あ、ゴルゴが宇宙へ行ってる!
という表紙が気になって久しぶりの購入。さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」。191巻です。
って、何気に「191巻」ってスゴイね!
通常は3話収録の多いゴルゴ13コミックですが、191巻は「1万キロの狙撃」と「流星雨の彼方で」の2本を収録。
それぞれ100ページ強で読み応えのあるストーリー。以下、2編の感想を。
「ゴルゴ13」191巻 感想・レビュー
「1万キロの狙撃」
リビアの指導者を追う米軍の無人機攻撃部隊「サイレント・サンダー」は、誤ってゴルゴ13の乗る乗用車を無人爆撃機で誤爆してしまう。
重傷を負いながらも、一命は取り留めたゴルゴ。個人的にゴルゴと因縁を持つ指揮官は、独断でゴルゴにとどめを刺すべく、無人爆撃機でゴルゴを追い詰める。
現地女性を銃で脅し、彼女の運転する車で病院を目指すゴルゴ。しかし情報網を駆使したサイレント・サンダーは、ゴルゴの進路をことごとく阻み―。
ゴルゴはこれまでにも数々の苦境を経験していますが、その中でもベスト5には確実に入るであろう窮地に陥ります。
なんせ、爆撃の影響で腹に鉄パイプが刺さっている!そのせいか、見せる表情もかなり苦しく、弱々しいもの。これはなかなか珍しい。
しかし生への異様な執着を見せるゴルゴ。決して諦めずに、自分の置かれている状況を冷静に分析しながら、生き残りの道を探ります。
そんなゴルゴの超人性と、無人爆撃機の恐ろしさ、そして最新医療(※当時。本作は2012年作)の組み合わせが生み出す、意外性のある結末が面白い。
でも何と言っても、弱々しいゴルゴが本作の一番の見どころ、とも言えます。
「流星雨の彼方で」
旧ソ連時代に打ち上げられ、放置されたまま宇宙を漂うキラー衛星。その操作パスワードが偶然発見され、アルカイダ系テロリストの手に渡る。
テロリストの標的は、国際宇宙ステーション「ISS」。それを阻止するために米国は、キラー衛星の狙撃をゴルゴに依頼。
彼が宇宙へ向かうために搭乗するのは、日本のHTV。果たしてゴルゴは、相対速度時速6万kmでランデブーするキラー衛星を破壊することができるのか―。
なんとゴルゴが宇宙空間でスナイプを!と言っても、実はゴルゴが宇宙へ行くのは今作が初めてではありません(自分の知る限りでは、過去に1度あり)。
しかし今作がユニークなのは、ゴルゴが乗る宇宙船が「日本製」であるということ。スペースシャトル時代の終焉を迎えて開発された、無人機だが有人機にも転用可能な日本製HTV。
それにゴルゴが乗る、ということは、非公式だが日本初の有人宇宙飛行が達成したということに。こういう、「歴史の裏で起こっていた実は…」みたいなエピソードが面白い。
宇宙空間でゴルゴが行う高度なスナイプ、そして宇宙ならではの予想外のハプニングにも注目。
まとめ
以上、「ゴルゴ13」191巻のレビューでした。通常よりややボリュームのあるエピソード2編。充実の読み応えでした。
それにしてもゴルゴ13のいいところは、どの巻から読んでも面白い!ということ。そしていよいよ200巻まであと少し。今後も期待です。
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