諸星大二郎の新作が読める幸せ「BOX~箱の中に何かいる~」1巻

私が敬愛してやまない諸星大二郎先生の新作漫画「BOX~箱の中に何かいる~」の第一巻が発売になりました!

…すみません。書店に並んでいるのをたまたま見かけて「BOX」のことを知りました…。にわかファンにもほどがありますね。

差出人不明の小包で届いた箱根細工。それを手にした日から、少年の日常を“謎”が侵蝕しはじめる……幻想漫画の第一人者が挑む状況限定ホラー!!

この作品は「月刊モーニング・ツー」に1年前から連載されている作品。現在発売中の「月刊モーニング・ツー 2017年1月号」では「BOX」が巻頭カラー、迷宮の「第一ステージ」が終幕したそうです。

細かいことは良くわかりませんが、諸星先生の新作ということで読まずにはいられない。早速第一巻を購入しました。

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あらすじ

高校生・角多光二のもとへある日送られてきた箱根細工(パズルのような箱)。それを解いたときから彼の周囲に不思議な現象が起こる。

謎の女性・キョウコ、光二同様パズルを持つ枡田との出会い。そして公園に突如あらわれた「箱」に集う、性別も年齢も異なる8人の男女。

いずれもパズルを持つ彼らは導かれるように「箱」の入り口から中へ。暗闇からあらわれた少女は言う。「出口を開ける方法はひとつだけ」それはパズルをすべて解くこと。はたして彼らは迷宮から脱出できるのか?

感想

最近限定された状況でサバイバルしたり、脱出する系の漫画がですよね。短期集中型の連載に向いているんでしょうか。

この「BOX~箱の中に何かいる~」は「状況限定(ソリッド・シチュエーション)ホラー」。まさか諸星大二郎先生の作品でそのような漫画を読むことになるとは。

私は諸星先生の「妖怪ハンター」シリーズやその他のSF・ホラー短編が大好きなのですが、その作風と脱出系のストーリーがマッチしないわけがありません。

さっそく1巻を読んだ感想は…期待以上におもしろかった!

「人々が限定空間に入るまで」の丁寧な描写。「パズルを解かないと脱出できない」という限定状況のルール。暗い「箱」の描写と独特の線で紡ぎ出される諸星キャラクター。読めば読むほど自身が「箱」に囚われたかのような錯覚が湧き、物語に深みにはまっていきます。

そしてこの「BOX」を面白くしている要素が二つ。

一つは諸星大二郎氏自作の「パズル」。ストーリー中や扉絵、話の終わりに時々パズルが提示されるのですが、それらは諸星氏が毎回うなりながら自作!しているそうです(本書P184より)。この手作りパズルが実にユニーク。特に第6話の扉絵は見れば見るほど味があります。

もう一つは謎の女性・キョウコの存在。実は彼女は主人公・光二たちのような招待者ではなく、自分の意思で「箱」に入った変わり種。何か秘密を知っているようで独自に動き回り、箱のナビゲーターである少女(魔少女)とも何か因縁があるようで…?

詳しくは「BOX」1巻の巻末「キョウコのこと」に彼女、そして魔少女との関わりについて諸星先生ご本人より解説があります。

筋金入りの諸星大二郎ファンの方ならば読む前にピン!と来ていたかもしれませんね。私はその「因縁」はまだ未読なので、機会があればそちらも読んでみるつもり。

まとめ

以上、諸星大二郎氏の新作「BOX~箱の中に何かいる~」1巻の感想でした。モーニング・ツー公式サイトで第一話が試し読みできるので、まずはそちらをどうぞ。

差出人不明の小包で届いた箱根細工。それを手にした日から、少年の日常を“謎”が侵蝕しはじめる……幻想漫画の第一人者が挑む状況限定ホラー!!

それにしても「妖怪ハンター」でも「西遊妖猿伝」でも「栞と紙魚子」でも読み切り短編でもなく、諸星氏の完全新作の長編が読めるこの幸せといったら。贅沢にも程があります。二巻が待ち遠しい!

漫画データ
タイトル:BOX~箱の中に何かいる~(1) (モーニングコミックス)著者:諸星大二郎出版社:講談社発行日:2016-11-22

なお「BOX~箱の中に何かいる~」と同時に諸星氏の既刊「私家版魚類図譜」と「私家版鳥類図譜」の新装版も発売されていますので、こちらもチェックどうぞ。