これまでに読了した漫画作品から、「全10巻以内で完結する面白い漫画」をご紹介。本記事では主に「6巻~10巻以内の完結済み漫画」を掲載しています。
全10巻以内完結の漫画リスト
大砲とスタンプ
速水螺旋人さんの『大砲とスタンプ』全9巻。
ロシア風な架空世界の最前線。「突撃タイプライター」の異名を取る新任少尉・マルチナを中心に、「紙の兵隊」とも揶揄される兵站部の軍人たちをコミカルかつシニカルに描く戦争コメディ。
マルチナと個性的な仲間たちが、知恵と工夫で軍の諸問題を解決していく様が実にユーモラス。しかし「戦争」の中で、マルチナは過酷な現実を突きつけられることも。
そして迎える最終巻は怒涛の展開。果たして紙の兵隊たちは生き残ることができるのか?唯一無二の魅力を持つミリタリー・コメディです。
寄生獣
岩明均さんの『寄生獣』全10巻。
高校生・泉新一は、右手と同化してしまった寄生生物「ミギー」と、奇妙な共同生活を送ることに。しかし人間の頭部と同化、人間を捕食する寄生生物達は、彼らを「敵」とみなして―。
「生物の頂点に立つ人間を捕食する新生物」という設定、そしてそこから「人間」そのものを描き出す、岩明均さんの手腕が光る出世作。
ショッキングな描写とドラマティックなストーリーがインパクトあり。頭部が変形、刃物状になって高速で攻撃を繰り出す、寄生生物の斬新な戦闘シーンは必見。
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ハイパーインフレーション
住吉九さんの『ハイパーインフレーション』全6巻。
神の力により、体から「無限の偽札」を生み出す能力を得た、少数民族の少年。囚われの姉と同胞を救うために奔走するが、その偽札には「通し番号が同じ」という問題が…?
偽札の「欠陥」ゆえに生まれる駆け引きと、アクの強すぎるキャラクターたちが織りなす裏切りのバトル。全6巻に渡って繰り広げられる、ノンストップな戦いが非常に面白い!
手頃にまとまった巻数ながら、密度の高い作品。ややフェティッシュな表現と、まあまあのバイオレンスにも、独特の魅力あり。唯一無二の経済・ファンタジー・バトルです。
新世紀エヴァンゲリオン
貞本義行さんの『新世紀エヴァンゲリオン』愛蔵版・全7巻(オリジナルは全14巻)。
未知の生命体「使徒」と戦う人類の切り札・人造人間エヴァンゲリオンと、それに乗り込む14歳の少年少女たちを描いたSF漫画。序盤はテレビ版ベース、後半は旧劇場版ベースのオリジナルストーリーです。
20~21世紀を代表する作品となった「エヴァンゲリオン」。完結までに足掛け18年を費やした貞本義行版はその一つの完成形。アニメとはひと味違う風味があります。
何より、キャラデザ担当である貞本氏みずからのコミカライズということで、納得のクオリティ。漫画作品としてもシンプルに面白いです。
1518! イチゴーイチハチ!
相田裕さんの『1518! イチゴーイチハチ!』全7巻。
進学系と情報スポーツ系を併せ持つ私立高を舞台に、生徒会の活動を通して成長する15歳から18歳の少年少女たちを描く学園マンガ。
自主性と気概に満ち溢れた生徒たちが、自らの行動によって学生生活を充実させていく様が丁寧に描かれ、驚きと心地よさを感じます。
注目は主人公の一人、新一年生・公志朗の成長。ケガで野球を断念、人生の目標を失くした彼が、ちょっと甘酸っぱい展開も交えながら変化を遂げていく姿に、静かな感動が…。
女子攻兵
松本次郎さんの『女子攻兵』全7巻。
異次元に移住し、独立派と連合軍に別れた人類が、巨大人型兵器「女子攻兵」に搭乗して戦う世界。女子攻兵乗りのタキガワは異常をきたした機体と戦闘中、謎の存在「ツキコ」からメールを受け取り…というSF漫画。
見た目女子高生の巨大ロボット、その頭部には人間が搭乗し、そして凄惨な戦いを繰り広げていく…。そんな狂気と正気が入り混じったその世界で、ツキコ追跡の果てにタキガワが見るものは…?
