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漫画『メガロポリス・ノックダウン(R)』感想―ゲーマー小学生は犯罪都市の夢を見るか?

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未成年お断り!のZ指定オンライン・クライムアクションゲーム。

その禁断の世界に足を踏み入れた女子小学生は、過激なプレイの果てに何を見るのか?

田澤類さんの漫画『メガロポリス・ノックダウン』。18歳未満お断りのゲームに小学生女子がはまったら

…をリアルなゲーム事情にのせて描く、異色のゲーム・コメディです。

本記事では『メガロポリス・ノックダウン』全2巻と、続編『メガロポリス・ノックダウンR(リローデッド)』を併せてご紹介します。

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『メガロポリス・ノックダウン(R)』感想・レビュー

あらすじ

テレビの「クライムアクションゲーム特集」に魅せられた小学5年生・鋭美は、親に隠れて部屋の収納スペースにゲームを設置。

18歳未満プレイ禁止の大人気オンラインFPS「メガロポリス・ノックダウン(通称「メガノク」「MKD」)」のプレイ開始に成功する。

しかしそこは初心者お断りの世界、鋭美は何度プレイしても瞬殺されてしまう。

そこでメガノクで生き延びるため、パートナーを探すことにした鋭美は、同じような低レベルプレイヤーとフレンドになる。

その鋭美のフレンド・守(漫画アシスタント・30歳)は、実はLv.1からやり直しプレイを始めたベテランプレイヤー。

鋭美とのプレイを楽しむが、会話から彼女が子どもであることに気づく。

R-18ゲームの中で未成年と関わるのはヤバい!と思いつつも、彼女の成長が気になってフレンドを切れない守。葛藤の末に鋭美がレベル20になったら「袂を分かつ」と決意

が、そんな彼の気持ちも露知らず、鋭美は今日もメガノクにログインする―。

ゲームに対する小学生女子の異常な執着心

かくして過激すぎるオンラインFPSゲーム(一人称視点のシューティングゲーム)「メガノク」の世界に足を踏み入れた鋭美。

漫画『メガロポリス・ノックダウン』の面白みの一つが、鋭美のメガノクに対するおそるべき執着心

親に隠れてプレイするためにゲーム機収納用の隠し戸棚を作ったり、3D酔いを克服するために一輪車に挑戦したり(小学生らしいw)。

さらにフレンドに未成年であることがバレないように、友達のお姉さんにインタビューして嘘プロフィールを用意したり。

学校でも成績は良いようですが、悪知恵にいかんなく注ぎ込まれるその頭脳(笑)。

ゲームをやるためにあの手この手と知恵を働かせる、鋭美の努力に思わず笑いがこぼれます。

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「好き」を追求する姿勢に共感

しかし鋭美の母親は非常に厳格な性格

「自分の子供が不適切なゲームをしていたら、(ゲームができないような)田舎に転校させる」と公言してはばからない人物。

そんな彼女にメガノクのことがバレたら洒落にならない…!

それでも鋭美はメガノクのプレイを止められない。何故か?

それは彼女がメガノクから受けた刺激が「本物」だから

大人の世界を覗いてみたいとか、残虐表現が好きだから、とかではなく(それもあるかもしれないけれど)、体の芯で感じた「メガノクの面白さ」を本能的に愛している(≒取り憑かれている)から。

そういうのって、日常の経験でもありますよね。理屈では語れない「好き」。似たような何かはあるけれど、「それ」じゃないとダメという存在。

そんな「好き」を直感的に突き詰める鋭美の姿勢に、不思議なシンパシーを感じます。

煽り型ゲーム実況者との対決へ

一方、鋭美のパートナーとなった守

未成年と知りつつも、ゲームへの驚異的な順応性を見せる彼女への興味から、ゲーマーとしてのポリシーをもってメガノクの作法をレクチャーしていきます。

彼のフォローもあって、メガノクにどっぷりハマっていく鋭美。しかし一巻後半で大きな転機が。

欧米型ストロングスタイルの煽り型ゲーム実況者・トラウト鈴木に絡まれ、「10対10のサドンデス方式によるチームデスマッチ」で対決することに。

仲間が次々と倒れる中、守の「秘策」によりバトルは白熱。そして一人取り残される鋭美(笑)。

オンラインゲームのリアルな描写と相まって、思わず手に汗握ってる緊迫の展開が連続。果たして彼女は「下品な大人」トラウトを倒せるのか…?

続編『メガロポリス・ノックダウンR(リローデッド)』

そんな漫画『メガロポリス・ノックダウン』、残念ながら諸般の事情で連載が終了。コミックスも全2巻で完結となりました。

が、2019年よりゲームメディア『Game*Spark』で続編『メガロポリス・ノックダウンR(リローデッド)』が連載開始!

2023年4月現在、単行本も電子書籍レーベル「ナンバーナイン」より、4巻まで刊行されています。

前作のラストですったもんだあった鋭美と守は、とりあえず「ゲーム友達」というポジションに。

しかし大人として、鋭美にはもう少し子供らしいゲームをプレイして欲しい守。オープンな場で鋭美と(健全な)ゲームをプレイするために、ゲームカフェへ。

そこで登場するのが、『メガロポリス・ノックダウン』に登場しながら鋭美らと絡めなかったメイドカフェ店員・目田さん(20)

客である鋭美・守とハンティングアクション「モンセバ」を楽しくプレイするが、「叔父と姪」という設定の守と鋭美をいぶかしみ…?

というわけで起きるひと悶着。非常に面白い展開が待っています。

また金髪ヤンキーでガチゲーマーな目田さんのキャラクターがインパクト大!以降の物語でも重要な役割を果たしていくユニークな彼女に、要注目です。

まとめ

以上、田澤類さんの漫画『メガロポリス・ノックダウン』『メガロポリス・ノックダウンR』の感想・レビューでした。

「18禁ゲームを楽しむ小学生」というストーリーの裏側に、未成年が過激なゲームに触れる薄ら寒さも織り交ぜて、ちょっと考えさせられたりもします。

とともに鋭美や守のゲーム愛、そして劇中のゲーム描写から、ゲームに対する「好き」がビンビン伝わってくる漫画

オンラインFPSゲームとリアルを取り混ぜたユニークな物語は、ゲーム好きならばどっぷりハマれること請け合いです。

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