おすすめ漫画(年別)おすすめ漫画まとめ

【2020年版】この漫画が面白い!おすすめコミックまとめ

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【2020年版】面白い漫画まとめ

2020年の1月から12月にかけて発売されたコミックスの中から、「面白い!」と思ったオススメ漫画のまとめです。

2020年発売の面白い漫画リスト

チェンソーマン

藤本タツキさんの「チェンソーマン」。5巻~が2020年に刊行。

チェンソーの悪魔・ポチタと一体化した少年・デンジが、謎の美女・マキマ率いる公安に入り、悪魔たちと破天荒な戦いを繰り広げるスプラッター・アクション

5・6巻で展開される謎の少女・レゾとデンジの恋模様、そしてバトルは、肉体的にも精神的にも最高にグロくて切なく、一本の映画を見たかのような読後感。上司・マキマの底知れない得体の無さも気になるところ。


さらに7巻にて、チェンソーの悪魔の心臓を持つデンジを狙い、各国から刺客たちがバトルに参入。

どいつもこいつも強烈なキャラクターで、めちゃくちゃ面白い。エロもグロもますます加速…って、これホントに少年ジャンプで連載してるの?


8巻。刺客編が一段落。デンジの上司である美女・マキマの謎と恐ろしさが深まった巻。

「地獄」での戦いと、ある魔人の戦闘方法は、必見。めちゃくちゃ面白い。という言葉が足りないほど面白い。チェンソーマン読んでない人は損してると思う。


9巻。スゴイわ。もう「チェンソーマン」が2020年の漫画ランキング・オール1位でいいよ。マジで。

まだ10巻に満たない巻数ですが、100巻ある漫画を読んだ以上!の満足感。スゴイ漫画だ…。

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宙に参る

助骨凹介さんの「宙に参る」。1巻が2020年に刊行。宇宙船がセスナ機ほどの身近さになった時代。亡き夫の遺骨を地球の義母に届けるために宇宙に出る、未亡人と息子を描くSF。

主人公ソラはある特殊能力を持つ「魔女」(比喩的な意味で)であり、それが故にトラブルに巻き込まれていく。

…という「如何にもSF」な話を、「将棋AIは人類に対する反乱を起こすや否や」みたいなSF小ネタを挟みながら、固くなり過ぎずに作り上げていく絶妙なセンスがとても良い

緻密で確かな背景を感じさせるハードなSF感が魅力ながら、とっつきやすいポップな絵柄でライトなSFファンにもオススメ。マニアックな話をマニアックだと感じさせないのって、ウマイよね。

カラオケ行こ!

2020年9月刊行の全1巻「カラオケ行こ!」。「夢中さ、きみに。」で一躍話題となった和山やまさん3冊目の単行本。

点数が低いとイヤゲな罰を受ける、組(暴力的なやつ)のカラオケ大会。ヤクザの狂児は歌唱力の向上を目指し、合唱部部長の中学生男子・聡実(さとみ)にレクチャーを依頼するが…?というコメディ。

陽の当たる道を歩まんとする思春期男子と、アンダーグラウンドにどっぷり浸かったヤクザ。一見接点の無い二人がカラオケ店の個室で行うやり取りが、圧倒的に面白い。

カタギには無い特異なフリーダムさを持つ狂児の、笑顔の底にある狂気が物語全体をそこはかとなく支配している、という空気感が絶妙。彼に振り回されながらも意外な図太さがある聡実も、次第に狂児と親密(?)になったり。

しかし終盤、思いもかけない出来事が…?ゆるい笑いに油断していると、ラストでガツン!とやられるストーリー展開がお見事。めっちゃ面白いです。

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僕の心のヤバイやつ

桜井のりおさんの「僕の心のヤバイやつ」。3巻が2020年に刊行。

スーパー陽キャ女子とスーパー陰キャ男子の噛み合わないようでジリジリ噛み合ってきそうな恋模様にウズウズせざるを得ないラブコメ。

1巻→2巻→3巻と進むにつれ、物理的にも精神的にもグングン近づいていく二人の距離感に釘付け。読めば読むほど、二人のことを好きになってしまう展開がステキ。天然な山田がカワイイのはもちろんのこと、こじらせ気味な市川もまた可愛らしい。

