「最果てのソルテ」―既視感あるのに新しい!「2周目」ファンタジー

両親を亡くし、育ての親に奴隷として売られた少女は、運命に抗い世界の果てを目指す。しかしその旅には不思議な秘密が―?

水上悟志さんの「最果てのソルテ」。2021年1月に第1巻が刊行。令和期待の冒険ファンタジー漫画です。

最果てのソルテ - 水上悟志 / 第1話「魔法汚染」 | MAGCOMI
かつてあった大きな戦争の結果、「魔法汚染」に蝕まれた世界。その世界の秘密を探り、「何でも知ってる大人」になりたいと願った”幸運なソルテ”の冒険の旅が始まる…!

↑連載されているWEBメディア「MAGCOMI(マグコミ)」にて第一話が無料で読めます。

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「最果てのソルテ」感想

あらすじ

過去の大戦により「魔法汚染」が残る世界。研究者であった両親を亡くし、村長に育てられた少女・ソルテはある日、時間と空間の歪んだ洞窟から瀕死の状態であらわれたサルベイジャー・サリエラに出会う。

かつて村長に奴隷として売られた彼女の言葉から、自身の運命を悟るソルテ。サリエラから魔界の霊宝を託された後、「果ての果てまで行ってやる!!」と決意。サルベイジャーに売られるために、奴隷の道を受け入れる。

先客の剣士・フィロとともに奴隷商の馬車に乗り込むソルテ。その道中、魔法汚染地帯に踏み込んでしまった馬車は、巨大なモンスターに襲われる。絶対絶命のピンチ!その時サリエラの霊宝から謎の妖精があらわれ…?

最果てのソルテ 1巻 (ブレイドコミックス)水上悟志:マッグガーデン

王道ファンタジー…からのビックリ展開

魔法、孤児、奴隷、霊宝、魔界…と、よくある要素を詰め込んだファンタジー・ストーリー「最果てのソルテ」。が、「よくある」で終わらないのが、水上悟志さんのスゴイところ。第一話の終盤でビックリ展開が

巨大なカボチャ状のモンスターに襲われたソルテたち。それを救うのはサリエラのペンダントから飛び出た妖精・セレン…なのですが、そこからの展開が面白すぎる!

「ソルテ!!また会えたな!!」と謎のセリフを吐くセレンはソルテに魔法を授けるのですが、その力でなんとソルテは「魔法少女」に。さらに「妖精合体!!魔法相転移魔女化!!」叫ぶセレンはソルテの頭部に入り彼女を操縦。もう訳がわからん(笑)。

かくして「妖精が操縦する○ジンガーZ風魔法少女」となったソルテ。魔法汚染地帯を不死の剣士フィロと共に抜け出し、叔父・ブラックを探しに新たな街へ…と物語が展開していきます。

実は「2周目」な冒険

そんな風変わりな魔法ファンタジー「最果てのソルテ」。が、風変わりなのはそれだけじゃない。第一話のラストでセレンは叫びます。

「さあ2周目だ!!サクサク行くぞ!!」

なんとこのソルテたちの冒険が「2周目」。ソルテ、セレン、フィロ、ブラックの4人が共に旅をしたことは判明しており、またセレンに拠れば「魔界の奥地でトラップに引っかかり時間を巻き戻された」のが2周目の原因とのこと。

早くその地点まで戻りたいセレンと、彼女の助言で危険を避けて魔界を目指すソルテたち。しかしそのせいか、1周目との「ズレ」が生じ予想外の展開が…?

既視感があるのに、新しい

というわけで、魔法汚染、両親の死、最果ての地、不死の剣士、そして「魔法相転移!魔女化!」(笑)という数々の要素が詰め込まれた「最果てのソルテ」。

それぞれの要素は既存の漫画でも見かけるものですが、それらをこれでもか!とぶっこんで混ぜ込んで「見たことのない世界」を作り上げる、水上悟志さんの創造のパワーが読み手にモロにぶつかってきます。

「惑星のさみだれ」「スピリット・サークル」といった評価の高い長編漫画や、短編集「放浪世界」、全1巻完結のストーリー漫画「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」など魅力的な物語を生み出してきた作者。その経験から生み出されていく「どこか既視感があるのに、新しい冒険」がめちゃくちゃ面白い!続きが気になる物語です。

「最果てのソルテ」まとめ

以上、水上悟志さんの漫画「最果てのソルテ」感想でした。ファンタジー漫画というジャンル、ややマンネリ化したような印象もありますが、逆に既存のアイデアや他ジャンルからのネタを引っ張り込んで再構築したような物語。実にインパクトがあります。

ある意味パロディ的ではあるのですが、それをわかって作り、かつ新しいものに仕上げていくのは、ベテラン作家の面目躍如といったところ。近年のテンプレ的なファンタジー漫画とは一線を画す魅力的な物語。ソルテたちのこれからの冒険が楽しみです。

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