2020年発売でおもしろかった漫画まとめ

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2020年に読んだ漫画の中で、個人的におもしろかった作品のまとめです。1月から12月にかけて単行本が発売された漫画が対象。期間中、随時更新予定。

2019年に読んでおもしろかった漫画のまとめはこちら↓

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漫画リスト

マイ・ブロークン・マリコ

マイ・ブロークン・マリコ (BRIDGE COMICS)平庫 ワカ:KADOKAWA

平庫ワカさんの「マイ・ブロークン・マリコ」。全1巻が2020年に刊行。実の親に虐待を受けていた親友・マリコの死を知り、その遺骨を奪って海へと逃げるOL・シイノを描く物語。2019年に第一話がWEBで公開されるやいなや、大反響を読んだ漫画です。

遺骨と、記憶に浮かぶマリコの思い出を抱いて、海への逃避行を続けるシイノ。彼女の叫び(と破天荒な行動)が、読者を二人の女性の友情にグッと惹きつける。キャラクター・ストーリーはもちろん、作画もバツグンに魅力があり、平庫ワカさんの漫画をもっと読みたい!と思わずにはいられません。

宙に参る

宙に参る (1)【電子版特典付き】 (トーチコミックス)助骨凹介:リイド社

助骨凹介さんの「宙に参る」。1巻が2020年に刊行。宇宙船がセスナ機ほどの身近さになった時代。亡き夫の遺骨を地球の義母に届けるために宇宙に出る、未亡人と息子を描くSF。と言ってもお涙頂戴系の物語ではなく、豊富な知識に裏打ちされた本格的SF、を飄々とした作風でいい感じにオブラートで包んだ、ユニークな作品。

主人公ソラはある特殊能力を持つ「魔女」(比喩的な意味で)であり、それが故にトラブルに巻き込まれていく。…という「如何にもSF」な話を、「将棋AIは人類に対する反乱を起こすや否や」みたいなSF小ネタを挟みながら、殺伐としない感じで作り上げていく絶妙なセンスがとても良い。

緻密で確かな背景を感じさせるハードなSF感と、とっつきやすいポップな絵柄でが融合した漫画で、ライトなSFファンにもオススメ。マニアックな話をマニアックだと感じさせないのって、ウマイよね。

僕の心のヤバイやつ

僕の心のヤバイやつ 3 (少年チャンピオン・コミックス)桜井のりお:秋田書店

桜井のりおさんの「僕の心のヤバイやつ」。3巻が2020年に刊行。スーパー陽キャ女子とスーパー陰キャ男子の噛み合わないようでジリジリ噛み合ってきそうな恋模様にウズウズせざるを得ないラブコメ。

1巻→2巻→3巻と進むにつれ、物理的にも精神的にもグングン近づいていく二人の距離感に釘付け。読めば読むほど、二人のことを好きになってしまう展開がステキ。天然な山田がカワイイのはもちろんのこと、こじらせ気味な市川もまた可愛らしい。

陽キャ女子が陰キャ男子を好きになる、というレア展開を、「ありえそう」と思わせてくれる作者の物語運びにしてやられる。ちなみに3巻は結果的に見れば、一巻丸々使って山田と市川がLINEを交換する話だったりする(笑)。

チェンソーマン

チェンソーマン 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)藤本タツキ:集英社

藤本タツキさんの「チェンソーマン」。5巻~が2020年に刊行。チェンソーの悪魔・ポチタと一体化した少年・デンジが公安に入り、悪魔たちと破天荒な戦いを繰り広げるスプラッター・アクション。

5・6巻で展開される謎の少女・レゾとデンジの恋模様、そしてバトルは、肉体的にも精神的にも最高にグロくて切ない。一本の映画を見たかのような読後感が素晴らしい。上司・マキマの底知れない得体の無さも気になるところ。

さらに7巻にて、チェンソーの悪魔の心臓を持つデンジを狙い、各国から刺客たちがバトルに参入。どいつもこいつも強烈なキャラクターで、めちゃくちゃおもしろい。エロもグロもますます加速…って、これホントに少年ジャンプで連載してるの?