陽キャ女子が陰キャ男子を好きになる、というレア展開を、「ありえそう」と思わせてくれる作者の物語運びにしてやられます。

山を渡る -三多摩大岳部録-

空木哲生さんの「山を渡る -三多摩大岳部録-」。3巻が2020年9月に刊行。とある大学山岳部の活動を、笑いを交えて超!マジメに描く山登り漫画。

登山初心者の一年生女子3人は、日帰り登山や日々のトレーニング、用具の準備を経て、ついに念願の一泊登山へ。豊かな大自然の中を、ハアハア息を切らせながら一歩ずつ歩みを進めてゆく。そんな彼女たちの成長した姿が何だか微笑ましい。

一方、初心者の成長と共に本作で見逃せないのが、上級生たちによる本格的なクライミング。毎回ダイナミックなアタックを見せる女性部長・黒木は、今回も難所をクリアできるのか?

登山の楽しさと厳しさを、初心者と上級者、両方の側面からあますことなく描く「山を渡る -三多摩大岳部録-」。個人的に今一番熱い!と感じるスポーツ・登山漫画です。

第三惑星用心棒

野村亮馬さんの自主レーベル「馬頭図書」より刊行のインディーズ・コミック「第三惑星用心棒」。2018年7月以来、待望の第2巻が2020年4月に刊行!

29世紀の地球で迷走する過去の兵器に対峙する、歌って踊れる陽気なアンドロイド「エルシー」の活躍がフルカラー描かれるオリジナルSFです。

相棒のオニオオハシ型加工動物・タミー、そして現地のアンドロイドと連携しながら、中央幹事の命を受けて迷走兵器(ロストボーイズ)の処理をするエルシー。乗機である自転車(笑)と現地調達の武器で、彼女がテンポ良く展開するリアルなアクションが迫力満点。

そしてSF描写以上の「第三惑星用心棒」の大きな魅力は、人間以上に人間くさいアンドロイド・エルシーそのもの

もとはコンパニオンである彼女が、ギターの弾き語りでコミカルに現地住民とコンタクトを取る様子。読みながら不思議と笑顔になってしまいます。彼女の唯一無二の存在感を、ぜひ味わっていただきたい。

なお「第三惑星用心棒」はKindleの読み放題サービス「Kindle Unlimited」の対象(2020年5月現在)なので、他の読み放題マンガと併せて楽しみたい、という方はそちらもチェックどうぞ。

金曜日はアトリエで

浜田咲良さんの「金曜日はアトリエで」。1・2巻が2020年刊行。

新進気鋭のイケメン画家と、ひょんなことから彼のモデルをすることになったOL。二人の微妙な関係をゆるやかな笑いを絡めて描く大人のラブコメ

「画才・ルックス共にナンバーワン」と自ら豪語する画家・石原と、真面目なんだけど食いしん坊でマイペース過ぎるOL・恵美子。

噛み合わない二人が一周まわって不思議と噛み合って、独特な「二人の世界」を作り上げているのが絶妙なおもしろさ。

特に自分に自信を持っている石原が、「自分でも気づいていない恵美子への気持ち」に振り回されて挙動不審になる様に、何とも言えない笑いが。

一方その気の全く無い恵美子も、石原と同じ時間を過ごすうちに変化があるような、ないような?二人のキャラクター性と間の抜けたやり取りがクセになる、笑える恋愛漫画です。

