『これ描いて死ね』感想:離島JKの漫画にかける青春!+漫画家残酷物語

漫画に夢を抱く離島の女子高生は、コミティアでの「衝撃的な出会い」を経て、漫画制作の道を歩き出す―!

とよ田みのるさんの漫画『これ描いて死ね(これかいてしね)』。爽やかにして本格的な漫画青春物語ですが、過激なタイトルにはある理由が…?

『これ描いて死ね』の連載は、小学館の漫画雑誌「ゲッサン」。2022年10月現在、単行本が2巻まで刊行中です。

『これ描いて死ね』感想・レビュー

あらすじ

東京から南へ120kmの伊豆王島に住む安海相(やすみあい)は、知る人ぞ知る打ち切り漫画『ロボ太とポコ太』が好き過ぎる高校一年生。

寂しい時に「ポコ太」に何度も救われてきた彼女。だが過度な漫画好きを女性教師・手島に咎められる。

「(漫画に描かれていることは)全部嘘だ」

落ち込む相。しかし『ロボ太とポコ太』の作者・☆野0(ホシノレイ)が10年ぶりに新作を発表することを知り、コミティアへの参加を決意。高速船ではるばる本土へ!

そこで多くの漫画制作者と出会い、「誰でも漫画が描ける」ことを知った彼女は、漫画への情熱が再燃!

そして☆野0と念願の対面を果たすが、それは意外な人物で…?

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爽やか!な漫画青春物語

兎にも角にも「漫画創作への情熱」に火がついた相は、漫画同好会を立ち上げることに。友人たち、そして顧問となった手島先生を巻き込んだ、漫画への情熱あふれる青春物語が、『これ描いて死ね』本編で展開されていきます。

そこで目をキラキラと輝かせながら、「漫画への純粋過ぎる想い」を発露していく、離島JKの姿がまぶしい!あふれる漫画愛に思わずほっこり。

…と言っても、同好会設立には大きなハードルが。先生が相に出した条件は「漫画を一本描く」こと。さて彼女は仲間を集め、漫画同好会を立ち上げることができるのか…?

「漫画の漫画」としての面白さ

そこで当然のように相は悪戦苦闘するのですが、その過程で描かれる「漫画制作のプロセス」がとても興味深いもの

漫画を描きたい、しかしその方法がわからない!ストーリーだけでも、絵だけでもダメ。「漫画が好き」という情熱を、どのように創作に結びつけていけば良いのか…?

ポップなタッチでテンポ良く綴られるコメディに笑いながら、作者のキャリアを反映しているであろう「創作の現場感」に引き込まれていきます。

さらに2巻では「新たな仲間」も加わり、念願の同人誌即売会「コミティア」へ!そこで相たちが体験する「漫画創作の辛さ・苦しみ」と、それを超えた先にあるものに気づき、成長していく様が、爽やか&面白い!

そして伝わってくるのは、「漫画を描くこと」「物語を作り上げること」の面白さ・醍醐味。読み専門の漫画好きはもちろん、創作を志す人ならより響くものがあるのでは。青春ストーリーとして、「漫画の漫画」として、一粒で二度美味しい漫画です。

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本編と対をなす漫画家残酷物語『ロストワールド』

ところで気になるのが、『これ描いて死ね』というインパクトがあり過ぎるタイトル。その意味するところは、巻末収録の短編『ロストワールド』に真実が。

本編に登場する漫画『ロボ太とポコ太』、その作者である「☆野0」が、新人時代を経てやがて「漫画家」となっていくまでを描く物語。

爽やかな漫画青春譚『これ描いて死ね』とは対照的、創作の苦しみから生まれる漫画への愛・憎しみ・そして「殺意」が、圧倒的な迫力でせまる!

笑い、そして狂気を孕んだ、ある意味「漫画家残酷物語」的なそのストーリーは、本編とはひと味違った面白さ。読後はきっと、「あ、なるほどね…!」とタイトルに納得しているはず。

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『これ描いて死ね』まとめ

以上、とよ田みのるさんの漫画『これ描いて死ね』の感想・レビューでした。

海に囲まれた自然の雰囲気も手伝って、爽やかさいっぱいの漫画青春物語。それを演出する洗練された作画とこなれたコメディ・センス、そしてその裏に流れる確かな「漫画愛」が伝わってきます。

とともに、漫画に対する「愛と殺意」が込められた、本編と対をなす「漫画家漫画」が何とも印象的。多方面から漫画の面白さを感じられる、とよ田みのるさんの情熱が詰まった一作です。

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