読んでいるうちに読み手の感覚もおかしくなりそうな、唯一無二の世界観を持つ作品。最終7巻はそれまでの流れをひっくり返す驚愕の展開が。
いちげき
同じく松本次郎さんの『いちげき』全7巻(原作は永井義男さん)。
薩摩藩の仕掛ける御用盗に翻弄される、幕末の江戸市中。事態の収拾を図る勝海舟は、元新選組・島田に命じて農民たちを使った「一撃必殺隊」を組織。刀を与えられた主人公・丑五郎らは、その身体的優位を活かして薩摩藩士たちに戦いを仕掛けていくが…。
身分制度ゆえ虐げられてきたた農民たちは、刀という「力」を持ったことにより憧れの侍に。しかし当の侍たちは、鉄砲の台頭により刀を置かんとする。
そんな時代の狭間で翻弄される丑五郎たち。人を斬った農民は果たして何者になるのか…?「刀を持った農民たち」描く異色の時代劇コミックです。
猫のお寺の知恩さん
オジロマコトさんの『猫のお寺の知恩さん』全9巻。
田舎のお寺に下宿する新高校一年生・源と、年上の従姉妹・知恩(19)さん。犬・猫に囲まれた二人の同居生活(※祖母も同居)と友人たちとの交流が、一年間を通して描かれます。
何と言っても、ヒロイン・知恩さんの造詣が素晴らしい。太眉でちょっとふっくら肉感的。おっとり、少しドジっ娘な部分もありながら、その胸の内にはしっかり芯がある。読んでいるうちに、彼女の何気ない仕種から目が離せなくなってきます。
セリフを多用せず、風景や人物の表情で読者に訴えかける描写方法にも注目。
ファンタジウム
杉本亜未さんの『ファンタジウム』全9巻。
「難読症(ディスレクシア)」の天才少年マジシャン・長見良が、亡き師匠の孫である会社員・北條とともに、マジック・芸能界で活躍していくストーリー。
天才的なマジックを披露する良ですが、障害を理解されないが故に感じる孤独も。その彼が多くの人の心に触れ世界を少しずつ広げていく様が、じわじわと心に染み渡ります。
劇中にふと差し込まれてくる、作者ならではの「人生の本質に関わるメッセージ」も印象的。
プリンセスメゾン
池辺葵さんの『プリンセスメゾン』全6巻。
年収200万円台でマンション購入を目指す女性居酒屋店員・沼ちゃんと、マンションギャラリー社員たちの交流が、「住まいと女性」の群像劇を織り交ぜてドラマティックに描かれます。
若くしていろいろ背負った主人公・沼ちゃんが、「自分だけの家」に抱く思い描くメイン・ストーリー、そして彼女とマンションギャラリーの社員たちの心温まる交流が、ただひたすら素敵。
「おひとりさま」女性の人生観やライフスタイルを、人物の表情や仕種、時に風景を絡めて描く池辺葵さんの手腕も素晴らしい。
恋情デスペラード
アントンシクさんの『恋情デスペラード』全6巻。
西部劇と時代劇を足した感じの架空世界で、流れの女性剣士・紋子が日本一の夫に出会うために旅をする、というアクション・コメディ。
とにかく主人公・紋子のキャラクターが魅力的!イケメンにめっぽう弱いが、実は恋愛方面にはとんと無知。
しかし長ドスを抜けば閃光一閃、襲いかかる有象無象を滅多斬り。ピンチになると、右腕の義手に仕込んだガントレットが容赦なく火を吹く!彼女のアクションシーンと巧みなストーリー運びが程よく絡み合った、愉快な冒険活劇です。
アフター0
岡崎二郎さんのSFオムニバス『アフター0』全10巻。
どこを切っても、どこから読んでも面白い、SF漫画界の金太郎飴的短編集。
豊富な科学知識に裏打ちされたリアルなストーリーと、親しみやすい絵柄で読みやすい、安定のクオリティを持つSFオムニバス作品。
おすすめは5巻収録の「あの世の方程式」。「あの世」が存在しないことを理論的に証明しようとした僧侶、彼が迎えた結末は果たして…?
少女終末旅行
つくみずさんの『少女終末旅行』全6巻。
生物がほぼ死に絶えた終末世界。チトとユーリ、二人の少女が半装軌車・ケッテンクラートに乗って、多層構造都市をひたすら上へ、上へと目指す様子が描かれます。
女の子二人のゆるい旅。しかし静寂な雰囲気や周囲の風景から感じるのは「確実な世界の終わり」。
チトとユーリの掛け合いから生まれるほのかな笑いと、作品全体に漂う張り詰めた冷たい空気が織りなすコントラストが、絶妙なSF感。終末世界の雰囲気をひたすら味わい尽くせ。
スピリットサークル
水上悟志さんの『スピリットサークル』全6巻。
謎の転校生に「あんたには あと7回 死んでもらうわよ」と攻撃される中学生男子。過去世界での二人の足跡をたどりながら、「過去生」の因縁が徐々に紐解かれ、やがて迎える最終決戦―という転生ものSF漫画。
古代エジプト風・江戸時代・別次元の世界など、バリエーション豊かな過去生が面白い。そしてその緻密な積み上げが盛り上げる終盤は見応えあり。水上悟志作品らしい伏線の散りばめ方もお見事。
全6巻という手頃な巻数で満足の読後感がある、SF漫画の秀作です。
聲の形
大今良時さんの『聲の形(こえのかたち)』全7巻。
小学生の時に、聴覚障害のある転校生をいじめた主人公。彼女が転校した後、自身もいじめられる立場に。そして高校生になり再会した二人は…という、障害を物語の中心に据えた異色の漫画。
いじめた人間といじめられた人間は、果たして恋愛関係になるのか?など、なかなかセンシティブな内容をはらんではいるのですが、難しいテーマに真っ向から挑んだ意欲作。
100人読んだら100通りの感想が返ってきそうな内容で、読んだあとに誰かと語り合いたくなる漫画です。
まとめ
以上、「10巻以内でサクッと読める!完結済みの面白い漫画まとめ」の紹介でした。ちょうどよいボリュームで読み応え満点!一気読みでお楽しみください。
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