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機動戦士ガンダムF91プリクエル

おおのじゅんじさんの「機動戦士ガンダムF91プリクエル」。1巻が2020年に刊行。

小説版「F91」をベースに、F91の開発風景、開戦前のクロスボーン・バンガード、シーブックとセシリーの出会いなど、映画「機動戦士ガンダムF91」の前日譚となるエピソードが描かれます。

注目は、イタコ漫画家である作者の安彦良和タッチ。試し読みしてもらえれば分かるのですが、これが笑っちゃうぐらい似てるw。

しかしそれだけではなく、漫画自体も異様にクオリティが高い!キャラクター・メカニック描写からストーリー展開まで、何度も読み込みたくなる魅力あり。

その中でも特に惹きつけられたのが、秀逸なSF描写。円筒形のスペース・コロニーならではの生活感や、MS・宇宙戦艦の巨大感など、ガンダムがSF作品であることを改めて意識せざるをえない表現力は、圧巻。

あわよくばこのままF91本編までコミカライズしてくれないか…と期待。

マイ・ブロークン・マリコ

平庫ワカさんの「マイ・ブロークン・マリコ」。全1巻が2020年に刊行。

実の親に虐待を受けていた親友・マリコの死を知り、その遺骨を奪って海へと逃げるOL・シイノを描く物語。2019年に第一話がWEBで公開されるやいなや、大反響を読んだ漫画です。

遺骨と、記憶に浮かぶマリコの思い出を抱いて、海への逃避行を続けるシイノ。彼女の叫び(と破天荒な行動)が、読者を二人の女性の友情にグッと惹きつける。

キャラクター・ストーリーはもちろん、作画もバツグンの魅力あり。平庫ワカさんの漫画をもっと読みたい!と思わずにはいられません。

GROUNDLESS

架空世界の戦場群像劇」描く影待蛍太さんの「GROUNDLESS(グランドレス)」。約1年8ヶ月ぶりとなる新刊「GROUNDLESS : 9-竜騎兵と彼の恋人-」が2020年に刊行。

9巻ではダシア自警団の騎兵・シュバーハンにスポットライトが。彼の実家である農場を舞台に展開される、ダシア自警団とレジーナ率いる離反部隊の苛烈な夜間戦闘。戦車VS騎兵、その結末や如何に?

隻眼の狙撃兵・ソフィアの出番は少なめだけど、序盤の巻でヘタレだったメルシアにもスポットが当たったりと、充実の読み応え。

そして戦闘の結末にカタルシスを感じつつも、敗者の立場にも感情を振り向けざるを得ない、群像劇ならではの物語運び。めちゃくちゃ面白い。

あとがきでは編集に対する複雑な思いも吐露した作者さんですが、同時に物語完結までの意気込みも。気長に待っているので、無理の無い範囲で頑張っていただきたい。

みんな、「GROUNDLESS」面白いから読もーぜ!

クマ撃ちの女

安島薮太さんの「クマ撃ちの女」。2~4巻が2020年に刊行。

エゾヒグマに異常な執着を見せる女性ハンターと、彼女の猟に同行取材をするフリーライターをリアルに描く、ドキュメンタリー風狩猟漫画。

猟師であるチアキは、なぜエゾヒグマをハントしようとするのか。2巻ではその鍵を握る姉(元ヤン風)が登場。どうやら彼女が、チアキのクマ撃ちに関係しているようで…?

そして野生動物を相手にするということがどういうことなのか、の一端が垣間見える、終盤の展開が怖すぎる。相変わらず手抜きの無い狩猟描写も見応えあり。

さらに「クマ撃ちの女」3巻では、チアキのクマ撃ちの師匠・光本が登場。これがなかなかクセのある(悪い意味で)人物で、強烈。

自身の利益のためには、多少の法律違反もいとわないという男。しかしフィクションだが限りなくリアルな「クマ撃ちの女」。ハンティングの実情を示唆していると考えると、実に興味深い内容。

