裏社会の代打ちから離れ、表の世界に戻ってきたケイ。
しかしその腕を離さない「闇」に対し、「氷のK」として最後の麻雀勝負に挑む。真の自由を求めて―!
志名坂高次さんの漫画『凍牌~ミナゴロシ篇~』全10巻。少年雀士「氷のK」のラストバトルが描かれる、『凍牌』シリーズ3作目です。以下『凍牌~ミナゴロシ篇~』が気になる方向けに、主なあらすじや見どころなどを基本ネタバレなしでご紹介します。
『凍牌~ミナゴロシ篇~』あらすじ
組長・高津との死闘を制し、裏社会から足を洗ったケイ(K)。
アミナ・優と「普通の高校生」としての生活を送っていたが、「日本のスキャンダルについて記録した『羽鳥の名簿』を持っている」との噂から暴漢たちに拉致、拷問にかけられてしまう。
それを救ったのは謎の男・小野。彼は麻雀大会「竜鳳位戦」で、副賞『土曜会の記録』を手に入れて欲しい、とケイに依頼する。
関わった人間が命を落とす「政財界のタブー」。危険の代償は「ケイとアミナの真の自由」。
かくしてケイは、「氷のK」として再び麻雀勝負に臨むことに。しかし同じく名簿を狙い桜輪会、そして「ライオン」堂嶋が動き出す…!
『凍牌~ミナゴロシ篇~』レビュー
「氷のK」最後の戦いへ
シリーズ一作目『凍牌-裏レート麻雀闘牌録-』より、ヤクザの代打ちとして裏社会を渡り歩いてきた、「氷のK」こと主人公・ケイ。
その武器は超人的な記憶能力と氷のような冷静さ、そしてその裏にたぎる熱き闘志!
成り行きから保護した東南アジア系の少女・アミナを守るため、時に命の危険もある高レートな闇麻雀に臨んできた少年。
そのKも前作『凍牌~人柱篇~』にてようやく自由の身に。しかし一度「裏」に足を踏み入れた人間は、そう簡単には表へ出られない…。
そこを優勝=『土曜会の記録』ゲットを条件に、かつて死闘を繰り広げた「竜鳳位戦」へ参加するK。「真の自由」を賭けて再び麻雀バトルへと臨んでいくことに。
『凍牌』オールスターの麻雀バトル
だが絶大な力が手に入る『土曜会の記録』を狙うのは、K+小野だけではない。また「竜鳳位戦」には、タイトルを狙う「腕に覚えあり」な一般人も参加。
有象無象の雀士たちが卓上で火花を散らしていく。その緊迫感あふれるひりつく戦いに、手に汗握ること必至!
…いや『凍牌』シリーズって「これホントに麻雀漫画?」というぐらい、バイオレンスな表現が多いんですよね。
ただこの竜鳳位戦は「表」の大会なので、だいぶマイルド。シンプルに緊迫感のある麻雀勝負が楽しめます。
また参加者たちも個性的な雀士揃い。表のトッププロ、麻雀アイドル、スリルを求める若者、そしてKに個人的な恨みを抱く人間も?
もちろんシリーズでおなじみの「ライオン」こと堂嶋も大活躍(?)。『凍牌』シリーズの集大成とも言うべき、オールスターの戦いが展開されていきます。
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ラスボス・白翁との最終決戦。その行方は?
過酷な麻雀勝負をくぐり抜け、やがてKは大会のラスボスである盲目の雀士・白翁(はくおう)との決戦へ。
終盤ではついに『土曜会の記録』をかけたラストバトルが!
…が、これまでも「ありえない裏の麻雀勝負」が行われてきた『凍牌』シリーズ。普通の麻雀勝負が描かれるわけが無い!
勝利者に対し『土曜会の名簿』を差し出す白翁は、Kたち対戦者に対しては奴隷となることを約束させるが、「それでは釣り合わない」とさらに「生贄」を要求!
この生贄を巻き込んだ麻雀バトルが、何とも『凍牌』らしいグロテスクさ。ちょっとゲンナリするぐらい(笑)。
しかしこれこそが『凍牌』の醍醐味。圧倒的に不利な状況で、しかも未知数の「能力」を持つ麻雀魔神・白翁。
強大な力を持つ敵には勝利し、「氷のK」は自由を掴み取ることができるのか…?
レビューまとめ
以上、志名坂高次さんの漫画『凍牌~ミナゴロシ篇~』全10巻のネタバレなしレビューでした。シリーズのラストを飾るにふさわしい、「氷のK」最後の戦いです。
なおこの『ミナゴロシ篇~』、『凍牌-裏レート麻雀闘牌録-』『人柱編』に続く物語なのですが、知らん人間がバンバン出てきます(特にライオン・堂嶋絡み)。
それらはスピンオフである『牌王伝説 ライオン』『牌王血戦 ライオン』に登場した人物たち。本作をより楽しむためには、こちらを事前に読んでおくことをオススメします。
そして物語は新世代『凍牌 コールドガール』へ…!
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