小説・一般書籍ほか

なつかしのゲームブック。ページをめくるという冒険

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先日、ふと本棚の奥を見たら、かれこれン十年前に遊んだ「ゲームブック」が出てきました。

ご存知ですか?ゲームブック。文章の指示や選択肢によって物語の結末が変わる、というちょっと変わった本です。

デジタルなゲームの進化とともに廃れていったジャンルですが、今となっては非常に懐かしいゲームブック達。ややジャンルに偏りがありますが、せっかくなので手持ちの本をご紹介。

また記事の最後では、復刻版を含めた「電子書籍で遊べるゲームブック」もあわせてご紹介します。

「ゲームブック」とは

そもそも「ゲームブックとは何か?」について。

ゲームブックとは、各パラグラフ(段落)に「1」や「100」といった数字が振り分けられていて、読む人間の選択によってストーリーが変化する、という形式の本。

例えば

通路を進むと宝箱があった!さてどうしよう?

  • ラッキー!すぐあける→35へ
  • 罠かもしれない。無視する→254へ

とか、

敵があらわれた!戦闘を開始せよ。

  • 勝ったら→269へ
  • 負けたら→74へ

のように、読者の選択肢や戦闘の結果によって物語が変わります

ゲームなので、もちろんゲームオーバーもあり。ゲームのおもしろさを書籍で再現した、「遊べる小説」のようなものです。

ゲームブック紹介

それでは以下、手元にあるゲームブックの紹介です。前半が「勁文社アドベンチャーヒーローブックス」のゲームブック、後半が「創元推理文庫スーパーアドベンチャーゲーム」シリーズです。

機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星

今はなき出版社「ケイブンシャ(勁文社)」の「アドベンチャーヒーローブックス」より、「機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星」です。

初心者にもとっつきやすい難易度の「アドベンチャーヒーローブックス」。当時、アニメやテレビゲームのゲームブックといえば、このシリーズでした。

手元にはありませんが、ナムコ「ドルアーガの塔」、ハドソン「チャレンジャー」、カプコン「影の伝説」任天堂「ゼルダの伝説」シリーズなどが、ゲームブックになっていたと思います。


(引用:勁文社「機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星」パラグラフ296~298より)

この「最期の赤い彗星」は「ガンダム」と「Zガンダム」の間をつなぐ、シャアが主人公のサイドストーリー

TVアニメの最後では生死不明となったシャアですが、彼がア・バオア・クーを脱出した「その後」を描く冒険譚。当時としてはめずらしい「シャアが主人公」の本で、読み手がシャアとなって選択肢を決めていく、というのがとても魅力的でした。

「ガッシャ」「ドワッジ」「アクトザク」「ガルバルディ」など「ペズン計画」のオリジナルMSや、敵の正体が実は本編にも登場した○○だった、というのもそれらしい内容で、ワクワクしながらページを繰ったのを思い出します。

機動戦士ガンダム 灼熱の追撃

同じく勁文社「アドベンチャーヒーローブックス」より、「機動戦士ガンダム 灼熱の追撃」。

こちらは「最期の赤い彗星」とは異なり、オリジナルキャラによるストーリー。ジオンの少年整備兵が、味方を裏切った部隊が持ちだした機密データを追う、という内容です。


(引用:勁文社「機動戦士ガンダム 灼熱の追撃」パラグラフ191~193より)

オリジナルの登場人物や地上戦ということもあって、内容的には地味。ですが、ガンタンクⅡ、ジムキャノン、トロピカルドム、ゲルググキャノンといったMSVが豊富に登場して、ファンの気持ちをくすぐる一冊でした。

機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令

今度は「Zガンダム」が舞台となった「機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令」。本編の敵役であるジェリド・メサが主人公という、異色のゲームブック。

Zガンダム本編が始まる前のティターンズで活躍するジェリド、という設定。このゲームブック自体はおもしろいのですが、ジェリドが主人公ということで、何となく話に入り込めなかったような記憶がw。


(引用:勁文社「機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令」パラグラフ179~183より)

しかし登場MSは、いずれもファン心をくすぐるものばかり。ギャプランを彷彿とさせる「ドミンゴ」や、「ナスホルン」「ブリザード・ドム」など、本書でしかお目にかかれないオリジナルMS達が、冒険に華を添えます。マニアックな話でごめんなさい。

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参考:機動戦士ガンダム シャアの帰還―逆襲のシャア外伝

私が「アドベンチャーヒーローブックス」で持っているガンダムのゲームブックは以上三冊なのですが、実はもう一冊出ているようですね。近年知りました。

こちら、「機動戦士ガンダム シャアの帰還-逆襲のシャア外伝」です。これは当時、存在そのものを知りませんでした。今は何やらプレミアがついてるよう。知ってれば絶対買ったのに…!