そして3巻終盤、光本とともに向かったクマ撃ちで事件が…。巻を重ね、ますますリアルさに磨きがかかり、目が離せません。

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裏バイト:逃亡禁止

田口翔太郎さんの「裏バイト:逃亡禁止」。1巻が2020年に刊行。

訳ありでお金が必要な女性二人がコンビを組んで、異様な高額報酬の裏バイトにチャレンジ。しかしウマい話には当然のように「裏」があり、そこで二人は恐怖の体験を…というオカルト・ホラー漫画。

森のレストラン、深夜のビル警備、泊まり込みの投薬治験…。本作で扱われる題材は、怪談や都市伝説などの恐怖話では「定番」とも言えるもの。

そこに「裏バイト」という現代的な要素を組み込んでいるのが、ユニークなポイント。現実離れしたホラー要素に不思議な現実感が生まれ、恐怖がより身近に。

作者独特のやや粗い絵柄も、ホラー要素に絶妙にマッチ。主人公コンビの一人が「怪しい匂い」を嗅ぎ取る、という設定と相まって、絶妙な恐怖世界を楽しめます。令和期待のイチ押しホラー漫画

「裏バイト:逃亡禁止」は、小学館のマンガアプリ「マンガワン」でも読めます。

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ここは今から倫理です。

雨瀬シオリさんの「ここは今から倫理です。」。4・5巻が2020年に刊行。倫理学教師・高柳と彼の授業を受ける生徒たちの、倫理学を通した心の交流描く青春群像劇

1巻から登場していた生徒たちは4巻中盤で卒業し、代替わり。高柳が発する倫理学の言葉を通して、個別の事情や悩みを持つ生徒たちが「小さな気づき」を得ていく様、あいも変わらず読ませます。

1年が過ぎて、高柳先生のスタンス・描かれ方がちょっと変わったかな?という感じ。彼もまた時を経て成長しているのかなぁ。兎にも角にももっと評価されて良い漫画。面白いです。

いちげき

松本次郎さんの「いちげき」(原作は永井義男さん)。6巻が2020年に刊行。

幕末の世で、江戸に混乱を起こす薩摩藩士を討つために、勝海舟のもとで侍となった農民たちを描く、ハードな本格時代劇アクション。

一人、また一人と仲間を失っていく主人公・丑五郎たち。崩壊寸前の隊の最後の戦いとして、敵方の要人暗殺を決起。5巻から続く緊迫の戦いに今巻で終止符が。

侍に虐げられてきたがゆえに、侍という身分に憧れて刀を取った農民たち。しかし、その「侍」という身分、そして刀による戦いが終焉を迎えようとしている、という皮肉的な構図が言いようのない悲哀を演出。めちゃくちゃ面白い。

そんな物語も、次巻でいよいよ完結とのこと。丑五郎が進む道は果たして―?

血しぶきはもちろん、手足、そして臓物が飛び出る凄惨な描写は好き嫌いがあるやもしれませんが、かつてこういう時代が確実にあったのであろう、と思わせる松本次郎さんの圧倒的な表現力は、一度読むと抜け出せない迫力があります。

果ての星通信

メノタさんの「果ての星通信(はてのしょうつうしん)」。3~4巻が2020年に刊行。

突如「果ての管理者」支部に拉致され、星の製造に関わることになったロシア人青年・マルコを描く、ファンタジーSF。

地球への帰還から、自身の体に起こったトラブルの解決、にシフトしたマルコの目的。基本、ほんわかした雰囲気ながらも時折ぶっこまれるシリアス風味が読み応えあり。

丁寧に描かれる世界観も、3巻にしてますます魅力的。何より巻を重ねて愛着が湧くキャラクターたちが素敵。電子版の特典も素晴らしい

犬釘を撃て!

