漫画「ROUTE END」1~2巻―連続猟奇殺人犯「エンド」を追うサイコ・サスペンス

謎多き連続バラバラ殺人事件に巻き込まれた特殊清掃業の青年と、その犯人「エンド」を追う女性刑事を描いたサイコ・サスペンス、「ROUTE END(ルートエンド)」を読みました。

作者は中川海二(なかがわ・かいじ)さん。単行本は現在2巻まで刊行中。連載は集英社のWebメディア「少年ジャンプ+」です。

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あらすじ

腐敗した遺体によって汚れた住居を復元する「特殊清掃業」に従事する青年・春野。幼いころ自死した母親に対する複雑な思いを胸に、信頼する社長・橘の下で業務に勤しむ。

その春野が住む地域では猟奇的な連続バラバラ殺人事件が発生。女性刑事・五十嵐らは、分割した遺体で「END」の文字を作る謎の犯人「エンド」を追う。

エンドによって行われた4件目の犯行。春野は橘にその現場を清掃するよう指示を受ける。「終わるんだ」と謎の言葉を告げる橘の様子が気になる春野。向かった現場で床板をはがすとそこには白骨遺体が。

警察の捜査により、その現場では8年前にも特殊清掃が行われていたことが判明。そして床を貼り替えていたのは橘だった。しかし以後、橘は行方をくらます―。

「ROUTE END」1~2巻レビュー

これはおもしろい。サスペンス漫画を読むのは久しぶりなのですが、序盤からグッと引き込まれました。

まず主人公の職業が「特殊清掃業」である、という設定が興味深い。社会問題でもある、決して遠い世界の出来事ではない人の死に関わる職業。ニュースでは知ることのできないその業務内容がリアルに描かれます。

春野・五十嵐らキャラクターの造詣もいい。心に傷を抱えながらも、真っ当に生きようとする春野。一方、春野と同じく身内の不幸に傷つきながらも、刑事としての職務に邁進する五十嵐。どのキャラクターも突飛な感じがなく、本当に存在しているような実在感があります。

そんなリアルさの中でひときわ異彩を放つのが、遺体で文字を作る「エンド事件」。犯人・エンドがなぜそのような行為をするのか、というのは2巻現在ではまだ明かされていません。が、その不気味さと犯行に隠された真実、実に気になります。

「ROUTE END」、数話読んでいただければ感じていただけると思うのですが、突拍子もない出来事(エンド事件)に現実感を付加する空気が絶妙なんです。人の死に近い特殊清掃業という独特の設定が、読み手の感覚を普通よりも一歩、非日常の世界に引き込みます。

派手さは決して無く、むしろキャラクターも含めかなり地味目の部類。ですがそれだけにドラマや映画、サスペンス小説を読んでいるような感覚。過剰に物語を盛り上げることなく、むしろ抑えた暗めの雰囲気が、かえって没入感を高めてドキドキします。

フィクションだからということでセンセーショナルな描き方をする作品は多々あります。しかしそれに頼ることなく、春野・五十嵐や周辺にいる人間達の関係をじっくり描き、物語を作り上げている本作。実に良質なサスペンス漫画です。

事件の内容的に若干ショッキングな表現もありますが、そこまで過激ではないので比較的読みやすいのでは(※個人的主観です)。1巻と2巻、それぞれのラストでは事件の核心に関わる展開が描かれ、盛り上がること必至。サスペンス好きにはたまりません。

というわけでサイコ・サスペンス漫画「ROUTE END(ルートエンド)」、タイトル通り春野と五十嵐は犯人「エンド」へと続く道を走るのか、それとも?良い空気感を維持したままラストまで突っ走って欲しい漫画、オススメです。

漫画データ
タイトル:ROUTE END 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)著者:中川海二出版社:集英社発行日:2017-06-02