「放置」は「うまさ」を増幅させる最強の方法だった!
そんな「放置」によって旨味を引き出す料理のレシピを、漫画形式によって楽しく紹介してくれるのが、こちらの本。
「放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる」という、タイトルズバリのレシピ本です。
料理研究家・小田真規子さんのレシピを元に、漫画家兼イラストレーターの谷口菜津子さんが実際に調理・試食し、コミカルな漫画で放置料理の魅力を伝えてくれます。
本ブログは基本的に漫画レビューブログなのですが、本書は漫画パートの比率が高いので、漫画扱いでご紹介。
っていうか谷口菜津子さんの漫画、好きなんですw。
「放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる」レビュー
放置料理とは?
「放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる」は、「放置料理」のレシピ本。
放置料理って何だ?というと、調理過程で「放っておく」時間のある料理。
例えば小一時間~数時間煮込んだり、あるいは半日~数日寝かせたり、という過程があり、またそれを経ることでおいしさがアップする料理が、「放置料理」です。
流行りの「時短料理」とは真逆だけど、「時間」という調味料を足すことでおいしくなる、そんな意味を持っています。
主な掲載料理
本書で紹介されている料理は20数種類。その中から一部をピックアップ。
- 鶏肉の欧風カレー
- ロースハム
- 牛肉ねぎ醤油漬け
- フルーツアイスケーキ
- 鶏もも肉のコンフィ
- 自家製ツナ
- パンチェッタ
- 切り身魚の味噌漬け
などなど。パッと見、お肉系の料理が多い感じ。
その他、野菜・魚料理や、デザート系の放置料理レシピも含まれています。
ちなみに「フルーツアイスケーキ」のサブタイトルは、「この時代にインスタで優勝する」です。確かに、見た目インパクトある!
調理方法はテクニックいらず
それぞれのレシピの調理方法は様々。
それこそ具材を切って調味料に漬けて寝かせるだけ、なものもあれば、下ごしらえをして二段階で煮て(放置)仕上げ、のような料理もあります。
放置料理は「放ったらかしにする時間がある料理」ですが、時短料理とは異なり、ある程度の手間が必要なものもある、という印象です。
ですが掲載レシピの基本理念は、「放っておけばできる」「テクニックいらずでかんたん」。
一見むずかしそうに感じるレシピも、冷静に見れば作れそうな料理ばかり。谷口菜津子さんも楽しそうに(笑)調理しています。
またコラム的に挿入される「教えて!小田先生」がわかりやすい。
「レシピより多いor少ない量で作るには?」「味が濃すぎるor薄すぎる時のリカバリーテク」など、初心者に嬉しい内容が含まれています。
う~ん、丁寧なつくり。
シンプルに漫画が面白い
そして料理に対するめんどくささをやる気に変えてくれるのが、谷口菜津子さんの漫画。
ジャンルとしてはレシピ本な本書ですが、その中身の大部分は漫画パート。8割強が漫画で、「コミック」といっても差し支えありません。
この漫画が実に!面白い。
大体、料理を作るきっかけ→実際の調理→実食の感想、みたいな感じで話が進むのですが、笑いを散りばめてテンポよく進むその様子、シンプルに漫画として楽しめます。
谷口菜津子さんは本職の漫画家・イラストレーターさんなんですが、独特の色彩感覚で描かれる漫画、センスがあって読みやすいんです。
読んでいると、何だか実際に自分が料理を作っている気分。気持ちも自然に盛り上がります。
本書で一番好きなシーンは、出来上がった料理が美味すぎて、鏡に映った自分に「これをあなたが作ったんですか!!」と谷口さんが乾杯するところ。おもろすぎるw。
わかりやすいレシピとの二段構成
もちろんレシピ本ということで、写真や詳細なレシピも記載。漫画の後にレシピが紹介されている、という二段構成。
すっきりわかりやすいデザインで、自然と作りたくなってくる仕掛けです。
料理に対する「めんどくささ」を「えいっ」と振り切る後押しをしたい、とは谷口菜津子さんの弁ですが、確かに「やってみようかな」という気にさせてくれる本。
普段の食卓を鮮やかにしたり、ちょっとした集まりで注目を浴びそうな料理が載っているのも、ポイントです。
まとめ
以上、谷口菜津子さん・小田真規子さんによる放置料理本「放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる」のご紹介でした。
本書、本当に漫画が面白いので、料理とは関係なく漫画好きの方にオススメしたい本です。
そして読み終わる頃には、自然と放置料理にチャレンジしてみようかな、という気になっているはず。
私もすっかり料理気分が盛り上がりました。パンチェッタや自家製ツナあたりから作ってみようかな。
なお電子版も刊行されているので、普段レシピをタブレット等で見ている、という方はそちらをどうぞ。
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