伊図透さんの「犬釘を撃て!」。全1巻が2020年に刊行。

辺境で 伊図透作品集」収録の短編「辺境で」と同一の人物が登場し、また「この路線で続きモノ描きたい。」とのコメントがあるので、その続編だと思われます(未読でも問題はありません)。

「枕木・鉄軌・犬釘、枕木・鉄軌・犬釘…」と、枕木を敷いては鉄軌(レール)を載せ、犬釘(鉄軌を枕木に固定する釘)を打ち込んでいく、単調にして過酷な労働環境にある鉄道保安員たち。

その現場に身分を隠して送り込まれた調査員・エリオットが、信念を持って現場を統括する責任者・ケニティに出会い、己の中にある何かを衝き動かされていく…という人間ドラマ。

世界観を作り上げていく第一部、から怒涛の展開を見せる第二部は、最高潮に盛り上がることこの上なし。男たちの矜持が詰まったストーリーは、読み返すたびにジワジワ来ます。架空世界におけるリアリティのある鉄道描写も必見。

漫画が売れないご時世において、このテーマ・内容で一冊の漫画作品を描きあげるのは、流石の伊図透(と双葉社アクションコミックス)。

最後の遊覧船

すぎむらしんいちさんの「最後の遊覧船」。全2巻が2020年に刊行。

ドラマ大コケ+恋愛トラブルで炎上した女性脚本家が、故郷へ逃亡。実家近くの湖で遊覧船に乗ると、そこにはイケメン船長が。舞台脚本の締め切りを抱えつつも、ついつい遊覧船に乗ってしまい…という恋愛コメディ。

劇中で描かれるのは基本、遊覧船→ホテル→遊覧船→ホテル→…の繰り返し。主人公がいろいろと踏ん切りを付けようとするんだけど、なぜかこのループから抜けられない

しかし決して単調というわけではなく、むしろ毎回起こる愉快な出来事。その中で主人公の創作と現実がオーバーラップし、物語はやがて予想外な方向へ

作者・すぎむらしんいちさんのキャラクターはパッと見ねちっこいんだけど、読んでみると不思議な魅力を感じます。あま~いメロドラマ風な作画・雰囲気と、相反するようなギャグ感が最高に面白い!オススメの全2巻です。

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ワンナイト・モーニング

奥山ケニチさんの「ワンナイト・モーニング」。2巻が2020年に刊行。様々なシチュエーションにいる男女のワンナイトと朝ごはんを描くショート・ストーリー集。

もともと全1巻完結だったものが人気沸騰により連載復活、2巻の発売に至った作品。1巻登場のカップルたちの「馴れ初め」や「その後」が描かれて、前作の読者なら幸せな気分になること請け合い。もちろん新登場のカップルたちのストーリーも面白い。

ちょっとエッチなんだけど、それも含めて「ありそう」と思わせる幸福なリアル感が魅力。3巻に続く、と嬉しい予告もあり、今後も楽しみなシリーズ。

峠鬼

鶴淵けんじさんの「峠鬼」。3巻が2020年に刊行。

人間の身近に神々が居た頃の古代日本を舞台に、行者と弟子二人の旅を不思議な力を持つ「神器」を絡めて描く和風ファンタジー。

行者・役小角の仕える神・一言主様の元へと歩みを進める旅。その道中で描かれる神や神器が引き起こす奇妙な出来事の数々が、非常に面白い。

抜群の表現力、テンポの良い物語運び、そして随所に挟まれるスケールの大きいSF要素などが、1・2巻同時発売だった前巻の勢いそのままに、読者をグイグイと「峠鬼」の世界に引き込んでいきます。