※手持ちのゲームブックではありませんが、参考情報として載せておきます。

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装甲騎兵ボトムズ 復讐の惑星シド

ガンダムと同じくサンライズ作品である「装甲騎兵ボトムズ」のゲームブック、「装甲騎兵ボトムズ 復讐の惑星シド」。私は当時ボトムズを見たことがなかったんですが、ロボットアニメが好きだったので何となく購入。おもしろかった、と思います。


(引用:勁文社「装甲騎兵ボトムズ 復讐の惑星シド」パラグラフ153~154より)

おなじみ「スコープドッグ」をはじめ、「ジェノサイドドッグ」「ブラッドサッカー」「ベルゼルガ」など、強力なATが多々登場。サイコロの目をちょろまかしながらクリアしました(笑)。

ちなみにこういうゲームブックは、ページの隅にサイコロの目が描かれており、パラパラめくるとサイコロ代わりになります

ガルフォース 忘却の惑星 & ガルフォース2 カオス秘密基地を叩け

こちらは買ったけど、ほとんどやっていなかったと思うので写真のみご紹介。OVA「ガルフォース」のゲームブック「ガルフォース 忘却の惑星」「ガルフォース2 カオス秘密基地を叩け」。

当時は、キャラクターデザインをしていた園田健一氏の絵が大人気でした。アニメも面白かったです。勁文社のアドベンチャーヒーローブックスの手持ちは以上です。

スーパー・ブラックオニキス

ここからは、創元推理文庫の「スーパーアドベンチャーゲーム」シリーズ

こちらは元はパソコンのゲームだったと思うのですが、「スーパー・ブラックオニキス」。洋ゲーの雰囲気漂う表紙イラストですが、日本製RPGの元祖らしいです。


(引用:創元推理文庫「スーパー・ブラックオニキス」パラグラフ327~329より)

主人公「テンペスト」と仲間たちが、呪われた街「ウツロ」の地下深くに眠る秘宝「ブラックオニキス」を探し出すアドベンチャー。

当時はこういうファンタジーRPGが、人気真っ盛りでしたね。冒険者、トロールやゴブリン、スライムといったベーシックなモンスター、剣、魔法、ダンジョン…。ワクワクする冒険がいっぱいでした。

ところでこの「スーパー・ブラックオニキス」、私には難しくてクリアできなかったのですが、近年「初版本にはバグが有る」との情報を得まして。

手持ちの奥付みたら初版本だよ!ちなみに正誤表を公開されている方がいらっしゃいますので、再プレイされる方は、こちらを参考にされてはいかがでしょうか。

スーパー・ブラックオニキス」初版正誤表

なおKindle限定ですが、「スーパー・ブラックオニキス」は「ブラックオニキス・リビルド」として電子書籍化されています。旧版の誤植も修正されているそうなので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

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ワルキューレの冒険 迷宮のドラゴン

同じく創元推理文庫「スーパーアドベンチャーゲーム」より、ナムコのファミコンソフト「ワルキューレの冒険」をゲームブック化した「ワルキューレの冒険 迷宮のドラゴン」。

ワルキューレ時の鍵伝説三部作の一冊です。カバーイラストは米田仁士氏。米田氏のイラスト、好きなんですよね。


(引用:創元推理文庫「ワルキューレの冒険 迷宮のドラゴン」パラグラフ65~66より)

マーベルランドで悪の化身ゾウナにより時の鍵が抜かれ、魔物が溢れかえる世界を女神戦士ワルキューレが救う、という設定はオリジナルと同じ。

ですがゲームブックでは、プレイヤーは「ワルキューレを助けるために旅に出る戦士の卵」という設定。ワルキューレの軌跡をたどって旅をします。

なお写真のイラストは「シーザス」。ファミコンではこいつ倒すのに苦労したな…。ファミコンゲームと本格ファンタジーのテイストが、良い感じでミックスされた良作ゲームブックです。

