理不尽な麻雀勝負に巻き込まれた男子高校生たち。偶然から頼った少女は、伝説の裏雀士「氷のK」の妹・アミナだった…!
志名坂高次さんの『凍牌 コールドガール』。『凍牌』シリーズの主人公”氷のK”」、その「妹」アミナが新たな打ち手となり裏社会の麻雀勝負に挑んでいく、バイオレンスあふれる麻雀漫画です。
連載は秋田書店ヤングチャンピオン誌で、単行本1~8巻が刊行中(2024年10月現在)。以下『凍牌 コールドガール』の主なあらすじや見どころなどを、基本ネタバレなしでご紹介します。
『凍牌 コールドガール』あらすじ
『凍牌(とうはい)-裏レート麻雀闘牌録-』『人柱篇』『ミナゴロシ編』と続いた麻雀漫画『凍牌』シリーズ。ラストは主人公ケイこと”氷のK”の「桜輪会の最高顧問就任」という形で幕を閉じました。
それから数年経った『凍牌 コールドガール』では、成長した「Kの妹」アミナ(=榊原亜美奈)が主人公に。裏社会に生きる「悪い人たち」との過酷な麻雀勝負に臨みます。
なお本作は『凍牌』シリーズを未読でも楽しめると思うのですが、既刊を読んでおくならばシリーズ最初の『凍牌-裏レート麻雀闘牌録-』1~3巻あたりがオススメ。
Kとアミナの出会い、そして漫画『凍牌』の雰囲気を掴むことができるでしょう。
『凍牌 コールドガール』レビュー
「コールドガール」アミナの活躍!
麻雀で卑怯な手を使い、一般人をハメようとするゴロツキたち。その手口はえげつなく、常識など通用するはずもない…。
そんな輩と勝負するアミナは一見、笑顔がキュートな「普通」の少女。だが見た目に反し、肝の座り方がハンパ無い!
嘘と暴力で塗り固められた「悪いやつら」を、「生きるため」に磨き上げてきた胆力と、K譲りの雀力で打ち負かしていく。
「他にも悪い事して人を泣かせてきたんでしょ?自分たちの番がきたんだよ」
冷たく言い放つその姿は、まさに「コールドガール」。スカッとする!
無邪気さとドス黒さを併せ持つヒロイン
スカッとする!…のですが、その一方で、身内のヤクザと共に敗者に容赦なくペナルティを課したりもするアミナ。
決して「正義の味方」では無い、ダークヒーロー的な立ち居振る舞いに、魅力と空恐ろしさを感じます。
それもそのはず、アミナは「生粋の裏社会の住人」。『凍牌-裏レート麻雀闘牌録-』2巻でKと出会った時、彼女の身は非常に凄惨な環境に…。
そしてとある出来事をきっかけにKに引き取られ、そこから抜け出たあとも「生きるための選択」を迫られ、文字通り「死線」を越えてきた彼女。その魂の成り立ちには、常人とは異なる「闇」が。
一般人とは、いや「ワル」とも明らかに異なる、無邪気さとドス黒さを併せ持つそのキャラクター性に、ぬるま湯に浸かった頬をひっぱたかれるようなインパクトがあります。
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破天荒な麻雀勝負が面白い!
一方、麻雀勝負で知り合ったガク・ジンの高校に、「トモダチになる」こと(?)を目的に入学したりと、妙な純粋さを見せたりもするアミナ。
今までの『凍牌』とは一転、楽しい高校生活の様子が…
…と思いきや、「氷のKの”妹”」であることが彼女に平穏な生活を許さない!
望むと望まざるにかかわらず、学内外で麻雀勝負に挑んでいくことに。そこで展開される麻雀バトルが非常に面白い!(&えげつない!)
「バレなきゃイカサマじゃない」の精神で、ド派手なイカサマも炸裂する過酷なゲーム。跳ね上がるレートに阿鼻叫喚し、そして卓上で(なぜか)飛び交う血しぶき!
その中で時に逆境に陥ることもあるアミナが、いかにして状況を打破し、そして「コールドガール」として場を支配していくのか?過激な麻雀勝負から目が離せない!
レビューまとめ
以上、志名坂高次さんの漫画『凍牌 コールドガール』のネタバレなしレビューでした。
新世代を迎えた『凍牌』。主人公が女の子になり見た目フレッシュ、しかし『凍牌』シリーズならではのバイオレンス成分はきっちり。
勝負のそこかしこに埋め込まれた伏線と、迎える破天荒な結末に、緊迫のスリル&サスペンス感あり。ブラック過ぎる麻雀バトルのさらなる盛り上がりが、恐ろしくも待ち遠しい!
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