漫画「僕が死ぬだけの百物語」―意味深タイトルが怖い!ホラー・オムニバス

部屋で百物語を語り続ける少年。百話を終えた時、その身に待ち受けるものは―?

意味深なタイトルの「僕が死ぬだけの百物語」。オカルト・怪奇・都市伝説風の怖い話を少年が語る、という形式の新感覚のホラー漫画です。作者は的野アンジさんで、連載は小学館の漫画アプリ「サンデーうぇぶり」。2021年8月現在、単行本は1巻が刊行中。

「僕が死ぬだけの百物語」感想

あらすじ・概要

教室の窓から飛び降りようとする小学生・ユウマを引き止めた、友人・ヒナ。彼が元気を取り戻す時間を作ろうと、「百物語」のことを教える。

それを聞いたユウマは、「ぜんぶ終わった時に本物の幽霊が出る」という話を信じて、自室でひとり、百物語を語り始める…

…という第一話冒頭を皮切りに以降、「ユウマが語る百物語」という形式で、毎回ひとつの怪奇話が展開されていきます。

「百物語」がレベルの高い怖面白さ

「僕が死ぬだけの百物語」では毎回、大体12P前後ぐらいのホラー・ショートが描かれるのですが、これがなかなかレベルが高い!

  • 欲しいものを手に入れてくれる謎のロッカー
  • 遊泳禁止地区で人を引きずり込む黒い手
  • オレオレ詐欺の受け子が無人の家で体験した恐怖

のようなホラーとしてはベーシックなストーリーと、オカルト・怪奇・不条理・不気味などバラエティ豊かなオチを持つ各話(グロや痛い系の話もあり)。そのどれもに共通するのが、「読後に残る後味の悪さ・気持ち悪さ」

短いページ数ながらそれぞれの世界観をしっかり作り、ちゃんと怖さ・気持ち悪さに落とし込んでいく、的野アンジさんの物語の運び方がとてもウマイ。安定したホラー感を楽しめます。

「百物語」が終わった時、ユウマは…?

しかし、ホラー・オムニバス的な漫画は特に珍しいものではない。その中で「僕が死ぬだけの百物語」が特異なのは、「ユウマのひとり語り」という形式を持つこと

各物語の最初と最後の数ページは、ユウマが自分の部屋でカメラ(?)らしきものをセッティング。「今から○つ目、始めるよ」「はいっ、○つ目おしまい!」とカメラ目線で語りかけてきます。

その風景は一見なんてことのない穏やかなものなのですが、回が進むにつれて微妙に不穏な空気が漂ってくる。どうもユウマは「家族の声」にプレッシャーを感じているようなのですが、虐待なのか?そもそも声をかけてくるのは家族なのか?

さらに彼が語りかけているものはカメラなのか?何のために?そして百物語が終わった時に、彼の身に何かが起こるのか?など、次から次へと湧き出てくる薄ら寒い疑問。各話で描かれる恐怖話と、物語全体を包む不気味さ。ミクロとマクロ、二重の恐怖が「僕が死ぬだけの百物語」ならではの面白さ+怖さとなっています。

まとめ

以上、的野アンジさんの「僕が死ぬだけの百物語」感想でした。ホラー漫画の中には強引な展開でオチに持っていく作品も珍しくありませんが、本作は物語運びがとてもスムーズできっちり怖い!納得感のある恐怖を感じることができます。

また「百物語」形式による物語全体のドキドキ・恐怖、そして意味深タイトルの回収も気になるところ。1巻には全10話が収録されているのですが、このペースで行けば全10巻完結?最後まで見届けた…いような恐ろしいような(笑)。

なお「僕が死ぬだけの百物語」は、漫画アプリ「サンデーうぇぶり」で初回無料で閲覧できます。1巻の先の話も公開されているので、気になる方はアプリでチェックしてみてください。

サンデーうぇぶり-小学館のマンガが毎日読める漫画アプリ

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