漫画『バビル2世』―「3つのしもべ」を従え悪と戦う少年の超能力バトル

古代に生きた宇宙人の遺産を受け継ぎ、悪の首領と超能力バトルを繰り広げる少年描く漫画『バビル2世』。『鉄人28号』『三国志』などと並ぶ、横山光輝さんの代表的作品です。

連載は秋田書店少年チャンピオンで、全12巻完結(続編あり)。1970年代の作品ということでレトロ感もありますが、横山光輝さんの洗練された描画には、今見ても充分な魅力を感じます。

『バビル2世』感想・レビュー

あらすじ

ある日、自分を迎えにきた巨大な怪鳥に導かれ、砂漠の中で人工嵐に守られた「バベルの塔」に足を踏み入れた少年・山野浩一

そこで自分が5千年前に地球に不時着した宇宙人・バビルの遠い子孫であること、その超能力を色濃く受け継いでいることを知る。

高度なコンピューターに守られた塔と「3つのしもべ」を駆使する「バビル2世」として生きることを決意した浩一。その後コンピューターの指示で、ヒマラヤに住む「ヨミ」という人物を尋ねる。

同じく超能力を持ち、組織的に世界征服を企むヨミに「手を組もう」と誘われるが、判断を保留しその場を去る浩一=バビル2世。

しかしその時に、互いが「最強の敵」となることを悟った二人。以降バビル2世は3つのしもべと共に、ヨミの野望を打ち砕くための戦いを繰り広げていく―。

バビル2世VSヨミの超能力バトル

かくしてライバルとなったバビル2世とヨミ。全12巻で超能力を駆使した激しい戦いを繰り広げていくのですが、この「超能力バトル」が『バビル2世』ならではのユニークなもの

バビル2世はテレキネシスやテレパシー、透視能力といった各種超能力のほかに、驚異的な跳躍力や回復力など「超人的な身体能力」を持ち、また「エネルギー衝撃波」を最大の武器とします

一方のヨミも、ほぼ同じ能力を持つ超人。その二人が武器を使わずに行う「肉弾戦」とも言えるバトルが、『バビル2世』ならではの面白さ。

「ヨミの部下やロボット兵器 VS バビル2世」といった戦いも描かれますが、それらは全て「バビル2世 VS ヨミ」の前座です。

なおバビル2世とヨミがほぼ同じ能力を持つのには「ある理由」が。また「バビル2世が一つだけヨミより優れているもの」が、バトルの行方を左右する大きなキーとなっています。

「3つのしもべ」の秘密

さらに『バビル2世』の物語を魅力的なものにするのが、宇宙人バビルが後継者のために残した「3つのしもべ」

  • 普段は黒ヒョウの姿をしている不定形生命体・ロデム
  • 口から超音波を放ち、空中では圧倒的な強さを誇る巨大怪鳥・ロプロス
  • 頑丈なボディとパワーを持ち、陸・海での活動を得意とする巨大ロボット・ポセイドン

現代兵器では太刀打ちできない強大な力を持つそれらが、バビル2世の命令でヨミの軍団を蹴散らす姿に、ヒーロー物ならではの大きなカタルシスを感じます。かつての少年たちがこの「3つのしもべ」に憧れたであろうことは、想像に難くありません(笑)。

しかしそんな「3つのしもべ」、実は最大の敵であるヨミの命令にも従うことが!そこには「ある秘密」が…?

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バビル2世とヨミの意外な関係

なぜヨミが「3つのしもべ」を動かすことができるのか?それはヨミも宇宙人バビルの血を引く人間で、バビル2世とは遠い祖先で繋がっていたから、というのがその理由。

山野浩一がバビル2世となる以前に、バベルの塔で遺産を受け継ぐための審査を受けたこともあるヨミ。しかし資質不足とコンピューターに判断されて、バビル2世となることが叶わなかった、という過去が(その時の記憶は消去されている)。

しかし戦ううちにそのことを思い出したヨミは、「3つのしもべ」に命令を出して逆にバビル2世を追い詰めていく。そんな逆境の中で、果たしてバビル2世はヨミを倒せるのか?というのが物語の大きな見どころです。

ですが実はヨミが「バビル2世」となっていた可能性があったり、また宇宙人バビル自身も「塔の全てを使って地球を征服するも良し、地球人のために使うも良し」と浩一へのメッセージで語っていたり。

冷静に考えると、非常に危ういバランスで「正義」が成り立っているのも、この『バビル2世』の面白いポイント。

そこに横山光輝さんのメッセージを仄かに感じたりもするのですが、この辺は衝撃のラストを迎える氏の別作品『マーズなどと読み比べてみると、趣深いものがあります。

『バビル2世』まとめ

以上、横山光輝さんの漫画『バビル2世』の感想・レビューでした。レトロ感もありながら、その洗練された描画から新鮮な感覚もあるヒーロー漫画。読み始めるとバビル2世とヨミの迫力ある戦いに釘付けになってしまいます。

なお『バビル2世』では「バビル2世 VS ヨミ」の戦いが徹底して描かれますが、バビル2世が「101(ワンゼロワン)」と名を変えて超能力者たちと戦う『その名は101』という続編も存在しています。

『バビル2世』とは一味違う山野浩一の活躍を楽しめる一作、『バビル2世』を読んだらそちらもチェックしてみてください。→『その名は101』の感想はこちら

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