懐かしのSF・ファンタジー漫画「神星記ヴァグランツ」。現在は絶賛絶版中ですが、「かつてこういう漫画もあった」という記録のために。
ストーリーはヴォクソール・プロ、作画は後に「サイレント・メビウス」を描く麻宮騎亜(あさみや・きあ)氏。
当時は知りませんでしたが、麻宮騎亜さんのデビュー作だそうです。コミック雑誌ではなく、メディアミックス誌「コンプティーク」での連載。かれこれ30年前の作品ですね…。
「神星記ヴァグランツ」感想・レビュー
概要
1巻=第1部、2巻=第2部という構成の「神星記ヴァグランツ」。主人公は21世紀に生きる主人公・ライ(14歳)。謎の女性・テレス(17歳)の逃避行に巻き込まれた彼が、異世界へ「シフト」してしまう、というところから物語が始まります。
第1巻ではテレスとはぐれてしまい、剣と魔法の支配するファンタジー世界に飛ばされたライ。元の世界へ戻る手段を探しつつ、邪悪な霊との戦いに臨みます。
第2巻では一転、テレスも再登場してSF中心に。ヴァグランツの謎、そしてテレスが探す「賢者の道」に迫る、というストーリー。
第3部も描かれる予定だったようですが、第2巻の刊行で連載は終了しているようです。
なお「ヴァグランツ」は異なる世界・時間軸を「シフト」によって移動できる人々の総称。テレスはそのヴァグランツの一人である、という設定です。
やはり難解なストーリー
数十年ぶりに再読しました。「サイレントメビウス」が大人気だった麻宮氏の作品をもっと読みたい!と思って手に取った記憶があります。
難解なストーリー、特に詳しい説明の無い世界、細かく転換する舞台。当時は良くわからない部分も多々ありましたが、今だったらもっと理解できるはず!
…やっぱりわかりませんでした(笑)。
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SF・ファンタジーの魅力
でもこの「神星記ヴァグランツ」、なんか不思議な魅力があるんですよね。細かい部分はともかく、ノリで読んでおけば楽しめる、というか。雰囲気大事。
剣と精霊の世界でモンスターと戦ったと思ったら、文明の滅びた世界へ。さらに月面でAIを搭載した機動兵器に搭乗して、「神」とバトルする。オタク少年が食いつく要素がてんこ盛りで、まさに時代の先駆け的な作品です。
また今あらためて見ると、麻宮騎亜さんの作画の変遷も見れて興味深いですね。サイレントメビウスの前に描かれた漫画ですが、作画がだんだんサイレントメビウスのそれに近づいていく感じ。特に第二部のSF描写は迫力があってカッコイイ!
まとめ
というわけで懐かしの漫画「神星記ヴァグランツ」。今見ても古くない…というのは少し言い過ぎかもしれませんが、漫画・アニメ文化を形成してきた作品のひとつです。また機会があればご覧ください。
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