漫画「ダーウィンクラブ」―格差社会の闇に切り込むクライム・サスペンス

過剰な経済格差を是正せよ!トップと末端社員の給与格差が大きい企業に向けられた、過激なテロ。

事件を捜査する刑事はその過程で、かつて父親を殺した男を発見するー。

朱戸アオさんの漫画「ダーウィンクラブ」。世界的な経済問題を題材とした、社会派のクライム・サスペンスが描かれます。

連載は講談社モーニング誌。2021年10月現在、1巻が刊行中。

「ダーウィンクラブ」感想・レビュー

あらすじ

「世界で裕福な1%の人間が持つ富の合計は、その他約70億人が持つ富の合計の2倍以上」

日々経済格差が広がる世界で、『CEOと一般従業員の年収格差が1000倍以上』に当てはまる世界的企業100社に向けて、「3年以内に差を200倍未満にしろ。さもなくば消滅させる」と謎の脅迫が。

それから3年。警告を受けながら無視を続けていた企業に対し、過激なテロが実行。手始めに標的となったのは、フロリダにある民間による有人宇宙飛行の発射場と、連動する東京のイベント会場。

その中継を見ていた刑事・大良(たいら)は、映像の中にかつて父親を殺した男がいることに気づくー

ダーウィンクラブ - 朱戸アオ / 【第1話】 犬も歩けば棒に当たる | コミックDAYS
貧富の差、人種の差、宗教の差。新自由経済が進み格差が広がる社会。そんな世界で次々狙われるGAFA的企業。世界を動かす企業を襲う「組織」。「組織」が次に狙うのは…。そして、その「組織」に父親を殺された主人公は、彼らを追い詰められるのか!?

感想

GAFAに代表される超巨大企業の経営陣たちが手にする、一般庶民からは現実味のない高額、というには桁違いな報酬。一方、末端の従業員たちは充分な給与を得ているとは言えず、その差はひらくばかり。

漫画「ダーウィンクラブ」は、そんな社会的な経済格差を発端としたテロ事件と、それを追う刑事の姿を描く、本格的な社会派サスペンス。

「インハンド」「リウーを待ちながら」など、本格的な医療系のサスペンス・ミステリーに定評のある作者・朱戸アオさんの新機軸です。

主人公の石井大良はちょっと間が抜けているけど、「一度見た顔と名前は忘れない」という特技を持つ刑事。その彼には幼少時、謎の二人組に自転車屋を営む父親を殺された、という凄惨な過去が。

その時に目撃・記憶した犯人の顔を、テロ事件で発見。その正体を追いはじめるのですが、末端のいち刑事である彼は、捜査本部の中心には入り込めない。

そこを「特技」を活かして上手く立ち回り、独自に調査を進めていく、その過程がなかなか面白い。また「ただの自転車屋であった父」が、「のちに国際的なテロ事件に関わる男」に殺されたのは何故か?という謎も多いに気になるところ。

一方、大良の父を殺害し、テロの中心にいる人物・佐藤(仮名)。物語冒頭で「ヒトの進化の停滞」を憂いた彼。その背後には、「ダーウィン」に関わりのある組織の存在があるようですが、その全容はまだまだ不明。

劇中で描かれるであろう、経済格差に反発する佐藤たちの理念・行動は、どのように世界を動かしていくのか?が大きな見どころになりそうです。

まとめ

以上、朱戸アオさんの漫画「ダーウィンクラブ」の感想・レビューでした。物語はまだまだ序盤ですが、「誰が味方で誰が敵かわからない」という様相を見せる展開で、徐々に盛り上がってくるサスペンス感が良い感じ。

また今後の巻で、「主人公の特殊能力」と「犯人の思想」、そして経済格差という社会問題がどのように絡み合っていくのか?に期待が高まります。リアルな物語を描く作者が、どのようなクライム・サスペンスを紡ぎあげていくのか、楽しみです。

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