第三惑星用心棒

第三惑星用心棒(2) (馬頭図書)野村亮馬

野村亮馬さんの自主レーベル馬頭図書より刊行のインディーズ・コミック「第三惑星用心棒」。2018年7月以来、待望の第2巻が2020年4月に刊行!29世紀の地球で迷走する過去の兵器に対峙する、歌って踊れる陽気なアンドロイド「エルシー」の活躍描くフルカラーSFです。

相棒のオニオオハシ型加工動物・タミー、そして現地のアンドロイドと連携しながら、中央幹事の命を受けて迷走兵器(ロストボーイズ)の処理をするエルシー。乗機である自転車(笑)と現地調達の武器で、彼女がテンポ良く展開するリアルなアクションが迫力満点。

そしてSF描写以上の「第三惑星用心棒」の大きな魅力は、人間以上に人間くさいアンドロイド・エルシーそのもの。もとはコンパニオンである彼女が、ギターの弾き語りでコミカルに現地住民とコンタクトを取る様子。読みながら不思議と笑顔になってしまいます。彼女の唯一無二の存在感を、ぜひ味わっていただきたい。

なお「第三惑星用心棒」はKindleの読み放題サービス「Kindle Unlimited」の対象(2020年5月現在)なので、他の読み放題マンガと併せて楽しみたい、という方はそちらもチェックどうぞ。

クマ撃ちの女

クマ撃ちの女 2巻: バンチコミックス安島薮太:新潮社

安島薮太さんの「クマ撃ちの女」。2~3巻が2020年に刊行。エゾヒグマに異常な執着を見せる女性ハンターと、彼女の猟に同行取材をするフリーライターを描く、リアルな狩猟漫画。

猟師であるチアキは、なぜエゾヒグマをハントしようとするのか。2巻ではその鍵を握る姉(元ヤン風)が登場。どうやら彼女が、チアキのクマ撃ちに関係しているようで…?終盤で描かれる内容が怖すぎる。野生動物を相手にするということがどういうことなのか、の一端が垣間見えます。相変わらず手抜きの無い猟の描写も健在。

さらに3巻では、チアキのクマ撃ちの師匠・光本が登場。これがなかなかクセのある(悪い意味で)人物で、強烈。自身の利益のためには、多少の法律違反もいとわないという男。しかしフィクションだが限りなくリアルな「クマ撃ちの女」。ハンティングの実情を示唆していると考えると、実に興味深い内容。そして3巻終盤、光本とともに向かったクマ撃ちで事件が…。巻を重ね、ますますリアルさに磨きがかかり、目が離せません。

裏バイト:逃亡禁止

裏バイト:逃亡禁止(1) (裏少年サンデーコミックス)田口翔太郎:小学館

田口翔太郎さんの「裏バイト:逃亡禁止」。1巻が2020年に刊行。訳ありでお金が必要な女性二人がコンビを組んで、異様な高額報酬の裏バイトにチャレンジ。しかしウマい話には当然のように「裏」があり、そこで二人は恐怖の体験を…というオカルト・ホラー漫画。

森のレストラン、深夜のビル警備、泊まり込みの投薬治験…。本作で扱われる題材は、怪談や都市伝説などの恐怖話では「定番」とも言えるもの。そこに「裏バイト」という現代的な要素を組み込んでいるのが、ユニークなポイント。現実離れしたホラー要素に不思議な現実感が生まれ、恐怖がより身近に。

作者独特のやや粗い絵柄も、ホラー要素に絶妙にマッチ。主人公コンビの一人が「怪しい匂い」を嗅ぎ取る、という設定と相まって、絶妙な恐怖世界を楽しめます。令和期待のホラー漫画。

「裏バイト:逃亡禁止」は、小学館のマンガアプリ「マンガワン」でも読めます。

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果ての星通信

果ての星通信【電子版特典付】3 (PASH! コミックス)メノタ:主婦と生活社

メノタさんの「果ての星通信(はてのしょうつうしん)」。3巻が2020年に刊行。突如「果ての管理者」支部に拉致されて、星の製造に関わることになったロシア人青年・マルコを描くファンタジーSF。

地球への帰還、から自身の体に起こったトラブルの解決、にシフトしたマルコの目的。基本、ほんわかした雰囲気ながらも時折ぶっこまれるシリアス風味が読み応えあり。丁寧に描かれる世界観も、3巻にしてますます魅力的。何より巻を重ねて愛着が湧くキャラクターたちが素敵。電子版の特典も素晴らしい。

