短編漫画・読切漫画レビュー

短編漫画レビュー『ととせの鴨』鴨鍋の季節に紡がれる大人の恋愛ストーリー

[ページ内に広告が表示されます]

勝田文さんの短編漫画集『小僧の寿し』より、短編『ととせの鴨』の主なあらすじとレビューです。

小僧の寿し (マーガレットコミックスDIGITAL)

製薬会社の営業として働く衿子。仕事も恋愛もそつなくこなしている…つもりだったが、色々と上手くいかず、ついには真冬の池に車ごとスリップ!

そんな彼女に病院で声をかけてきたのは、ダンディーな中年紳士・佐々木。「四半世紀も年上の男とどうこうなるつもりはない」と思いつつも、デートを重ねるうちにその人柄に惹かれていく。

しかしあまりにも不運が続いていたために、衿子の気持ちに邪な心が。ある日のドライブの車中、人の好すぎる佐々木から大金をだまし取ろうとしてしまう。一方、その佐々木にも、衿子に隠していることが…?

どれでも好きな1冊が『70%OFF』!
コミックシーモア新規限定クーポン

あらすじだとなんだか不穏に見えますが、至ってピュアなラブ・ストーリー。食べ物に絡んだ話を収録した短編集の一編ですが、本作では「鴨」が物語のメインに。

すったもんだあって、鴨鍋を囲む二人。そこでお互いの気持ちを語るのですが、やはりわだかまりは簡単には解けない…。

そこで佐々木から「ある提案」が持ちかけられるのですが、それが非常に粋でロマンティック!そして終盤で描かれる「季節が美しく移ろいゆく様」に、思わずうっとり。

勝田文さんらしいコミカルな雰囲気もありながら、恋がしっとりと醸成していく過程が何ともステキな、大人の恋愛ドラマ。そして読後には鴨鍋を食べたくなること請け合い(笑)。

ちなみに「ととせ」とは「十年」の意なのですが、それをイメージしながら読むと、より物語に没入できるでしょう。

小僧の寿し (マーガレットコミックスDIGITAL)

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。