「紅のメリーポピンズ」全4巻―スーパーナニーは今日も逃亡中

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エレガンスな育児テクニックで、子育ての難問・難事件を解決する謎のスーパーナニー!

漫画家・高口里純さんと言えば、個人的には「花のあすか組!」のイメージ。その高口さんが「ナニー」の活躍を描いた異色の漫画がこちら。ジュールコミックスより刊行の「紅(くれない)のメリーポピンズ」全4巻です。

ちなみに「ナニー」とは、母親に変わって子育てをする女性のこと。一時的な保育を請け負うベビーシッターとは区別される職業で、ナニーが活躍するイギリスでは、国家資格にもなっているそうです。

ナニー (イギリス) – Wikipedia

この「紅のメリーポピンズ」、普通の漫画とは異なるおもしろみを持つ作品でした。

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「紅のメリーポピンズ」レビュー

あらすじ

ファミレスでさわぐ子どもたちに何かをささやき、一瞬で静かにさせてしまった赤毛の女性。その様子が気になった母親の一人・四ツ葉優子は、女性・吏糸双葉(りいと・ふたば)に声をかける。

夫の実家が名士である優子。その目下の不安は、一週間後のパーティにしつけのなっていない娘・心奈を連れていくこと。双葉の力を見込み、住み込みでの対応を依頼。双葉もそれを快諾する。

そしてパーティの日。見事な振る舞いを見せる心奈に感嘆する優子。双葉の正体は、世界で10人もいないと言われる「スーパーナニー」だった。

しかしパーティ会場でダナ国王女・クシュリナに会い、挙動不審な様子を見せる双葉。実は彼女は、かつてナニーをしていたクシュリナの首飾りを窃盗した容疑で、国際指名手配を受けている身だった―。

紅のメリーポピンズ : 1 (ジュールコミックス)著者:高口里純出版社:双葉社発行日:2013-10-17

新感覚・育児マンガ

…というのが、第一話のあらすじ。育児系のうんちく漫画かと思いきや予想外の展開を見せ、第一話だけでビックリしてしまう「紅のメリーポピンズ」。双葉さんの設定からしておもしろいのですが、それはのちほど詳しく。

タイトルはもちろん、有名な児童文学「メリー・ポピンズ(またはメアリー・ポピンズ)」から。双葉さんの装いからして、英国の雰囲気が漂います。各話の形式は基本1話完結。スーパーナニーである彼女が、行く先々で育児に関わり、そして逃亡していく様が描かれます。

ユニークな主人公・双葉さん

「紅のメリーポピンズ」の魅力は、なんと言っても主人公・双葉さんのユニークな、というか、おもしろすぎる設定。

イギリスと日本のハーフで独身(33歳)、メガネと口元のホクロがトレードマーク。トップレベルのナニーを養成する、イギリスのノーランド・カレッジ出身。上品な佇まいで、上流家庭からも信頼を置かれる子育てのスペシャリスト。

さらに護身術にも長けているスーパーウーマンだが、窃盗容疑で国際指名手配中。まあ窃盗容疑については、クシュリナ王女のイタズラによるもので冤罪なんですが、それにしてもユニークすぎる設定。

育児に関する確かなバックグラウンドを持ちながら、決して自分をひけらかさない。そしてプロとして、老若男女問わず落ち着いた姿勢で、物事に丁寧に臨む双葉さん。おもしろくて魅力的な主人公です。

放浪のスーパーナニー

そんな双葉さん。指名手配中の身ゆえ表だって行動もできず、その日暮らしでお腹をすかす毎日。たまたま出会った家庭の育児問題を解決することで、糊口をしのぎます。

各話のパターンはこんな感じ。

  • 放浪の身で空腹
  • 各家庭で育児の手腕を発揮
  • 決めゼリフ
  • 実は彼女はスーパーナニーだった!
  • はっ、追手が近くに…

育児漫画に「水戸黄門」と「逃亡者」をプラスしたような感じ。このギャップが、何とも言えぬおかしみ、そして爽快感を産み出します。

実はマジメな育児漫画

しかし「紅のメリーポピンズ」、決してコメディではなく、基本はマジメに育児に取り組んでいる漫画。

双葉さんが向き合う対象は、赤ちゃんから20代の「子ども」まで。家庭もごく普通の一般家庭から、タレント・旧家・ヤクザ一家など様々。そこで発揮される双葉さんのナニーとしての手腕。子育てをする親御さんの参考になることが、たくさん描かれています。

私も1児の父ですが、この「紅のメリーポピンズ」を早く読んでいれば、もっと上手に育児が出来たのかも。特に赤ちゃんや幼児をこれから育てる親御さんには、是非見ていただきたい内容ばかり。

作者の高口里純さんは、ご自身もお二人の子どもをお育てになった方。その経験からでしょうか、書かれている内容に安心感がありますね。

まとめ

以上、「紅のメリーポピンズ」全4巻の感想でした。なんといっても注目は、スーパーナニー・双葉さんのキャラクター。

落ち着いた物腰と微笑み、そして子どもたちに向ける愛情の眼差しと真摯な姿勢。いつまでもその活躍を見ていたい魅力があります。

そして本レビューの最後は、双葉さんの決めゼリフで締めさせていただきます。

 

「教育は環境ではございません。人ですわ」

 

紅のメリーポピンズ : 1 (ジュールコミックス)著者:高口里純出版社:双葉社発行日:2013-10-17

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