これほどクオリティの高い和風ファンタジーには、なかなかお目にかかれないんじゃないでしょうか。ファンタジー好きに激烈にオススメしたい一作。

どるから

原作・石井和義さん、作画・ハナムラさんの「どるから」。5・6巻が2020年に刊行。

K-1創始者である正道会館・石井館長の魂がJKに転生し、潰れかけの道場を再建するために格闘技ビジネスを展開していく、という本格格闘+ビジネス漫画。

カワイイ見た目とは裏腹に、ゴリゴリの関西弁で「ダハーハッハッ」と豪快に笑う館長のキャラクターが、あいも変わらず癖になるおもしろさ。

6巻では格闘マンガのお約束、「JK-1」トーナメントに突入。一つのイベントを引っ張らずに、サクサクッと新しい展開を見せるテンポの良さで、爽快な読後感があります。

ビジネスパート・格闘パートともに、巻を重ねるごとにますます盛り上がって来た感じ。ハナムラさんの絵柄も安定のクオリティで、次巻にも期待。

そして遂に、正道会館絡みで「あの人」が実名で登場。ワロタ。

コーヒームーン

牡丹もちとさんの「コーヒームーン」。1~2巻が2020年に刊行。

雨の日の誕生日を、1,000回以上繰り返す少女。しかし友人・駄苗がループに加わるようになってから、その一日に少しずつ変化が…?

コメディ要素を基調としながらも、ミステリー・SF・ファンタジーなど、様々な成分を持ち、それらが渾然一体となった漫画。

その中でも特筆すべきは、「雨」の表現。全編に渡って描かれる「雨模様」が、「コーヒームーン」という作品に独特の重みを与えていて、これはかつてない漫画体験。高い作画レベルから生み出されるこの表現力は、漫画好きならチェックしておいて損は無し。

イン・ザ・ポケット 谷和野よみきり集

谷和野さんが2016年から2020年にかけて発表した読み切り漫画をまとめた、「イン・ザ・ポケット 谷和野よみきり集」。全1巻が2020年に刊行。

伯母の胸ポケットに入って夜会を見る、という不思議な体験をした少女。やがて成長し、大人の世界に触れていくが…という表題作「イン・ザ・ポケット」を皮切りに、独特の絵柄と繊細な感性によって紡がれていく、寓話・おとぎ話的な物語たち

谷和野さんの漫画はちょっとわかりにくい時もあるのだけれど、本作収録の短編たちは示唆的でありながら、良い意味で真っ直ぐな球を読者の心に放ってきます。懐かしくも新しい空気感は、唯一無二の漫画体験。読めば読むほど味が出てくるような。

半助喰物帖

草香去来さん+灯まりもさんの「半助喰物帖」。3・4巻が2020年に刊行。

幕末の侍・半助が現代にタイムスリップ、独身OL・香澄の台所番になって料理に邁進する、というグルメ・料理漫画。

侍だがもともと食道楽で、料理の腕がある半助。しかし150年の間に進化と変化を遂げている現代の料理事情。

彼が自身の知識をアップデートして和食を中心とした魅力的な料理をつくり、またその過程で食文化の歴史が見えてくる、という構図が面白い。

まあそんな堅苦しいことは考えなくても、台所で真面目に料理を作るちょんまげ+エプロンの男と、毎回出てくる非常に家庭的な料理が生み出す、ユーモラスな雰囲気と温かみに素直にひたすら浸りたい漫画。読むとついつい口角が上がってくるから不思議。

LOW LIFE

本書が初単行本となる、大嶋宏和さんの「LOW LIFE」。「LOW=低調」とでも訳しましょうか。そんな状態にあえぐ主人公たちを描く、全8編の短編を収録。

大学卒業後にフラフラして家族に疎ましがられる男。生活音のせいで隣人に陰湿に絡まれる会社員女性。参加したハイキングツアーで妙な居心地の悪さを感じる初老男性…。

どの話も淡々と、しかし確実にLOWな方向へ進み、そしてモヤモヤが残るラストへと収束。読みながら「はて、今オレは何を読んでいるんだろう?」とも感じるのですが、それでも読者を物語に引き込んでいく、絶妙な構成がウマイ。

