小説・一般書籍ほか

面白すぎて一気読み必至!おすすめの長編小説9選

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気温も下がり、夜も過ごしやすくなってきましたね。

そんな時にはとっとと寝る!…じゃなくって、がっつり小説、それも長編など楽しんではいかがでしょうか。

というわけで、秋の夜長におすすめの長編小説をご紹介します。

ジャンルはミステリー・サスペンス・ホラーなどエンタメ系。書籍紹介はAmazonより引用しています。

池井戸潤「空飛ぶタイヤ」

空飛ぶタイヤ 上下合本版 (講談社文庫)

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

実際にあった事故・事件をベースにした、フィクション小説。

事故を起こした運送会社の社長が、窮地に立たされていく苦しみ。そしてそこから巻き返しを図ろうともがく様子に、ついつい感情移入してしまいます。

中小企業・大企業・銀行といった、三者三様の立ち振舞。そしてその内部での倫理・論理の在り方も興味深い。

リコール隠しのメカニズム、それを下請け・一個人が追求するもどかしさが、何ともリアル。

この小説を読んでからリコールのニュースに触れると、裏側の出来事をいろいろ想像してしまいます。

それにしても銀行・金融が絡んだ池井戸潤の小説は、本当に安定のおもしろさです。

紀田順一郎「古本屋探偵の事件簿」

古本屋探偵登場 〈古本屋探偵の事件簿〉 (創元推理文庫)

「本の探偵――何でも見つけます」という奇妙な広告を掲げる神保町の古書店主・須藤康平。半世紀近く誰も見たことがないという稀覯本を手に入れたと豪語するコレクター――果たして入手した本は本物なのか。幻の本を巡る騒動を描く「殺意の収集」、幼少期の愛読書を捜す女、古書店に戦前の本を売りに来る若い男、憑かれたように書物を集める老人の三者を結ぶ線から意外な犯罪が浮かび上がる「書鬼」、須藤が不倶戴天の同業者とオークションで競った花柳文献に隠された驚くべき秘密「無用の人」の全3編を収録する。

東京・神田は神保町の古書店店主が探偵役という、異色のミステリー小説。「古本屋探偵登場」に「殺意の収集」「書鬼」「無用の人」を、「夜の蔵書家」に長編「夜の蔵書家」を収録しています。

あれ?長編小説じゃない!と思われたアナタ。4編のうちの一つ、「夜の蔵書家」は、文庫本一冊ぐらいのボリュームを持つ長編なので、ここでご紹介させていただきました。

他三編も中編なので、「短編集」とは言いにくい小説なのです。

夜の蔵書家: 古本屋探偵の事件簿 (創元推理文庫)

前置きが長くなりましたが、この「古本屋探偵の事件簿」。古書にまつわる事件を描いた、一風変わった作品。

主人公は古書店「書肆(しょし)・蔵書一代」の店主であり、「本の探偵」の顔も持つ、須藤康平。彼のもとには、様々な古書の探求依頼が届きます。

が、そこは特殊な「古書の世界」。稀覯本(≒レア本)の裏には有象無象が潜んでいるわけで、そこにこのミステリーの面白さがあります。

ちょっと毛色の変わった推理小説が読みたい、という方に、是非おすすめしたい一作。

高野和明「ジェノサイド」(上・下)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

イラクで戦うアメリカ人傭兵と日本で薬学を専攻する大学院生。二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。一気読み必至の超弩級エンタメ!

コンゴで誕生した「新種の生命」により、人類が絶滅の危機に陥るかもしれないー。

極秘レポートにより特命を帯びた傭兵チームと、父親の遺志を継いで、とある研究に命をかける日本の大学生。

2つの軸を中心に展開される、SFエンタテイメント小説。

世界の何処かで、得体の知れない何かが動いている。そんなスケールの大きい謀略に心が踊ります。

夜通しドキドキしたい人におすすめですが、若干痛々しい表現もあるので、苦手な方はご注意を。

宮部みゆき「楽園」(上・下)

楽園 上 (文春文庫 み 17-7)

ライター・滋子の許に舞い込んだ奇妙な依頼。その真偽を探るべく16年前の殺人事件を追う滋子の眼前に、驚愕の真実が露になる!

「息子は超能力を有していたのか?」

12歳の息子を失くした女性からの、奇妙な調査依頼。そして16年前の殺人事件に、「模倣犯」の登場人物の一人であるライター・前畑滋子が立ち向かう、というストーリー。

超能力、という一見ミステリーに不向きな(と思われる)題材を、実に見事に料理した小説。

主人公は「模倣犯」事件で消耗している、という設定なので、「模倣犯」を読了してるに越したことはありません。

が、本作で描かれる事件に直接の繋がりはないので、この作品単独でも楽しめると思います(多分。「模倣犯」は文庫で5巻もあるしね…)。

読後感を一言であらわすならば、「再生」かなぁ。

岡嶋二人「クラインの壺」

クラインの壷 (講談社文庫)

ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は……。現実が歪み虚構が交錯する恐怖!

