「スキップとローファー」―地方出身女子の真っ直ぐハイスクール・ライフ

バラ色の未来を描いて東京の高校へ進学した、地方出身の女子高生。入学初日に素敵な男子と出会い、そして◯◯を吐く。彼女のスクールライフに待ち受けるものは果たして?

ちょっと個性的な女子高生のはつらつ学園ライフを描く「スキップとローファー」。2021年4月現在、5巻まで刊行中。作者は全1巻SF漫画「カナリアたちの舟」の高松美咲さんです。

この記事は読むのに4分もかかりません。

「スキップとローファー」感想

あらすじ

石川県のはしっこ、駅すらない田舎町から、東京の高校に進学する岩倉美津未(いわくら・みつみ)。大学法学部を首席で卒業、総務省キャリアになって定年後は地元で市長、死後は海に散骨…という完璧な人生設計を描く15歳。

実際に成績優秀で高校にも首席で入学し、新入生代表を務める美津未。「私はこの高校生活 ただの一度だって失敗しない」と自信満々で入学式に向かうも、初めての電車通学で迷ってしまい、遅刻の危機。

そんな彼女に声をかけたのは、同じ高校の制服を着たイケメン男子・志摩聡介。その手助けもあり、なんとか駅に着いた美津未。入学式に間に合うよう、ローファーを脱いで裸足で駆け出してゆく―。

入学式で◯◯

以上が「スキップとローファー」第一話の前半。この後、新入生代表として入学式で挨拶をする美津未ですが、無事役目を終えたあとにもろもろの悪条件が重なって、胃の中身をリバース(笑)。

一躍「吐いた人」として周囲に認識され、理想の高校デビューにいきなりつまずきます。

しかしクラス注目のさわやかイケメン・志摩くんに屈託なく話しかけられたことにより、周囲の空気が一変。また違う意味で耳目を集めることに

「スキップとローファー」では以後、美津未と志摩くんを中心に、多感な時期の少年少女の人間関係と成長が、ゆるやかな笑いを混じえながら描かれていきます。

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人間関係に苦戦

同級生が一桁数の小さい中学出身ながら、東京の進学校に首席入学できる成績。将来のビジョンも(彼女なりに)しっかりと持っている美津未。志し高く高校生活に臨みます。

が、理想のイメージとは異なり初日から失敗続き。周囲との距離の取り方ももう一つピンとこない彼女。彼女の持つ全能感と周囲とのズレが、共感性羞恥をビンビン刺激します(笑)。自分にもこんな痛々しい時期がなんかあったなぁ…なんて思い至る人も多いのでは。

中学時代にはなかった人間関係の難しさを感じ、同級生の何気ない一言に「勘ぐるような気持ち」が芽生えたりもする美津未。しかし田舎の旧友の助言や持ち前の前向きな心、そして志摩くんら同級生の温かい眼差しを受け、まっすぐな自分の心を取り戻していきます。

一人、異郷の地で静かに奮闘しながら、徐々に人間関係を広げていく彼女の姿に、「ガンバレ!」と思わずにはいられません。

15歳の交流と変化

新生活で築く新たな関係。そこに希望や不安を持っているのは美津未だけではなく、クラスメートも同様

意中の志摩くんと親しくする美津未を見て、打算的に友人になるミカ。クールビューティながら気遣いの心を持つ結月。地味な見た目を気にして人付き合いが苦手な久留米さんなど、十人十色な性格を持つ同級生たち。

思春期ならではの素直さと打算が相まった、青春群像劇的なドラマが展開されるのですが、そこに田舎育ちでスレてない美津未が関わっていくのが「スキップとローファー」ならではの風味。

彼女が不器用ながらも素朴な心を見せていくことで、同級生たちに少しずつ変化が起こり、そして誰かが誰かに少しずつ良い影響を与えていくような、そんな15歳の少年少女たちの関係性に、不思議な心地よさを感じます。

志摩くんの気になる過去

一方で気になるのは、ふんわりイケメン・志摩くんの存在。飄々と立ち回り、外見だけではない繊細な心遣いから、クラスメートたちの心を掴んでいく彼。

そんな志摩くんには、触れられたくない過去があるよう。美津未は彼を「優しいけど、どこかさみしい感じのある不思議な人」と評しますが、その過去が起因となって彼に寂しげな影を落としているのか…?

実はテレビにも出るような子役だった志摩くん。しかし子役仲間の美少女が絡んだトラブルにより、人間関係に非常に慎重、引き気味な姿勢を見せます。

そんな彼が、美津未や同級生たちと同じ時を過ごしていくことで、少しずつ内面を解きほぐされていく。美津未の成長と共に描かれるその過程が、ものすごく!心に染みます。そんな彼が5巻で見せる変化には、ちょっとした感動が。

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まとめ

以上、高松美咲さんの漫画「スキップとローファー」感想でした。やや特徴的な地方出身女子高生と友人たちとの交流が丁寧に描かれ、さわやかな読後感を残す青春漫画です。

美津未と志摩くん、そして仲間たちが過ごす、「高校生」というかけがえの無い時間。読み始めるといつの間にかそこにどっぷりと浸かってしまうような、不思議なトリップ感を味あわせてくれます。

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