SF漫画漫画感想・レビュー

漫画『果ての星通信』感想―宇宙の果ての管理者たち描くファンタジーSF

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ある日突然、宇宙人に拉致されたロシア人青年は、宇宙の果てで星を作り、そして壊す仕事に就くことに―。

メノタさん描くファンタジー・SF「果ての星通信」(はてのしょうつうしん)。巻を重ねてグングンおもしろくなってきた、お気に入りのSF漫画です。

連載は主婦と生活社のWEBメディア「COMIC PASH!」。2021年刊行の第5巻で完結となりました。

「果ての星通信」感想・レビュー

あらすじ

大学を卒業し、恋人へのプロポーズを控えたロシアの青年・マルコ。ある日突然、自身の体が分解し、地球上より消滅してしまう

見知らぬ土地で目覚めた彼を待っていたのは、奇怪な容貌の宇宙人たち。その一人「局長」はマルコに語りかける。

「僕らは君を待っていた 共によりよい宇宙を作ろう」

【彼の方】の代行により宇宙を管理する「果ての管理者」。ランダムに選ばれたマルコは、その支部局のひとつ・惑星モスリで10年間、星の製造・破壊を行う任務に就くことに。

しかし地球への帰還を望む彼は、脱走を目論み―?

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「果ての管理者」たち描くファンタジーSF

【彼の方】(宇宙の創造者みたいなもの?)の作業を代行し、星を作ったり壊したり、「宇宙を廻す」業務を行う果ての管理者たち。

その一人にランダムに選ばれ、10年の任期に就くことになった地球人青年を中心に、ファンタジックなSF世界が展開されます。

マルコが働くことになったのは、支部局のひとつ「惑星モスリ」。手足が異様に長い局長、一見人型の男性型宇宙人ナナギ、手足が芋虫状の女性型宇宙人フィッツィーら、気のいい仲間が働く楽しい(?)職場

マスコット的な宇宙の子どもたちも加わり、星の創造にちょっと興味が湧いてきたマルコくん。ですが大事な人を地球に置いたまま、10年も見知らぬ宇宙で過ごすわけにはいかない!

ということで、大脱走計画を画策するマルコくん。果たして見事地球に帰還できるのか?の顛末が1巻で展開されます。

が、物語は続くので、その脱走劇は失敗したことは説明するまでも無し(笑)。2巻以降では1巻末でマルコに起こった「ある異変」の解決、そして彼が局員として同僚やいろいろな星の文化に関わっていく様子が描かれます。

独特の世界観と魅力的なキャラクター

そんな「果ての星通信」、作者・メノタさんの紡ぐ独特な世界観が実に魅力的。

リアル志向のSFではなくファンタジーよりのSFですが、クオリティの高いビジュアルにより、不思議な説得力を感じます。リアルとファンタジーのいいとこ取り、という印象。

かといって夢見がちお花畑なストーリーではなく、時折シリアス路線もぶっこまれてくるので侮れない。特に2巻末~3巻では(ある見方では)凶悪な宇宙人が登場。果ての管理者たちに危機が…?というハラハラの展開に。

そして時にほっこり、時にドキドキな物語を追っていると、主人公マルコや同僚、マスコット的存在である子どもたちに、愛着がグングンと湧いてくる

宇宙の果てでマルコ達が働いているのかもしれない、そんな気持ちが胸の中に生まれてくる、不思議な魅力を持つ漫画です。

まとめ

以上、メノタさんの「果ての星通信」感想・レビューでした。卓越したセンスとブレない世界観が融合し、独特の宇宙を作り上げている、ファンタジー感あふれる良いSF漫画です。

そんな物語も全5巻で完結しましたが、果たしてマルコくんは、無事地球へ帰還できたのか?時にコミカルに、時にシリアスに繰り広げられる、宇宙の果ての冒険。その顛末をぜひ、ご覧になってください。

ところで本編とは関係の無い話ですが本作、電子書籍版の体裁がとても!素晴らしい。帯付き・帯なしカバーの収録やカバー下、おまけページの収録などがたいへん充実。ほかの電子書籍もこうあって欲しい、という作りです。発行元である主婦と生活社さんに感謝。

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