今はコンビ解消されていますが、二人で一人の「岡嶋二人」作品。

20年以上前の小説ですが、ヴァーチャル・リアリティを取り扱ったその内容は、今も色あせていない、と個人的に思います。

何が虚構で何が真実なのか?読者を次第に混乱の渦に巻き込んでいく作者の手腕に、してやられた感が。

この小説で描かれていることは今もって実現されていませんが、もし完成したら本当に起こりそうなところに、ゾッとする。

篠田節子「ハルモニア」

ハルモニア (文春文庫)

脳に障害をもつ由希が奏でる超人的チェロの調べ。指導を頼まれ、施設を訪れた東野はその才能に圧倒される。名演奏を自在に再現してみせる由希に足りないもの、それは「自分の音」だった。彼女の音に魂を吹き込もうとする東野の周りで相次ぐ不可解な事件。「天上の音楽」にすべてを捧げる二人の行着く果ては…。

篠田節子氏お得意の、音楽をテーマにしたサイコ・スリラー小説。

情緒を持たないが、著名音楽家のコピーとして、天才的な演奏をするチェリストの少女。

そして少女に、「自分自身の音楽」を演奏させようと尽力する男。

そんな二人の魂と魂がぶつかりあう、せつなくも儚い物語。

彼女の周りで起こる不可思議な現象も絡めつつ、二人の音楽家の鬼気迫る生き様。圧倒的な迫力があります。

篠田節子氏は他にも、がっつり楽しめるオススメの小説を多数描かれています。

野沢尚「魔笛」

魔笛 (講談社文庫)

白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ!二千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔は実行犯の照屋礼子を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。

新興宗教・爆発物・元公安のスパイ、と、デンジャラスな要素をこれでもかと詰め込んだ、緊迫のサスペンス小説。

事情のある刑事と、テロリストと化した元公安の女の、鬼気迫る戦いに、ページをめくる手が止まりません。これまた少し痛々しい描写があるので、やや注意。

野沢尚氏は2004年に急逝されていますが、氏の新作をもう楽しめないと思うと非常に残念。

マイクル・クライトン「ジュラシック・パーク」(上・下)

ジュラシック・パーク(上)

霧につつまれたコスタリカの孤島で、極秘のうちに建設が進められているアミューズメント・パーク――それが〈ジュラシック・パーク〉、バイオテクノロジーで現代によみがえった恐竜たちがのし歩く、驚異のワンダーランドだ。オープンをひかえ、視察のための顧問団が島に向かって出発した。だがその前途には、人類がいまだかつて経験したことのない恐怖が待ちかまえていた! スピルバーグ大型映画化の夢の恐竜サスペンス。

人気の「ジュラシック・パーク」シリーズ。その元祖となる、原作第一作。

琥珀に閉じ込められた古代の蚊。その血中にあるDNAから、失われた恐竜たちを再現する、という設定がそれらしく、虚構の恐竜世界に抵抗なく誘われます。

小説の方が映画よりも数段おもしろく、読んでない人は損をしている!と思います(個人的意見)。

続編「ロスト・ワールド」もおすすめ。

スティーブン・キング「デッド・ゾーン」(上・下)

デッド・ゾーン 上巻 (新潮文庫 キ 3-6)

ジョン・スミスは人気者の高校教師だった。恋人のセーラとカーニバルの見物に出かけたジョンは、屋台の賭で500ドルも儲けた。なぜか,彼には当りの目が見えたのだ。愛を確認し合ったその夜、ジョンは交通事故に遭い、4年半の昏睡状態に陥った。誰も彼が意識をとり戻すとは思わなかったが、彼は奇跡の回復を遂げた。そして予知能力も身につけた。そして―、彼の悲劇が始まった。

超能力が身についたらいいなぁ…!そんな風に考えたことはありませんか?

いたって普通の高校教師、ジョン・スミスに起こった悲哀を描いたこの物語は、そんなあなたの願望を打ち崩してしまうかもしれません。

図らずしも身についてしまった能力によって、その人生を狂わされてしまった彼を思うと、いつも胸が苦しくなります。

そして思います。彼こそが真のヒーローである、と。クリストファー・ウォーケン主演の映画もおすすめ。

まとめ

以上、がっつり読みたい、おすすめのエンタメ系長編小説でした。

チョイスとしてはやや古めのものが多いのですが、今まで私が読んでおもしろい!と感じた長編小説ばかりです。

また機会がありましたら手にとってご覧ください。

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