令和X年、「怪獣」が日本列島を襲う!未知の脅威に、自衛隊は国民を守ることができるのか…?
突如出現した「怪獣」と、対抗する自衛隊の戦いをリアルに描く、迫真の「怪獣漫画」。井上淳哉さんの漫画『怪獣自衛隊』感想・レビューです。
連載は新潮社の漫画雑誌「月刊コミックバンチ」及びWeb漫画メディア「コミックバンチWeb」で、単行本1~16巻が刊行中(2024年10月現在)。以下、『怪獣自衛隊』の主なあらすじや見どころなどをご紹介します。
『怪獣自衛隊』あらすじ
太平洋沿岸で発生した大津波から1ヶ月後。日本最南端・沖ノ鳥島の工事現場から、「巨大なバケモノに襲われている」との連絡が。
海上自衛隊の護衛艦「くれづき」が現場に急行すると、巨大な甲羅を持つ「怪獣」と遭遇。未知の怪物に撃沈され、多数の犠牲者を出してしまう。
それから4年後、尖閣諸島に再び出現した怪獣。中国の海警船を沈め、その乗員を捕食。さらに600名が乗るクルーズ船「富岳」へ接近!
船底へ取り付き、触手を伸ばして乗客を次々捕らえていく怪獣。富岳に偶然乗り合わせた自衛官・防人このえ、そして海上自衛隊は、人々を救うことができるのか…?
『怪獣自衛隊』のココが面白い!
「ヒーロー」のいない怪獣モノ
もし、現実に日本で巨大怪獣が出現したら。スーパーヒーローや巨大メカが都合よく現れるわけはない。唯一対抗出来る可能性のあるのは…
各種兵装を装備、訓練を受けた「自衛隊」しかありません。
と言っても自衛隊とて、「怪獣と戦うこと」を想定しているわけではない。また「未知の脅威」の前に、殉職の危険性も…。
しかし人の命を守るため、誰かがやらねばならない!
そんな自衛隊とその周辺に関わる人々の「ヒーローのいない決死の戦い」が、漫画『怪獣自衛隊』でリアルに描かれていきます。
クルーズ船内の攻防!
その物語の中心となるのは、主人公・防人このえ(さきもりこのえ)。
かつて津波災害で被災、自衛隊に救助された彼女は、自衛隊員を志し防衛大学へ。そして防大を卒業、祖母とクルーズ船で旅行中をしていたところ…
日本近海に出現した巨大怪獣と遭遇!任官前ながらも、海自の上層部から連絡を受け、船内での救助活動に尽力していきます。
そこで描かれる、このえの活躍がスゴイ!
船内に伸びる怪獣の触手をかいくぐり、恐怖に怯える人々を救っていく!身体能力の高さ、そして持ち前の勇気と行動力を発揮するその姿に、思わず力が入ります。
しかし彼女はあくまでも一人の人間。怪獣を排除するためには、自衛隊護衛艦からの魚雷攻撃が必要に。犠牲者が増える中、このえは乗客を一つにまとめ、攻撃に備えることができるのか…?
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複雑な様相を見せていく物語
そして怪獣の初出現、クルーズ船の遭難を経て、本格的に「怪獣災害」に見舞われる日本。
巨大怪獣の「幼体」とおぼしき小型怪獣が複数、東京湾から本土に上陸し、人知れず犠牲者が…?対・巨大怪獣とは異なる様相の陸上戦が、東京で展開されることに。
その小型怪獣たちに対抗するのは自衛隊+警察、さらに米軍の特殊部隊も介入。緊迫感あふれる現場の戦いだけではなく、組織同士の軋轢や、国家の駆け引きも含んだ政治パートが描かれ、ストーリーがより深まっていく。
この緊張感の連続が、ものすごく面白い…!
その中で自衛隊の対怪獣セクション「Taps(タップス)」に配属されたこのえ。「ひとりの自衛官」としてどのように行動し、怪獣という困難に立ち向かっていくのか?が大きな見どころ。
「ヒーローのいない」世界の中でヒーローの輝きを見せる彼女、その活躍から目が離せない!
感想・レビューまとめ
以上、井上淳哉さんの漫画『怪獣自衛隊』感想・レビューでした。
一般の怪獣映画のような「添え物」ではなく、「自衛隊がメイン」となる異色の怪獣もの。リアルな絵柄と内容で、物語に引き込まれていきます。
なお4巻から続いた小型怪獣戦は、9巻で一区切り。10巻では「新たな領域」へ突入。日本国民の安全を脅かす、巨大怪獣の驚異が再び…?
手に汗握る迫真の怪獣ストーリー、巻を重ねてますます盛り上がってきました!
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