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漫画『MASTERキートン Reマスター』感想―「20年後のキートン」描く続編

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考古学者、ロイズのオプ(保険調査員)、SASのサバイバル・マスターなどの顔を持つ、平賀=キートン・太一

その活躍を描いた漫画『MASTER(マスター)キートン』の「20年後」を舞台にした正統な続編が、漫画『MASTERキートン Reマスター』。

オリジナル版『MASTERキートン』最終18巻の刊行より、実際に20年が経っての新作です。

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ストーリー・長崎尚志さん+漫画・浦沢直樹さんのゴールデンコンビで、2012年から不定期連載されていた全8編をまとめた全1巻。2022年に電子書籍化もされています。

『MASTERキートン Reマスター』感想・レビュー

「その後」のキートンの姿は…?

元・SASの軍人にして、危険なオプの仕事もこなすキートン。オリジナル『MASTERキートン』のラストでは、本分である考古学の道へと歩んでいきました。

それから20年が経った『MASTERキートン Reマスター』。第一話『眠り男』では、ルーマニアのブカレスト大学で講義をする「その後のキートン」の姿が

良かった!夢が叶ったんだ…。

と思いきや、探偵事務所の元相棒・ダニエルの残務を整理するため、再びオプとして世界を駆け巡ることに

基本的なシルエット、飄々とした雰囲気は前作のまま。しかし頭髪には白いものがまじる「20年後のキートンの活躍」が描かれていきます。

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読み応えのあるサスペンス・ストーリー

「オプとしてのキートン」が活躍するサスペンス・ストーリーが『MASTERキートン』ならではの面白みですが、それはこの『Reマスター』でも健在。

イタリアでは人身売買に絡んだ不法滞在者の身元調査、クロアチアでは元マフィアの移送警護、アイルランドではヤードの元刑事への取材に同行…。

世界各地を飛び回るキートンの姿と、世界情勢や社会問題、文化や歴史がそのバックグラウンドに緻密に組み込まれた各話は、相も変わらぬ読み応え。

もちろん殺伐とした話ばかりではなく、キートンの人柄を表すエピソードも。

第3話『マリオンの壁』ではかつての恩師と、童心に帰ったかのように歴史談義に花を咲かしたり。その姿に懐かしさと不思議な安心も感じます

そしてそこから浮かび上がってくる、「20年の時を経たキートンの成長」

『MASTERキートン』の頃の面影はそのままに、人間として円熟味を増したその佇まい。「『人生の達人』に近づきつつあるキートン」が見られます。

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太平や百合子の「20年後」も

また『MASTERキートン Reマスター』ではキートンだけでなく、「キートンの家族」についても気になるエピソードが

第5話『女神とサンダル』では、老いてなお(いろんな意味で)健在な父・太平の姿が。

「幼馴染の女性を守って欲しい」という太平の依頼から、キートンの意外なルーツが明らかになっていく、興味深いストーリーが描かれます。

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さらに第7話『マルタ島の女神』では、成長しアラフォーになった百合子が登場!

父と同じく考古学の道へ進み、現在はマルタ島に住む彼女。しかし私生活は順風満帆とは言い難く、表情にはどこか陰が…。

その百合子を訪ねたキートン。父として、研究者として、彼女と同じ時間を過ごすのですが、この父娘のエピソードがとても素敵なもの

考古学も絡めたストーリーの終盤で、さて二人はどのような表情を見せるのか?ぜひ本編でお楽しみください。

『MASTERキートン Reマスター』まとめ

以上、長崎尚志さん+浦沢直樹さんの漫画『MASTERキートン Reマスター』感想・レビューでした。

オリジナルの雰囲気はそのままに、懐かしさの先に新しさを感じる良い続編。『MASTERキートン』らしさが存分に味わえます。

なお最終話『栄光の八人』は「これにて『MASTERキートン』完結!」という内容では無いので、続巻がワンチャンある、かも…?(無いかな…)

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