ワンナイト・モーニング

ワンナイト・モーニング(2) (ヤングキングコミックス)奥山ケニチ:少年画報社

奥山ケニチさんの「ワンナイト・モーニング」。2巻が2020年に刊行。様々なシチュエーションにいる男女のワンナイトと朝ごはんを描くショート・ストーリー集。もともと全1巻完結だったものが人気沸騰により連載復活、2巻の発売に至った作品です。

1巻登場のカップルたちの「馴れ初め」や「その後」が描かれて、前作の読者なら幸せな気分になること請け合い。もちろん新登場のカップルたちのストーリーもおもしろい。ちょっとエッチなんだけど、それも含めて「ありそう」と思わせる幸福なリアル感が魅力。3巻に続く、と嬉しい予告もあり、今後も楽しみなシリーズ。

僕の妻は感情がない

僕の妻は感情がない 01 (MFコミックス フラッパーシリーズ)杉浦 次郎:KADOKAWA

杉浦次郎さんの「僕の妻は感情がない」。1巻が2020年に刊行。事故で感情を失った妻と夫の物語…かと思って読んだら全然違った。料理専門の家事ロボットと独身サラリーマンの「純愛」を描く恋愛漫画。

感情はもちろん表情の変化も無い家事ロボット・ミーナと、彼女に本気で惚れて「妻」として扱うタクマ。コミュニケーションのズレから来る笑いを絡めつつ、あれ、二人の愛の行方が気になってくる…。ある種の気持ち悪さを感じつつ、それを突き抜けてグイグイと引き込まれていく、衝撃的な作品。

国境のエミーリャ

国境のエミーリャ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)池田邦彦,津久田重吾:小学館

池田邦彦さんの「境のエミーリャ」。1巻が2020年に刊行。第二次世界大戦後、東西に分断された日本。ソ連に実効支配された東側で、西側への逃亡を手助けする「笑わない女」エミーリャの活躍描く、仮想戦後活劇。

もし日本がソ連に支配されていたら、きっとこんな世界になっていたに違いない、と思わせる緻密な描写が、池田氏の朴訥な絵柄と相まってとても良い雰囲気。日本を2つに隔てる高い壁が生み出すドラマも読ませる。過酷な環境で頑なな表情を崩さない少女・エミーリャは果たして何を見るのか?

怪異と乙女と神隠し

怪異と乙女と神隠し(1) (ビッグコミックス)ぬじま:小学館

ぬじまさんの「怪異と乙女と神隠し」。1巻が2020年に刊行。書籍紹介によると「ミステリアス&バイオレンス&アクション&エロティック現代怪異ロマネスク」。1巻を読んだ感じでは、ちょっとHなオカルト・ミステリーといったところでしょうか。

謎の『「逆万引き」の本』の中身を詠んだことにより、体に異変を起こした書店員・小川菫子(28)と、彼女の変調に気づき奔走する不思議な同僚・化野蓮(年齢不詳)描く第一話。さらに蓮の妹?の通う学園で起こる怪異の調査描く第二話へ。

物語の盛り上がりはまだまだこれからといった感じですが、ちょうどいい加減のオカルトと、バツグンの描画力で読ませる漫画。期待大です。「これは私、小川菫子と口の減らない友人・化野蓮の、ささやかな友情と別れに関する記録だ。」という冒頭、菫子のモノローグにシビれる。

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST(10) (角川コミックス・エース)長谷川 裕一,矢立肇・富野由悠季,宮崎 真一 ほか:KADOKAWA

長谷川裕一さんの「機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST」。10巻が2020年に刊行。Vガンダム以降の宇宙世紀を描くクロスボーン・サーガの最新作「DUST」も、ついに二桁巻に突入。

最大の敵「首切り王」との決戦前、コロニーの人々を救うべく「DUST」計画を発動させた主人公・アッシュ。その準備となる型破りな行動と展開は、ガンダム漫画の枠におさまらない最高のおもしろさを見せてくれます。こんなにワクワクするガンダム漫画は、長谷川裕一さんにしか描けないであろう。

まとめ

以上、「2020年発売でおもしろかった漫画まとめ」でした。未読の作品があればぜひチェックしてみてください。

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