どこかの誰かの、ひょっとしたらそれは自分かもしれない低調なストーリー群に不思議な没入感があり、読後に小さな棘を残していきます

僕の妻は感情がない

杉浦次郎さんの「僕の妻は感情がない」。1~2巻が2020年に刊行。

事故で感情を失った妻と夫の物語…かと思って読んだら全然違った。料理専門の家事ロボットと独身サラリーマンの「純愛」を描く恋愛漫画。

感情はもちろん表情の変化も無い家事ロボット・ミーナと、彼女に本気で惚れて「妻」として扱うタクマ。コミュニケーションのズレから来る笑いを絡めつつ、あれ、二人の愛の行方が気になってくる…。

ある種の気持ち悪さを感じつつ、それを突き抜けてグイグイと引き込まれていく、衝撃的な作品。

国境のエミーリャ

池田邦彦さんの「国境のエミーリャ」。1~2巻が2020年に刊行。

第二次世界大戦後、東西に分断された日本。ソ連に実効支配された東側で、西側への逃亡を手助けする「笑わない女」エミーリャの活躍描く、仮想戦後活劇。

もし日本がソ連に支配されていたら、きっとこんな世界になっていたに違いない、と思わせる緻密な描写が、池田氏の朴訥な絵柄と相まってとても良い雰囲気。

日本を2つに隔てる高い壁が生み出すドラマも読ませます。過酷な環境で頑なな表情を崩さない少女・エミーリャは果たして何を見るのか?

フォーゲット・ミー・ノット

岡藤真衣さんの「フォーゲット・ミー・ノット」。

中学時代に亡くした恋人(※男性)が忘れられない高3女子と、その恋人の妹である新入生女子。二人のガール・ミーツ・ガールを描く全1巻。

妹に兄の面影を重ねる元恋人と、それがわかっていて彼女に思いを寄せる妹。何が好きなのか、誰が好きなのか、なぜ好きなのか。

はっきりとしているようで同時にフワフワもしている、思春期真っ只中の少女二人の心情が、作者独特の淡い絵柄で綴られていきます。

最初は読んでいてちょっと気恥ずかしくなるような部分もあったのですが、読み進めていくうちに二人の心の揺れ動きがグッと迫ってきて、何だか圧倒。この作者、スゴイわ。物語をタイトルに収束させていくラストも素晴らしい。

怪異と乙女と神隠し

ぬじまさんの「怪異と乙女と神隠し」。1巻が2020年に刊行。

書籍紹介によると「ミステリアス&バイオレンス&アクション&エロティック現代怪異ロマネスク」だそうですが、1巻を読んだ感じでは、ちょっとHなオカルト・ミステリーといったところでしょうか。

謎の『「逆万引き」の本』の中身を詠んだことにより、体に異変を起こした書店員・小川菫子(28)と、彼女の変調に気づき奔走する不思議な同僚・化野蓮(年齢不詳)描く第一話。さらに蓮の妹?の通う学園で起こる怪異の調査描く第二話へ。

物語の盛り上がりはまだまだこれからといった感じですが、ちょうどいい加減のオカルトと、バツグンの描画力で読ませる漫画。期待大です。

「これは私、小川菫子と口の減らない友人・化野蓮の、ささやかな友情と別れに関する記録だ。」という冒頭、菫子のモノローグにシビれる

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST

長谷川裕一さんの「機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST」。10巻~が2020年に刊行。

Vガンダム以降の宇宙世紀を描くクロスボーン・サーガの最新作「DUST」も、ついに二桁巻に突入。

最大の敵「首切り王」との決戦前、コロニーの人々を救うべく「DUST」計画を発動させた主人公・アッシュ。その準備となる型破りな行動と展開は、ガンダム漫画の枠におさまらない最高のおもしろさを見せてくれます。

こんなにワクワクするガンダム漫画は、長谷川裕一さんにしか描けないであろう。

まとめ

以上、「【2020年版】この漫画が面白い!おすすめコミックまとめ」でした。未読の作品があればぜひチェックしてみてください。

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