ワルキューレの冒険 ピラミッドの謎

「スーパーアドベンチャーゲーム」ワルキューレの冒険シリーズ第二作「ワルキューレの冒険 ピラミッドの謎」。

さすがに今となっては内容は良く憶えていませんが、ページをめくったらアドベンチャーシートに書き込みがびっしりありました(笑)。


(引用:創元推理文庫「ワルキューレの冒険 ピラミッドの謎」パラグラフ311より)

ファミコンでは主人公ワルキューレのみを操作しますが、ゲームブックでは主人公以外にサンディやニスペンといった旅の仲間も登場。オリジナルにうまく、RPGのパーティ要素を組み込んでいます。

しかしこれを書くためにパラパラ本を読み返していますが、ちゃんと物語になっていますね。読んでて普通におもしろい

ワルキューレの冒険 時の鍵の伝説

手持ちの最後!「スーパーアドベンチャーゲーム」ワルキューレシリーズ三部作の完結編、「ワルキューレの冒険 時の鍵の伝説」です。パラグラフ数603の大作。


(引用:創元推理文庫「ワルキューレの冒険 時の鍵の伝説」パラグラフ474~475より)

すみませんが、内容は全く憶えていません!が、シリーズ二作をプレイして、本書の発売を待ちに待ったことを思い出しました。

奥付を見返すと、「迷宮のドラゴン」の初版は1988年3月、「ピラミッドの謎」は1989年4月、そしてこの「時の鍵伝説」は1989年10月の初版でした。

2年ちょっとでゲームブック3冊を刊行するって、実はすごいことじゃないんだろうか。ちゃんと完結させてくれたのがありがたい。

まとめ

以上、なつかしのゲームブックのご紹介でした。アラフォーの方ならば、「懐かしい!」と思われる作品がいくつかあるのではないでしょうか。もう処分してしまいましたが、他にも「ドラゴンクエスト」や「パトレイバー」をプレイした記憶があります。

ゲームブックブーム真っ盛りの頃は、「火吹山の魔法使い」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ゼビウス」など多数のゲームブックが書店に並び、賑わいを見せていました。

ゲームブックは今や書店からはすっかり姿を消してしまいましたが、昔はこんな感じの本が結構出ていて、少年少女達がその発売を楽しみにしていた時代があったのです。

…と感傷に浸っていたら、「ワルキューレ」と同じく創元推理から発売されていた「ドルアーガの塔」シリーズが新装版になって、今でも手に入るようです(アドベンチャーヒーローブックスじゃない方)。また機会があればプレイしてみたいものです。

参考情報:電子書籍で遊べるゲームブック

記事内でご紹介した「ブラックオニキス・リビルド」以外にも、復刻版や新規など電子書籍で遊べるゲームブックが多数出版されています。以下、参考情報としてそれらのゲームブックを掲載しておきます。

幻想迷宮ゲームブックなど

先述の『ドルアーガの塔』シリーズや『ブラック・オニキス』など、懐かしの復刻版ゲームブックが電子書籍化されています。

なおこれらは今のところAmazonのKindleでのみ配信されているようです。またKindleの読み放題Kindle Unlimitedでも楽しむことができます。

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ルパン三世ゲームブックシリーズ

ゲームブック黎明期に刊行されていた『ルパン三世』のゲームブックも、電子書籍化されています。ですが現状、配信ストアにバラツキがあります。

以下の3作品『暁の第三帝国』『黄金のデッド・チェイス』『密林の追撃』は、いずれも電子書籍ストア・ブックライブでの配信となっています。

シリーズの第一弾である『さらば愛しきハリウッド』は、各電子書籍ストアで復刻版が配信されています。

こちらは価格が約2,000円と、紙書籍版にあわせて少しお高め…。コミックシーモアの初回限定70%OFFクーポンを利用するとかなりお得になるので、チェックしてみてください。

新作ゲームブック

『進撃の巨人』『七つの大罪』『都会のトム&ソーヤ』など、人気作品の「新作ゲームブック」が各電子書籍ストアで配信されています。

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