)」で、コミックス1~4巻が刊行中(2024年11月現在)。以下『ふつうの軽音部』の主なあらすじや見どころをご紹介します。
『ふつうの軽音部』あらすじ
新・高校一年生の鳩野ちひろ。音楽未経験だが、高校では軽音楽部への入部を希望。エレキギター(ちょっといいヤツ)を購入して、いざ念願の軽音ライフへ!
…が、憧れと現実にはややギャップが。先輩から新入生まで、他の部活動とはやや異なる独島のノリに、なんとも言えないモヤモヤ感を抱く。
オマケに、もともと地元民ではない彼女。コネクションが無いため、バンドに入るのも一苦労。ちひろはハードルを乗り越え、「普通の軽音部員」へと昇華できるのか…?
『ふつうの軽音部』のココが面白い!
軽音部あるある(?)
『ふつうの軽音部』冒頭で、ついに念願のエレキギターを入手したちひろ。高校で待ちに待った軽音部デビュー!が、そこで待っていたのは…
- 新歓ライブで内輪で盛り上がる先輩たち
- ライトに軽音部に入りたがる多数の新入生
- ちっとも上手くならないギター
- そもそもバンドの組み方がわからない!
などの「軽音部あるある」。ちょっと思ってたんと違う…な感じの雰囲気に、もともとの陰キャ体質も手伝って、やや乗り切れない…。
その一方、歌や演奏が上手い同級生や、仲良しでバンドを組んだ友達も。そんな彼らを、複雑な気持ちで見つめるちひろ。
独特の軽音部ノリに、彼女がビミョーに困惑する様子が描かれる序盤。そこに思春期の複雑な人間関係も相まって、読み手も何だかビミョーな気持ちに…(笑)。
ガールズバンド結成への道のり!
しかしやがて、ちひろにも転機が。同じく軽音部のベーシスト・幸山厘(りん)に声をかけられ、男子二人も加えてバンド「ラチッタデッラ」を結成!
これでようやく充実した軽音ライフに…。と思いきや、すったもんだあって短期間でバンドは解散。ちひろの音楽はあえなく終わってしまうのか…。
と、ここからが『ふつうの軽音部』の大きな見どころ。紆余曲折を経て、ちひろは厘、そして新たな仲間と共に、「ガールズバンド」への道を歩むことに。しかもギター&ボーカルで!
音楽初心者であるちひろ、もちろんボーカルの経験などあるわけもなく、ギターの腕もまだまだ下手っぴ。そこを持ち前の前向きな心と地道な努力で、少しずつ前進。その過程で彼女が見せていく努力と成長が、予想外に熱い!
ちひろの心とシンクロし、読み手の心にもジワジワと湧き上がるものが。序盤のライトな雰囲気からは想像もできない、青春バンド・ストーリーに引き込まれていきます。
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暗躍する女子に注目
予想外な盛り上がりを見せてくれる『ふつうの軽音部』。ですがこれだけなら、ホントに「普通」の高校生バンド漫画。
その『ふつうの軽音部』の「普通じゃない」面白さを演出するのが、バンドのベーシスト・厘の存在。スラッとした長身で、ベースの腕もなかなかの彼女。一見おっとりな感じなのですが、実はかなりの策略家。
ちひろのボーカリストの才能をいち早く見抜き、「神」と崇める厘。ちひろをスターダムに押し上げるべく、周囲の人間関係をつぶさに観察、コントロールし、自分たちに有利な状況を作り上げていく…。
この「青春バンド漫画」らしからぬフィクサー・厘の暗躍が、『ふつうの軽音部』のもう一つの魅力。明るく輝いていくちひろは対極的に、鈍く輝く厘。二人の「光と闇」的なコントラストは、果たしてどこへ行き着くのか…?
感想・レビューまとめ
以上、原作・クワハリさん+漫画・出内テツオさんの『ふつうの軽音部』の感想・レビューでした。
地味な音楽初心者の女子高生が、前向きに光り輝いていく心地よさと、その裏で蠢く策謀(笑)が、なんともユニークな軽音ストーリー。
またそれ以外にも高校生たちの爽やか、かつ複雑な人間関係が絡み合っていく様に、大きな読み応えあり。読む前の想像を大きく超えた面白さを与えてくれる漫画です。
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