漫画『平和の国の島崎へ』感想―故郷へ帰還した戦闘員の日常描くサスペンス・アクション

幼少期にテロ組織に拉致、戦闘員として育て上げられた日本人が、30年ぶりに故郷へ帰国。平穏な生活を望むが、そこには様々な障害が…?

原作:濱田轟天さん・漫画:瀬下猛さんの『平和の国の島崎へ』。壮絶な人生を送りながらも「平和の国」で前向きに生きていく男を、アクションを混じえながら描き出すサスペンス・ドラマです。

平和の国の島崎へ(1) (モーニングコミックス)

連載は講談社の漫画雑誌「モーニング」。2022年12月現在、単行本1巻が刊行中。

『平和の国の島崎へ』感想・レビュー

あらすじ

国際社会と国際テロ組織LEL(経済解放同盟)との経済格差戦争が、半世紀に及ぶ世界。その片隅で、漫画家アシスタントなどのバイトをこなしながら、平穏に暮らすアラフォー男性・島崎真悟

実は30年前のハイジャック事件で、LELに拉致された乗客の生き残りである島崎。徹底的な洗脳・訓練を受け戦闘員となり、国際社会への破壊工作に携わってきたが、現在は日本に帰国、同じ境遇の仲間と施設に身を寄せていた。

しかし驚異的な戦闘能力を持つ彼、何気ない生活を送っているつもりが、図らずも反社会勢力に目をつけられることに。さらにLELの刺客が迫り、その日常に危険が―?

故郷へ帰還したソルジャー

『平和の国の島崎へ』の主人公は、9歳の時にLELに拉致されて以来30年、過酷な戦闘に従事してきた島崎。大規模な作戦のあと組織を脱出し、日本へ帰国。公安の監視のもと、一般市民として暮らすことに。

黒縁メガネに七三分け、一見したところごくごく地味で目立たない、無表情なアラフォー男性ですが、よくよく見ると顔から体から傷だらけ。筋肉質な体と時折見せる人間離れした動きが、叩き上げのソルジャーであることを窺わせます。

その彼の特技は、絵を描くこと。それを活かして漫画家の手伝いをしたり、故郷でありながら異国的でもある日本に馴染もうと努力する。外見と内面の大きすぎるギャップが、何ともユニークなキャラクターです。

平穏な日常を望む心の奥には…

そんな島崎の目標はただひとつ、「平穏な日常を送ること」。同じような境遇にある仲間たちと共同生活を送りながら、「平和な国の日常」に溶け込もうとする彼。

やや日本語が不得手ながらも、漫画家先生に得意な絵を褒められたり、ガンアクションのモデルで役立ったり(本職だから)して、ささやかな充足が積み重なっていく。その瞬間に見せる、はにかんだ表情が何ともキュート!

しかしその胸の中には時折、過酷な戦場の記憶がフラッシュバック。「あのばしょのことを忘れるためにも ここでいばしょをふやさなきゃ」無表情な顔の下には、闇を抱え傷ついた心が…。

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島崎が戦場へ戻るまで

しかしとある日、漫画家に起こったトラブルを、持ち前の戦闘能力を使って解決したことから、街を仕切るヤクザたちに目をつけられることに。さらに「脱出者」を狙うLFLの暗殺部隊も、島崎らの周辺に出没。物語が一気にきな臭く!

平和の国の島崎へ(1) (モーニングコミックス)

戦いを離れ平穏に生きたいだけなのに、呪われた経歴がそれを許さない。果たして島崎は「普通の日本人」として暮らすことができるのか…?というのが大きな見どころ。

ですが実は、島崎が戦場に戻ることは既定路線。なぜなら物語の随所で、「島崎が戦場に復帰するまで〇〇○日」というナレーションが入るから。その期間、およそ一年

さて、如何にして島崎は戦場へ戻るのか?そしてそこに至るまでに、どんなドラマが起こるのか?「平和の国」でかりそめの日常を過ごす、異色過ぎるソルジャーの運命が気になる漫画です。

『平和の国の島崎へ』まとめ

以上、原作:濱田轟天さん・漫画:瀬下猛さんの漫画『平和の国の島崎へ』の感想・レビューでした。

地味な外見からは想像できない、壮絶な半生を歩んできた主人公・島崎。そのユニークなキャラクターと、シリアスなドラマが魅力のサスペンス・アクション。2巻では彼の周辺にさらなる「悪意」が迫るようで、緊迫した展開に期待が高まります。

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