「いそあそび」1巻―少しめんどくさい金髪少女の、海辺の自給自足生活

最近流行りの?自然系コメディ。佐藤宏海さん描く漫画「いそあそび」1巻を読みました。

海辺の田舎町を舞台に、没落した社長令嬢地元中学生男子の心温まる、もとい、ちょっとズレた交流が描かれます。

いそあそび / 佐藤宏海
「good! アフタヌーン」に掲載した読み切りが大反響で連載化! 自給自足系ニューヒロイン登場☆ 何も娯楽のない海辺の町で中学2年生の六郎が出会ったのは、訳あって自給自足&一人暮らし中の元お嬢様・セト。 同級生よりちょっとだけ磯に詳しい六郎は、セトのサバイバル生活のアドバイザー(?)として、共に獲物を探して海...

プロローグと第一話が、講談社モアイのサイトにて試し読みできます。

スポンサーリンク

「いそあそび」1巻レビュー

めんどくさい性格の金髪少女

海と山に挟まれたわずかな土地に、集落が点在している星海町。そんな海辺の田舎町に住む中学二年生・浦島六郎は、ある5月の日、海辺で倒れている水着の金髪少女を発見する。


[佐藤宏海 著 講談社「いそあそび」1巻より引用]

その少女・村上セトは、瀬戸内海沿岸の大企業・村上鉱業の元・社長令嬢。失脚した父の命により一人、一軒家に住む。が、周囲に店もなく人も通らず、浜辺でサザエを採ろうとするも失敗して生存の危機真っ最中

見かねて食材や衣服の提供を申し出る六郎だが、「返すあてのない借りは作らない」と拒否するセト。実は彼女、プライドが高くてちょっとめんどくさい人だった!そこで六郎は、潮だまりで簡単にできる貝採りを提案するが…。

海辺の交流

…という物語の出だし。このあと「ニナ貝」を大量に採り、セトの家(別荘)でそれを塩ゆでにして二人で腹を満たします。

一見仲良くなったような雰囲気が生まれつつも、そこは借りを作らない性格のセト。六郎の生活に対する助言を、拒否(めんどくさい)。

そんな彼女に対し六郎は、「海のおいしい食べ物を一緒に食べよう!」と、あくまでも一方的な施しではなく、「共同作業」を匂わせてセトを説得。


[佐藤宏海 著 講談社「いそあそび」1巻より引用]

以降、六郎の幼馴染・珠子(六郎のことが好き?)も交え、海辺の少年少女たちの純朴な交流が描かれます。

孤高の少女・セト

この漫画の何よりの魅力は、何と言っても元・社長の娘、セトの存在。劇中で「金髪」と表現されているので、ハーフ?髪型の一部なんでしょうか、頭の「ツノ」がチャームポイント。

このセトがツンデレ、と言うか、「むずかしい」性格でおもしろい(笑)。お金には困っていないんだけど、食料品を手に入れるのが困難な環境。しかし借りを作りたくないという一心で、素直に六郎には頼りません。

そのため常にひもじい思いをしているのですが、それだけに海の幸を食べた時の表情が輝きを放ち、目を奪われます。プロローグでようやくニナ貝を口にした時、「おいひい…!」と、何とも言えない喜びの表情を見せるセト。これは六郎でなくともドキドキする!


[佐藤宏海 著 講談社「いそあそび」1巻より引用]

決してお高く止まっているわけではなく、根は純朴な彼女。嫌味の無いところに好感が持てるヒロインです。

既視感のある田舎の風景

「いそあそび」で主に描かれるのは、海辺の風景。最近の漫画で海辺を描いた漫画と言えば、小坂泰之さんの「放課後ていぼう日誌」を思い出します。

しかしあちらの海辺はキラキラ輝いているのに、「いそあそび」にはやや寂れた田舎町の雰囲気が。この違いは何だ…?

これは作者・佐藤宏海さんの原体験にあるのでは、と想像。あとがきによると、佐藤氏は「漫画のネタになるレベルの田舎」で暮らしていたとのこと。

なるほど、「いそあそび」の各シーンを見ていると、ものすごく「かつてどこかで見た日本の海辺らしさ」を感じます。ちょっと寂しさもあるんだけど、なんだか懐かしい風景。おそらく佐藤氏が成長と共にみた景色が、リアルに漫画に反映されているのでしょう。読んでいるとホッとするような、良い雰囲気があります。

まとめ

というわけで「いそあそび」、少年と少女のちょっと変わった出会いが丁寧に描かれる第1巻。読み終わると奇妙な心地よさを感じました

後半では、六郎や珠子の中学に通いはじめるセト(実は同級生)。「田舎に来たお嬢様」はどんな学校生活を送るのか、そして村上家は復興できるのか?が気になるところ。次巻予告によると、星海町も季節は夏になるよう。爽やかな海辺の風景に期待です。

漫画データ
いそあそび(1) (アフタヌーンコミックス)著者:佐藤宏海出版社:講談社発行日:2018-04-06

コメント