安息の地を求めて夜の魔女は、今日も世紀末を漂う―。
「ヘレンesp」に続いて木々津克久さんの漫画をご紹介。「アーサー・ピューティーは夜の魔女」という一風変わったタイトルです。
カバーでは、赤毛の女性が路上で何やら追い詰められているようで…?なお「ヘレンesp」に較べると若干キツイ描写もありますので、苦手な方はご注意を。
「アーサー・ピューティーは夜の魔女」レビュー
あらすじ
山奥で、人目を避けて生活する一組の男女。一人は眼帯をした男・アタル。もう一人は赤毛の女性・アーサー。
この状態の発端は、一ヶ月前の出来事。ある種のバクテリアが人間に感染することが判明。爆発的に拡大(パンデミック)したそれにより、感染者は非感染者を襲うように。
地獄と化した世界で生き延びようとする二人。だが感染者の包囲は徐々にせばまり、やがてその身に危険が…。
サバイバル漫画と思いきや?
…という出だしの漫画「アーサー・ピューティーは夜の魔女」。どことなく藤子・F・不二雄先生の短編「流血鬼」を想起させる設定。また最近流行りのソリッド・シチュエーションもののような雰囲気も。
アーサーとアタルは果たして生き残ることができるのか!
続きは本編でお楽しみください。
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…このブログ、基本的にネタバレは極力避けるようにしています。で、これまでの説明は収録全6話のうちの第一話のもの。
できれば細かい内容を知らずに読んだ方が楽しめるかと思いますので、先を知りたくない!という方は電子書籍サイトに移動されるか、本ブログの別記事をご覧ください。
なお本作を読む前に、「ヘレンesp」を先に読んでおくことを強くオススメします。
それではどうしても続きを読みたい!という方は、もう少し下へどうぞ。
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続き。
まあタイトルで「アーサー・ピューティーは夜の魔女」って言っているので、アーサーは人間ではなく魔女。アタルはゾンビでその従者、という設定です。
世界にはアーサーのような高位の存在が紛れていて、密かに人間たちを支配。しかしバクテリアに感染した人間は、その能力が上がり、高位の存在を認識できるように。
かくしてアーサー達は追われる身となり、「暗黒世界」を逃避し続ける…。というのが「アーサー・ピューティーは夜の魔女」の基本的な設定です。
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木々津作品らしいブラックさ
支配するものとされるものの逆転、強大な力を持つが人間の数に屈せざるをえないアーサーたち、という構図が面白い。また木々津克久漫画らしいブラックさが随所にあふれ出ていて、それが何よりの魅力。
時間を移動する能力を持つ悪魔・フィボナッチとの駆け引きが描かれる「The fourth night フィボナッチの持ち時間」は、特に引き込まれる一話。タイムトラベルをうまく利用したミステリー風味で、アーサーが妙に人間臭いのがちょっと笑えます。
「ヘレンesp」を読んでいるとおもしろさ倍増
そして最終第6話では、「ヘレンesp」の主人公であるヘレン、らしき少女が登場。この描かれ方がブラック過ぎて最高です。
「ヘレンesp」も「アーサー~」も予備知識無しで読みましたが、「ヘレン~」を先に読んでおいて良かった。両方とも未読、という方は是非「ヘレンesp」から先にお読みください。
まとめ
さて、この「アーサー・ピューティーは夜の魔女」。ナンバリングとして一応「1巻」ということになっています。また「発売日は未定」ですが、巻末に一応2巻の予告も掲載されています。
連載は2009年よりコミックフラッパーにて不定期、1巻の刊行は2011年なのですが、以降は特に動きが無いようです。
話としてはこの1巻で完結している、と言っても無理のない内容なのですが、面白いのでできれば続きが読みたいところ。
刊行からは少し時間が空いてしまっていますが、いつの日かまたアーサーたちの活躍が読めるのでしょうか。首を長くして待ちたいと思います。
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