転勤で小さな島に来たスーパー店長。そこでバイトの女子高生から唐突過ぎるお願いが。
「うちの姉と結婚してもらえませんか?」
河野別荘地さんの漫画『ツチノコと潮風』。離島を舞台に、朴訥とした男性が、風変わりな美人姉妹と不思議な交流をする、恋愛メロドラマ。全2巻完結済み。
『ツチノコと潮風』感想・レビュー
あらすじ
人口1万5千人の島に転勤するも、ややおおらか過ぎる島の雰囲気に戸惑う、独身のスーパー店長。
業務中、アルバイトの女子高生・雪下合花から、妙なお願いをされる。
「うちの姉と結婚してもらえませんか?」
いぶかしむ店長だったが、人手不足を盾にされて、姉・月乃と会うことに。
休みの日にしぶしぶ向かった先は、なんと「ツチノコ博物館」。
そこで待っていたのは、親から博物館を引き継いだ、少し風変わりな美人さんだった…。
まったり艶めかしいメロドラマ
…という『ツチノコと潮風』。かくして店長は、妹・合花になかば脅迫されるような形で、姉・月之と引き合わされることに。
と言っても大人でマジメな彼。美人だからといって、特に積極的に動くでもなく。
逆に妹の方が、ふとしたきっかけから店長のことが気になりだしたり。
また月之に片思い中のご近所青年が絡んできたり。
ことさら大げさな恋愛ドラマじゃないけれど、独特のゆるやかな雰囲気が良いメロドラマ感のある、まったりなラブ(?)・ストーリーです。
作者は既刊『渚 〜河野別荘地短編集〜』収録の一編『旬』のような、非常にエロティックな作品も描く漫画家さん。
そのせいか、本作中でもエロじゃないんだけど、妙な色香が醸し出す艶めかしさが印象的。
またシンプルな線で紡がれる、美麗なキャラクターも魅力的で、こういう雰囲気は個人的には大好き。
そんな独特な雰囲気がいい感じな『ツチノコと潮風』でしたが、残念ながら2巻で完結。
全体的に見ると、4人の中心人物たちの絡みが、もうひとつ噛み合わなかったなー、という印象。特に店長と姉のやり取りが少なかったのは、予想外。
まったりした空気感と、魅力のあるキャラクターを、もうちょっと楽しみたかったところです。
『ツチノコと潮風』まとめ
以上、河野別荘地さんの漫画『ツチノコと潮風』の感想・レビューでした。
少し消化不良な感じもありますが、作者ならではの独特な雰囲気が妙にクセになる全2巻。次回作にも期待。
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