漫画『僕が死ぬだけの百物語』―意味深タイトルが怖い!ホラー・オムニバス

部屋で百物語を語り続ける少年。百話を終えた時、その身に待ち受けるものは―?

意味深なタイトルの『僕が死ぬだけの百物語』。オカルト・怪奇・都市伝説風の怖い話を少年が語る、という形式の新感覚のホラー漫画です。

作者は的野アンジさんで、連載は小学館の漫画アプリ「サンデーうぇぶり」。2021年12月現在、単行本は2巻が刊行中。

「僕が死ぬだけの百物語」感想・レビュー

あらすじ・概要

教室の窓から飛び降りようとする小学生・ユウマを引き止めた、友人・ヒナ。彼が元気を取り戻す時間を作ろうと、「百物語」のことを教える。

それを聞いたユウマは、「ぜんぶ終わった時に本物の幽霊が出る」という話を信じて、自室でひとり、百物語を語り始める…

…という第一話冒頭を皮切りに以降、「ユウマが語る百物語」という形式で、毎回ひとつの怪奇話が展開されていきます。

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「百物語」がレベルの高い怖面白さ

『僕が死ぬだけの百物語』では毎回、大体12P前後ぐらいのホラー・ショートが描かれるのですが、これがなかなかレベルが高い!

各話は、

  • 欲しいものを手に入れてくれる謎のロッカー
  • 遊泳禁止地区で人を引きずり込む黒い手
  • オレオレ詐欺の受け子が無人の家で体験した恐怖

のようなホラーとしてはベーシックなストーリーと、オカルト・怪奇・不条理・不気味などバラエティ豊かなオチ(グロや痛い系の話もあり)を持つのですが、そのどれもに共通するのが「読後に残る後味の悪さ・気持ち悪さ」

短いページ数ながらそれぞれの世界観をしっかり作り、ちゃんと怖さ・気持ち悪さに落とし込んでいく、的野アンジさんの物語の運び方がとてもウマイ。安定したホラー感を楽しめます。

「百物語」が終わった時、ユウマは…?

オムニバス的なホラー漫画は特に珍しいものではありませんが、『僕が死ぬだけの百物語』が特異なのは、「ユウマのひとり語り」という形式を持つこと

各物語の最初と最後の数ページは、ユウマが自分の部屋でカメラ(?)らしきものをセッティング。

「今から○つ目、始めるよ」「はいっ、○つ目おしまい!」とカメラ目線で語りかけてきます。

その風景は一見なんてことのない穏やかなものなのですが、回が進むにつれて微妙に不穏な空気が漂ってくる

どうもユウマは「家族の声」にプレッシャーを感じているようなのですが、虐待なのか?そもそも声をかけてくるのは家族なのか?

さらに彼が語りかけているものはカメラなのか?何のために?そして百物語が終わった時に、彼の身に何かが起こるのか?など、次から次へと湧き出てくる薄ら寒い疑問。

各話で描かれる恐怖話と、物語全体を包む不気味さ。恐怖を恐怖でサンドしたような二重の恐怖が、『僕が死ぬだけの百物語』ならではの面白さ+怖さとなっています。

まとめ

以上、的野アンジさんの『僕が死ぬだけの百物語』感想・レビューでした。

ホラー漫画の中には、強引な展開でオチに持っていく作品もありますが、本作は物語運びがとてもスムーズできっちり怖い!納得感のある恐怖を感じることができます。

また「百物語」形式による物語全体のドキドキ・恐怖、そして意味深タイトルの回収も気になるところ。

1~2巻には各10話が収録されているのですが、このペースで行けば全10巻完結?最後まで見届けた…いような恐ろしいような(笑)。

なお『僕が死ぬだけの百物語』は、漫画アプリ「サンデーうぇぶり」でもFREE・初回無料の回が多数用意されています。

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単行本にまだ収録されていない話も公開されているので、気になる方はアプリでチェックしてみてください。

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